インタビュー
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綾部 真弥 (監督)
公式インタビュー
映画『劇場版 おいしい給食 Final Battle』について
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2020年3月6日(金)よりユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて全国公開

『おいしい給食』は、1980 年代のある中学校を舞台に、市原隼人の演じる給食マニアの教師・甘利田幸男と、給食マニアの生徒・神野ゴウによる、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描いた学園グルメコメディ。食欲をそそる給食バトルと合わせ、甘利田と彼を取り巻く子供たちや大人たちのさまざまな人生模様が人気を呼んだTVドラマ版に引き続き、劇場版でもメガホンを取った綾部真弥監督の公式インタビューをお届けする。
綾部 真弥 1980 年生まれ。世界の映画祭で高い評価を受ける鬼才監督・園子温に師事。助監督として、映画『新宿スワン』(15)、『リアル鬼ごっこ』(15)、『ひそひそ星』(16)、『ヒメアノ~ル』(16)、『アンチポルノ』(17)、『ケアニン あなたでよかった』(17)など多数参加。ドラマ「みんな!エスパーだよ!~欲望だらけのラブウォーズ~」(15/dTV)で監督を務め、映画『人狼ゲーム クレイジーフォックス』(15)で劇場長編映画デビューを果たして以後、武田玲奈主演の『人狼ゲーム インフェルノ』(18)や『ゼニガタ 』(18)、『ピア まちをつなぐもの』(19)、『芝公園』(18)など幅広い作風の作品を数多く生み出している。
STORY 1984 年。給食マニアの教師・甘利田幸男(市原隼人)に衝撃が。なんと、学校から給食が無くなるというのだ!!「どちらがよりおいしく給食を食べるか」という超絶給食バトルを甘利田と繰り広げている生徒の神野ゴウ(佐藤大志)は、【給食革命】を目指し、生徒会選挙に出馬すると高らかに宣言。そんな 2 人を見守る新人教師の御園ひとみ(武田玲奈)の心労は果てしない……。給食一筋ウン十年。甘利田は愛する給食を守るため、史上最大の給食バトルに打ってでる!
『劇場版 おいしい給食 Final Battle』
――『人狼ゲーム』シリーズ、『ゼニガタ』『柴公園』など、さまざまなジャンルの作品を撮られてきた綾部監督ですが、今度は“食”ものですね。最初に“給食”がテーマだと聞かれたときはいかがでしたか?

綾部 企画の永森さんとは何度かご一緒しているのですが、10年前くらいから温めていた給食の話があると聞いたんです。当初はもっと人間ドラマに振った内容だったようですが、それをアレンジして、今ならグレーゾーンになりそうな厳しい教師がいて、でも実は給食が大好きで、その時間をすごく楽しみにしていると。それで今の1話に近いものを読ませてもらったら面白くて。ただ、食ものは大変だぞという心配はありましたね。しかも給食なので、クラス全員分用意しなくてはならない。撮影も真夏になりそうだと。

――それでもやってみようと。

綾部 主人公の甘利田はもちろんですが、神野ゴウのキャラクターが魅力的だったんです。あんなに厳しい先生が、あっけなくやられてしまうという(笑)。ただの食ものだけにはとどまらない、人間ドラマと、そしてスカッと明るいコメディのバランスがちょうどよかった。そしてみんなが懐かしいと感じられる給食を軸にすることで青春ドラマにもなる。これはいけるなと。それで2話から4話を僕が書いて、永森さんと田口さんとで手分けして脚本を仕上げていきました。

――80年代が舞台ですが、それはグレーゾーンだという甘利田先生のキャラクターもあってのことですか?

綾部 それもありますが、いくつかの理由が重なってですね。80年代の給食って、いわゆる給食創成期のクジラの竜田揚げといったものから、ソフト麺やミルメークといった給食の記号のようなものがありつつ、パンではなくてご飯が出てきたりと新しいものも出てきたちょうど過渡期の時代なんです。先生にも今だとちょっと問題になりそうな厳しい先生がいたり。この時代ならいろんな要素を詰め込めて、一番面白いだろうと。

――牛乳の蓋が表面だけ剥げた!といった給食あるあるも、すごく懐かしく楽しめました。

綾部 ですよね。今では牛乳も紙パックだったりしますからね。給食の器もプラスチックだったり。懐かしさを感じられて、幅広い年代が楽しめるんですよね。途中で気づいたんですが、給食の話だと、今の子供たちとも話ができるんですよ。昔はこうだったと話すと「えー!」と驚かれたり、今はこんな味のものがありますよとか。給食文化って、日本の国民行事でみんなが経験してるんですよね。その給食を通して人間ドラマを描ける。

