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第22回 TAMA NEW WAVEベスト男優賞受賞

とら男

「犯人はまだ生きている――」
前代未聞!映画史上初!元刑事が映画主演!!

『とら男』画像

公式サイト 公式twitter

2022年8月6日(土)より執念のロードショー
ユーロスペースほか全国順次公開

INTRODUCTION

かっての未解決事件の真相に迫る、セミドキュメンタリータッチの傑作ミステリー!

とら男は、ある事件のことが忘れられないまま孤独に暮らしている元刑事。そんなある日、東京から植物調査に来た女子大生かや子と偶然出会う。とら男の話に興味を持ち、彼女は事件を調べ始める。誰からも忘れられた事件はゆっくりと動き出していくことになる。

1992年9月に起きた「金沢女性スイミングコーチ殺人事件」。未解決事件のまま、2007年に時効が成立した。犯人の目星をつけながらも、逮捕に至らなかった西村虎男、刑事歴30数年の執念の捜査は終わらない。時効から15年、当事者本人役で主演し、現実とフィクションの二重構造を軸に、闇に葬られた事件の謎と真実を世間に問う。監督の村山和也はCM・MVを中心に映像ディレクターの傍ら、短編『堕ちる』(2017年)制作、本作が初の劇場用長編映画となる。監督自身、殺人現場の近くに住み幼い頃から興味を持った事件で「虎男さんの無念さを映画で表現したかった」。再捜査はまだ続く。

『とら男』場面画像2

村山和也監督コメント

みなさんは、人生で一番幸せな時はいつですか?
私は、何も心配することなく暮らせて親友も父もおばあちゃんもおじさんも、みんな生きていた小学生の頃です。そんな時代にある殺人事件がありました。しかも、よく野球をしていた公園で犯行が起こった事件です。この映画は、そのことなら彼らにも分かるのではという個人的な想いから始まっています。
事件を調べていく中で出会った元刑事の西村虎男さんには、本を書いてまで誰かに伝えたかった積年の想いがあります。それを背負って映画を作ることになるわけですが、撮影しながら取材したりと、事件を再捜査するような感覚で作った映画です。こんな特殊な映画に参加してくれた加藤さんはじめ役者、スタッフのみなさん、そして亡くなった撮影監督の鈴木イヴゲニには本当に感謝の気持ちしかありません。
さまざまな想いの詰まった「とら男」が、この化石のような未解決事件を少しでも動かすことができたらと思います。

村山和也監督プロィール 1982 年石川県生まれ。2002 年ニューヨーク市立大学在学中に短編映画から映像制作を始める。帰国後、CM 制作会社を経て 2008 年より CM・MV を中心に映像ディレクターとして活動をスタート。2017 年、映画「堕ちる」が、32 分の短編映画ながら映画館で単独上映されるなど、国内外で話題を呼ぶ。

『とら男』場面画像4

主演:西村虎男 コメント

映画の世界とは無縁の私が『とら男』の主演として銀幕に? 未だに信じられないような気持ちでいます。
村山監督とは、私が警察を退職した後、ある目的を持って出版した電子書籍を通じて知り合い「事件を題材にした映画を作る……」との話は聞いていたのですが、私が出演する映画になるとは夢にも思っていませんでした。
3年後に「ロケハンに付き合って欲しい」と言われ、軽い気持ちで撮影場所などの案内をし、その時に初めて私が出演する映画として準備が進められていることを知り、一瞬戸惑ったのですが、村山監督の映画に掛ける熱意と人柄に押し切られ「なるようになれ」との思いで、カメラの前に立つことにしました。
現場では『かや子』役の加藤才紀子さんに合わせてもらうような撮影で「加藤さんは、やりづらかったのでは?」と思っています。
村山監督同様、この映画で「社会の何かが変わるきっかけになれば?」と思っています。

西村虎男プロィール 1950 年石川県生まれ。元石川県警特捜刑事。42 年間の警察人生の内、32 年間刑事人生を歩き、未解決となった女性女性スイミングコーチ殺人事件捜査を最後に、刑事生活を終える。退職後は事件を扱った電子書籍「千穂ちゃん、ごめん! amazonリンク:『千穂ちゃんごめん! ペーパーバック』」を書きあげた後、農園で野菜作りをしながら、細々と執筆活動をしている。

