アテム・クライチェ監督/『スターシップ9』

アテム・クライチェ (監督)
映画『スターシップ9』について【2/5】

2017年8月5日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

公式サイト 公式twitter (取材:常川拓也)

『スターシップ9』場面1 『スターシップ9』場面2 『スターシップ9』場面3
──そのように洗脳された影響からか彼女は外に出た後も筋トレをし続けています。エレナというキャラクターはどういったところから生まれたのでしょうか。

クライチェ 彼女が宇宙船で行っていたことが現実世界に戻ったらやらなくてもいいとしても、習慣として、あるいは自分の中のプログラムとして、ずっとやってきたことを変更してやめるということは非常に難しいことだと思います。たとえばずっと今まで毎日牛乳を飲んできた人が、急に牛乳ではなくお茶だけを飲めと言われたとしても、その人はやはりどこかの瞬間に体が牛乳を欲する部分は必ずあると思います。だから彼女は地上に出てきたことによって、今まで宇宙船だと信じて生きてきた自分の人生がすべて嘘だったことを知ることになり、それが瓦解してしまいます。そこから新たな現実の人生が始まるわけです。急に環境が変わったとしても、その変化を受け入れて順応していくためには時間がかかってしまうものだと思います。なので、エレナが地上に出てきた後も彼女は地球上にいる地球外生物であるというようなイメージをしていました。彼女は人間なのですが、宇宙にずっと暮らしていると思って生きてきて、しかしそれが実は自分は宇宙ではなく地上の中にいたということを扉の外に出た時に初めて体感する。地球人でありながら地球外生物のような存在であるという感じで彼女を描いています。なので彼女が外に出てもトレーニングをしているのは、毎日毎日AIからの命令でやってきたことが体の中に染み付いているので、それは急には変えられないことを表したいと思いました。

──本作のオリジナルのタグラインには「love will make you free」と付けられてもいますが、そういった生活を送ってきた彼女が愛によって変わるということを描きたい気持ちがありましたか。

クライチェ まずそのタグラインは私が付けたものではなく、カナダにある国際配給のエージェントの中で25人ぐらいスタッフが集まって考えたものです。一種の言葉遊びだと思いますが、ある意味では的を得たものになっていると思います。アレックス・ゴンザレス演じるエンジニアがエレナを愛することによって、彼女は宇宙船の中に閉じ込められていた生活からある意味では解放され、より自由を手に入れます。そういった意味でそのタグラインをつけたのだと思います。

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スターシップ9 (2017年/スペイン・コロンビア/スペイン語/95分/カラー/シネスコ/5.1ch/DCP/原題:ORBITA9)
監督・脚本:アテム・クライチェ
プロデューサー:クリスチャン・クンティ、ミゲル・メネンデス・デ・スビリャガ
撮影:パウ・エステヴェ 編集:アントニオ・フルトス 美術:イニーゴ・ナヴァロ 音楽:フェデリコ・フシド
出演:クララ・ラゴ、アレックス・ゴンザレス、ベレン・エルダ、アンドレス・パラ
配給:熱帯美術館 © 2016 Mono Films, S.L./ Cactus Flower, S.L. / Movistar +/ Órbita 9 Films, A.I.E.
公式サイト 公式twitter

2017年8月5日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷
ほか全国順次ロードショー

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2017/08/02/22:22 | トラックバック (0)
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