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人間椅子1

人 間 椅 子

公式HP Coming Soon
ふれあうことも抱きしめ合うこともないまま愛し合っていたのだ。
私たちは肉の重みとぬくもりで恋をしていた。
肌も唇も触れぬ、恋。腱の張りを、腰のまろみを、下腹の隆起を、
一枚の革を隔てて感じ合うことが、私たちの愛の営みだったのだ。

6/30~7/6、7/14~7/20、シアターN渋谷にてレイトショー
6/30の初日舞台挨拶、また上映期間中にも
イベントの開催を予定しています。

6/24高田馬場・BABACHOPにて
「人間椅子」公開記念イベント開催!

人間椅子の佐藤圭作監督の過去作品上映と監督とゲストによるトークのほか、
「人間椅子」の制作秘話にも言及!?など盛りだくさんの内容を予定。
スタート17:00より 入場料1000円 / BABACHOP http://www.babachop.com/

INTRODUCTION

江戸川乱歩のストイックでエロティックな愛の世界

人間椅子2 椅子に座る女、椅子の中の男…。椅子の革1枚のおかげで2人の肌は、唇は、直接触れ合うことはない。女は椅子の上で悶え、男も椅子の中から愛撫する。革1枚隔てた向こうにある肌の感触、肉の重みを感じ、2人は激しく愛の行為に耽る。

衝撃の結末が逆流した動脈を瞬く間に凍らせる!

貌の人気作家、今野佳子の担当者となった真理は、一人暮らしの佳子の家にある黒革の大きく、まるで生きているかのような椅子が気になって仕方がない。一方で、佳子の師匠で失踪中の大御所作家、大河内俊作の行方にも興味を持つ。そのうち真理は、大河内が佳子の家にいるのではないかと思うようになる。しかも、あの椅子の中に…。真理は佳子の新作ではなく、大河内に新作を書かせようと考える。果たして大河内はあの椅子の中にいるのだろうか。もしいるとしたらなぜ? 

乱歩の代表作に新鋭が挑む!

編処女作『二花子の瞳 ?にかこ、の、ひとみ?』で国内外から絶賛を浴び、『蒼き狼 ~地果て海尽きるまで~』では脚本協力を務めた新鋭の佐藤圭作が初の長編監督作として江戸川乱歩の耽美と官能と衝撃の世界に挑む。

宮地真緒 小沢真珠 板尾創路 不条理を奏でる異色のコラボレーション

里を演じるのは映画、ドラマ、ミュージカルと幅広く活躍している宮路真緒。佳子を演じるのは実に4年ぶりの映画出演となる小沢真珠、編集長・小原を演じるのは最近ではお笑いの場と共に演技の場での活躍も目覚しい板尾創路。その他、若者たちに絶大な人気を誇る劇団ハイレグタワーの辻修など、個性的なプレイヤーたちが顔を揃えた。

Story

人間椅子3貌の人気女流作家・今野佳子の新任担当となった倉田真里の仕事は、佳子に新作を"書かせる"ことであった。若くして華々しくデビューした佳子は、ここ数年新作どころかエッセイすら書いていない。真里が勤める出版社の新人賞に応募したことが佳子のデビューのきっかけで、作家志望だった真理はその賞にも応募した過去があり、彼女にとって佳子はまさに憧れの存在であった。

真里には有名人の私物やゴミを盗んでは集める妙な癖があった。上司の編集長・小原と佳子と会食した際にも、佳子が使用したティースプーンを懐に忍ばせていた。
真理は佳子がデビューした本当の理由を先輩に尋ねると妙な答えが返ってきた。佳子は大御所作家の大河内俊作の弟子をしていた。弟子と言ってもその実、大河内の変態プレイの相手をしているだけではあるが…。変わり者の大河内に耐えられなくなり、担当編集者まで失踪してしまうくらいであった。あるとき、出版社の屋台骨を支えていた大河内自身が突然失踪してしまい、文芸誌の連載の穴を埋めるべく、美人の佳子を小原が抜擢したのだと言う。小原の狙いはまんまと当たり、若手の美貌作家として大河内以上の人気を得る。佳子の才能を昔から知るその先輩は、佳子にゴーストライターが付いているのではとい疑問を抱いていた。