――主人公の甘利田先生は市原隼人さんが演じていますが、本当にぴったりですね。

綾部 最高ですよね。最初にどういう方が合うんだろうと考えましたが、永森さんが市原隼人さんがいいと思っていた通り、やはり一番似合うなと。厳しいんだけど、どこか緩いところもあって、給食を食べながらにやけている姿が可愛い。

『劇場版 おいしい給食 Final Battle』 『劇場版 おいしい給食 Final Battle』場面1
――根っこが給食愛だとしても、ちゃんと生徒のことを見ているし、かっこいい先生でもあります。

綾部 生徒のことなんかどうでもよくて、給食が好きなんだといいつつ、結構分かってるんですよね。ズレていそうでいて、教育者としても押さえるところはしっかり押さえている。実はすごくいい先生なんじゃないかと思える。

――実際に市原さんとお会いしてみていかがでしたか?

綾部 初めてご一緒したのですが、台本上での甘利田は、もう少し抑えた感じだったんです。

――そうなんですか!?

綾部 給食のシーンは、あそこまでアグレッシブに机を揺らしながら食べたりとか、そういう感じではなかったんです。芝居はリアリズムでやりながら、給食のときには少し遊んでくらいのつもりでした。でも最初の本読みのときに、市原君がかなりアグレッシブに、熱量を持って、オーバーアクトな感じでやってきたんです。特にナレーション。

――あのナレーションが抜群です。

綾部 飽きないですよね。どうしても食ものというと、淡々としたナレーションが多くて、そうしたイメージが勝手にこびりついていたのかもしれません。なので、最初は抑えてやろうと思っていたのですが、市原君のアプローチを見て、思い切ってやってみようかと。

――市原さんならではの甘利田先生です。

綾部 そうなんです。それでクランクインの前日に、彼に直接電話をしました。それで「もう少し抑えてという話をしたけれど、それは忘れて、市原隼人にしかできない甘利田先生をやろう。思い切って突き抜けよう」と。そしたら市原君もすごく喜んでくれて「やりましょう!」となったんです。甘利田のキャラクターとしてはメガネに関しても直前まで固まっていませんでした。

――給食のときは外すメガネですね。

綾部 掛けようかどうしようかと最終決定していませんでした。市原君は掛けたがっていたし、僕もそのほうがいいと思ったのですが、どうしても表情が見えづらくなってしまう。なら、食べるときに外すのはどうだろうと。それも前日の電話で決まっていったんです。甘利田が自分の世界に入るスイッチなんじゃないかと。外してスイッチを入れて、食べ終わると神野の存在を思い出すという。

――自分の世界に入り込んでいるときには、目の前の給食に集中しているんですね。

綾部 設定としてもいいし、これなら食べているときの表情もよく撮れる。いつものメガネをかけて武装している甘利田ではなくて、武装を解除して、給食を全身で楽しんでいる甘利田を描けると。市原君も「いいですね」と乗ってくれました。

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劇場版 おいしい給食 Final Battle (2019 年/カラー/ビスタ/5.1CH/約 103 分)
出演:市原隼人,武田玲奈,佐藤大志,豊嶋花,辻本達規,水野勝,直江喜一,
ドロンズ石本,いとうまい子,酒向芳,BOYS AND MEN BOYS AND MEN
監督:綾部真弥 脚本:永森裕二,綾部真弥 撮影:小島悠介 照明:大庭敦基 録音:井家眞紀夫
美術:伊藤悟 フードスタイリスト:松井あやこ
ロケーション協力:比企フィルムコミッション/埼玉県川島町/埼玉県川島町教育委員会
主題歌:松本大輝「君の花」 作詞作曲:こんどうたかふみ 歌:松本大輝(AMG MUSIC)
制作プロダクション:メディアンド 企画:AMG エンタテインメント/イオンエンターテイメント
製作:「おいしい給食」製作委員会 配給:AMG エンタテインメント/イオンエンターテイメント
© 2019「おいしい給食」製作委員会
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2020年3月6日(金)よりユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて全国公開

2020/03/03/19:31 | トラックバック (0)
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