尾関 玄監督/『ハルをさがして』

尾関 玄 (監督) 映画『ハルをさがして』について【3/6】

2016年8月6日(土)より、下北沢トリウッドにてロードショー

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

『ハルをさがして』場面1 『ハルをさがして』場面2――本当に中学時代に青春していたんですね。ただ、こういう冒険旅行となると実際にはやっぱり難しいと思うので、そこはうまいことファンタジー調にしているのかなと。映画の中でもみんなスマホを持っていて、普通だったら心配している親から連絡が来るはずですが、それは一切なかったですね。

尾関 そうなんですよね、まさに。親を出すかどうかというのは台本上かなり悩んで。確かに「ママに怒られるよ」とか言っている割には全然親から連絡が来ないなっていうのはあるんですけど、親を入れちゃうと絶対ブレてきちゃうので、そこは切り捨てました。

――そうですね。子どもたちだけで冒険をして、旅先で出会う人たちに翻弄されたり助けられたりするという、本当におとぎ話のような世界観ですよね。最初に彼らを泊めてくれる大人も「変態」ですからね(苦笑)。これって現実的に考えるとやっぱり深刻な問題にもなってしまうと思うのですが、キャーキャー言って逃げ出すという冒険映画の一コマとして描かれて。

尾関 ああ、そうなんですよ。あれは結構賛否両論で、「あそこだけは許せない」と言う人もやっぱりいるんです。ただ、出会う人出会う人がみんないい人だとドラマにならないんですよね。トラブルが起きて逃げ出すみたいなことも物語のひとつのフックになればいいかなと思って、変態おじさんを入れちゃいました(苦笑)。

――あのおじさんもちょっとかわいそうな境遇ではあるんですよね。まあそこは観る側がいろいろ考えればいいのかなと。ちょっと賛否両論出るのも分かるような難しいところはあるんですけど、あんまり頭を固くしないで子供目線に乗って観ると本当に面白いですね。

尾関 ロードムーヴィーのひとつの鉄板ですからね。『スタンド・バイ・ミー』でいうと犬を飼っているこわいおじさんみたいな、そういう意味合いで入れました。

――次に出会う小沢仁志さん演じる斉藤さんがまたこわくて、一難去ってまた一難ですね(笑)。

尾関 顔がこわいですからね、小沢さん(笑)。

――かと思うと洞口依子さん演じるスナックのママのような、すごく分かってくれる大人もいて。プロの俳優さんもいい方が揃っていますね。

尾関 小沢さんは何度か仕事を一緒にさせてもらっていて、ご本人を知っているので快く出演を引き受けていただいて。洞口さんとも一度だけお仕事をしたことがあるんですが、それはいちスタッフと役者なので個人的な流れは何もない中で、なんとか脚本を送って出演を承諾していただきました。小沢さんと洞口さんが出る場面は本当に締まるので、出演していただけてよかったです。

――子供たちへの演出はいかがでしたか?

尾関 やっぱり当時リアル中三で、演技もそんなに経験がないので、集中力が続かなかったり、楽しい修学旅行気分になっちゃったりするんですよね。でもそれに慣れられると困るので、特にノボルくん役の小柴くんには厳しくしましたね。菜月ちゃんのお芝居がどんどんよくなっていったんですよ。この映画は基本的にノボルくん目線ではあるので、菜月ちゃんに追い付かせるためにも結構厳しくして。そうするとちゃんとこの映画を完成させるという自覚も自然と芽生えてきて、疲れて宿に帰ってきても子供たち4人が自主的に練習しているんですよ。夜な夜な。

――すごく素直ですね。ちゃんと俳優としての責任感も生まれて。

尾関 映画の中で後半どんどん大人の表情になっていったと思うんですけど、この映画はほぼ順撮りで撮っていったので、映画を撮りながら彼ら自身も大人になっていったかなと思いますね。

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ハルをさがして 2015 年/日本/HD/ステレオ/カラー/93分
出演:小柴大河 佐藤菜月 小泉凱 橋本一輝 / 洞口依子 小沢仁志
脚本・監督:尾関玄
企画・製作・配給・宣伝:ISHIO プロデューサー:内藤諭 撮影:栗田東治郎
録音・整音:小牧将人 編集:石川真吾 音楽監督:遠藤浩二
主題歌「呼んでくれ」甲本ヒロト
©2015 ISHIO
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2016年8月6日(土)より、下北沢トリウッドにてロードショー

2016/08/07/00:23 | トラックバック (0)
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