担当編集者として"書かせる"ために佳子の家へ日参するようになった真理は、徹夜で張り付くこともしばしばあった。そんなある日、コレクションをあさろうとしていたゴミ箱から2本のストリーを拾い上げる。1本の口には口紅の跡が、もう1本の口には緑色をした何かコケのようなものが付着していた。また別に日には「おかえりなさい」と記されたメモが捨ててあった。この家には真里、佳子のほかに誰かがいるのではないか?真里のその疑問が確証に変わったのは、佳子がいつも座っている椅子に座らされたときだった。言い表せぬ座り心地と感触は、まさに椅子の中に人がいるのではないかと思わせる。先輩が言っていた大河内と佳子の関係、ゴーストライターの存在…、それらは椅子の中に大河内が入っており、佳子のゴーストライターをしていると真里に思わせるに充分なものであった。

小原に大河内の新作原稿が手に入ったらどうするか尋ねると、小原はニヤリとしながら昇進させてもいいと言う。真里がしていることはいつしか佳子に"書かせる"のではなく、大河内に"書かせる"に変わっていた。そして真理は遂に、佳子の使っていないパソコンから誰が書いたのかわからない新作原稿を見つけてしまう。それは、一歩踏み入れたら決して抜け出ることの出来ない無間地獄への扉を開けるに等しい行為であった。決して抜け出ることにできない…、椅子の中の人間のように…。

Production Note

"間椅子"ができるまで

「不定形で不安定な」という椅子の形状にこだわった佐藤監督であったが、実際に人間が入り演技をするという機能性も必要とされ、『どろろ』などの美術を担当したジョイアートの丸尾知行と打ち合わせを重ねた結果、本編で使用された椅子のデザインとなった。その後、椅子製作担当の原島礼知が加わり、生きているような椅子を演出するための素材として着ぐるみスーツなどで使用さてる特殊な合成皮革が採用され完成に至る。まるで生きているかのように今野佳子と絡む椅子の動きを本編でたっぷりとご堪能下さい。

"See You Next Wednesday"

FMラジオの音声をバックに、真里と小原の不可思議な情事の後に2人が沈黙しながらくつろぐシーン。ジョン・ランディスのファンという監督曰く「『ブルース・ブラザース』の劇中、納税に向う2人が乗る音楽が流れるエレベーターを意識した」。「ならばちょっと遊ぼう」というプロデューサーに乗せられ、ラジオのナビゲイターに"See You Next Wednesday"を言わせてしまった。この言葉、ランディス監督の映画で必ず出てくるトレードマーク。ちなみにFMラジオの番組名『エンジー・ミッドナイト』のエンジーとは監督とナビゲイター、ケン・リバーストーンこと石川謙が住む高円寺のこと。

Cast/Staff Profile

監督 佐藤圭作

新聞、雑誌へ映画とアートに関する執筆、現代美術プロジェクトへの参加等を経て、短編映画を監督、今作が初の劇場用長編作品となる。ナショナリティとセクシュアリティに関する思弁性と娯楽性を備えた「絵空事」を語ることが創作上のテーマ。処女作『二花子の瞳 ?にかこ、の、ひとみ?』(02)はハンブルグ国際短編 class="h_medium"映画祭で正式上映され、TAMA NEW WAVEではグランプリを受賞するなど、国内外で高い評価を受ける。クィアスタディーズを踏まえ「性器を介さない性交」を描いた第三作『梵天』(04)にてベルフォール国際映画祭外国短編劇映画部門Prix du Public<観客賞>受賞、AHFショートフィルムフェスティバルではグランプリを受賞する。スタッフとしての参加作品に『蒼き狼 ~地果て海尽きるまで~』(07)での脚本協力がある。