『とら男』場面画像1

主演:加藤才紀子 コメント

情報過多な時代を生きる中で、誰もが「既に終わった」と思う事柄に対して、「終わることができない」人たちがいます。私が演じた梶かや子という役は、その点に関して強いこだわりを持っているのですが、周りの人は次へ次へと進んでいってしまう。
そんな中、とら男さんと出会い、まるで初めて見つけた同志のような気持ちを抱き、未解決事件に深く関わるようになります。撮影中はドキュメンタリーとフィクションの狭間にいるような、なんとも不思議な感覚でした。俳優として、人の人生にここまで関わったことは、後にも先にも「とら男」が初めてで、村山監督との出会いから撮影、完成に至るまで、たくさんの奇跡の連続だったように思います。ぜひ、スクリーンでご覧ください。

加藤才紀子プロィール 1993年生まれ、東京都出身。「リップヴァンウィンクルの花嫁」( 2016 )にてスクリーンデビュー後、映画・ドラマ・CM などの映像作品を中心に活躍。主な出演作に「飢えたライオン」( 2018 )、「普通は走り出す」( 2019 )、「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」( 2020 )、「春」( 2021 )など。劇場公開長編の主演作は本作が初である。

『とら男』場面画像3
COMMENTARY
  • フィクションがノンフィクションの側へ越境するのか、それとも、ノンフィクションがフィクションの側へと越境してくるのか。どちらにせよ、“実際の未解決事件”というモチーフに対するナラティブな制約、或いは、表現の制約といった壁を、『とら男』は悠々と飛び越えてゆく。フィクションとノンフィクションとの境界を、まるで“水面”のように千変万化させているのだ。重要なのは、「本当にあったのかどうか?」という真実の在り処ではない。ある事象が、時代の風雪に耐えきれぬまま世の中から忘却されたとしても、いち個人が「忘れない」ことに意味があるのだと考察させている点にある。さらに、いつの間にか観客の脳裏へ“実際の未解決事件”の記憶が刻まれているという、巧妙な罠まで仕掛けられている。そのプロセスを提示することで、「覚えている」ことと「忘れない」こととが似ているように見えて、実は全く異なるメカニズムであることを、この映画は可視化させているのだ。こんなアイディア思いつき、製作に動いたなんて、すごい才能だと思う。――松崎健夫(映画評論家)
  • 殺人事件絡みのミステリー調なのに、ほのぼのムードの異色バディムービー。劇中に混ざるドキュメンタルな感触。ココロに残るのは、とら男さん&かや子さんの「再生と成長」。色んな具の入ったおでんのような、超ジャンル的でユニークな組成の映画。どうやったらこんな味が出せるんだろう!?――森直人(映画評論家)
  • この映画の凄さは主人公のもと刑事・西村虎男の目力だろう。未解決の水泳コーチ殺人事件を退職後も調べる主人公を、当時本当に事件を担当した刑事本人が映じているのだから、そのリアリティと迫力は半端ではない。リアル『殺人の追憶』といってもいい映画だ。――柏原寛司(脚本家・映画監督)
  • とにかく実在の元刑事“とら男”さんのキャラクター、芝居、いや芝居と言っていいのかさえも分からないリアリティ、それらがとにかくすごい。そして事件にかかわる証言者たちの佇まい、あり方、その場に自分たちが立っていると勘違いするほど迫ってくる。ドキュメントとフィクションの垣根を超えたとか言ってる場合でなく、これは紛れもなく映画として屹立しており、何にもまして、友情と成長と諦念のドラマがシンプルに芯を貫き通しているからこそ出来た離れ業。脱帽!――瀬々敬久(映画監督)
『とら男』場面画像5
CREDIT
監督・脚本:村山和也
撮影:Evgeny Suzuki 音楽:前口渉
出演:西村虎男,加藤才紀子,緒方彩乃,河野朝哉,河野正明,長澤唯史,南一恵,
吉田君子,中谷内修,深瀬新,安澄かえで,大塚友則,河原康二,石川まこ
製作・配給 ©「とら男」製作委員会
(2021年・1時間38分・DCP)

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2022/08/04/12:08 | トラックバック (0)
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