宮地真緒(倉田真里 役)

01年フジテレビ・ビジュアルクイーン、02年旭化成の水着キャンペーンガールを経て、02年のNHK朝の連続ドラマ小説「まんてん」のヒロイン役に抜擢される。03年には歌手として山口百恵の名曲「秋桜」のカバー曲を発表する。その後も女優として「ウォーターボーイズ」(03)、「南くんの恋人」(04)、「アタック№1」(05)などのドラマ出演、ミュージカル「ピーターパン」の7代目主人公として舞台に、そして『暗いところで待ち合わせ』(06)、『赤い鯨と白い蛇』(06)など映画出演にと活躍している。

小沢真珠(今野佳子 役)

93年にTVドラマ「神様の罪滅ぼし」でデビュー。その後も数多くのTVドラマに出演し、96年には『ろくでなしブルース』で映画に、そして98年には「こどもの一生」で舞台にも進出する。NHK朝の連続テレビドラマ小説「甘辛しゃん」の出演、写真集を発表するなど精力的に活動していたが、"ボタバラブーム"を巻き起こした「牡丹と薔薇」(04)の香世役で大注目を浴びる。ドラマ、舞台、またバラエティにも精力的に出演をこなしているが、映画出演は本作が実に4年ぶりとなる。

板尾創路(小原茂樹 役)

吉本NSC4期生の同期、蔵野孝洋と130Rを結成する。「ダウンタウンのごっつええ感じ」の出演をきっかけに人気も全国区に。「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」では外国人女性と子供と共に登場する謎のキャラクターを怪演して役者としての片鱗を見せ、『空中庭園』(05)で高い評価を得て、『妖怪大戦争』(05)、『オトシモノ』(06)、『着信アリFinal』(06)など多くの映画に出演する。

原作 江戸川乱歩

1894年三重県生まれ。1965年逝去。1923年に「二銭銅貨」でデビューを果たす。探偵を主人公とした本格ミステリを発表する一方で、若年愛、サディズム、グロテスクな世界を取り入れた通俗ミステリ小説も発表し、昭和初期の大衆から絶大な支持を受ける。25年に明智小五郎が初登場する「D坂の殺人事件」、36年には少年探偵団シリーズ第一作「怪人二十面相」を発表し、それぞれロングセラーシリーズとなる。本作「人間椅子」は25年に発表されている。戦後は日本推理作家協会の設立に奔走し初代理事長に就任するなど、ミステリの裾野を一般に広げることにも力を注ぐ。筆名はアメリカのミステリ作家、エドガー・アラン・ポーをもじったもの。
C R E D I T

監督:佐藤圭作 原作:江戸川乱歩
製作:松下順一 プロデューサー:武内健 アシスタントプロデューサー:佐藤嘉一
脚本:佐藤圭作/武井彩 音楽監督:柳田しゆ 撮影:大河勇 美術:松本知恵 照明:米川史朗
録音:土屋和之 VE:宇津野裕行 編集:清水正彦 助監督:阿部満良 制作担当:島根淳
制作:円谷エンターテインメント 製作:アートポート

CAST
宮地真緒(倉田真里)  小沢真珠(今野佳子)  板尾創路(小原茂樹)
辻修   石川謙   鈴木薫   鈴木拓也 茅野雅生 水戸ひねき

2006年/日本/カラー/DV/ビスタサイズ/ステレオ/76分
配給・宣伝:株式会社アートポート www.artport.co.jp
宣伝協力:アルゴ・ピクチャーズ株式会社
(c) 2006 アートポート

公式HP Coming Soon

6/30~7/6、7/14~7/20、シアターN渋谷にてレイトショー

2007/05/24/18:46 | トラックバック (0)
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