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公開講座 木村栄文 レトロスペクティブ

http://www.kimura-eibun.com/

“エーブン”を大いに語る!!トークショー開催!!
  • 2/11(土)13:00~『苦海浄土』+『あいラブ優ちゃん』上映終了後 ゲスト:原一男さん(映画監督)
  • 2/12(日)13:00~『むかし男ありけり』上映終了後
    ゲスト:金平茂紀さん(TBSテレビ執行役員 兼「報道特集」キャスター)×丹羽美之さん(東京大学情報学環准教授)
    15:20~『桜吹雪のホームラン』上映終了後
    ゲスト:阿武野勝彦さん(東海テレビ『平成ジレンマ』『死刑弁護人』プロデューサー)×石井彰さん(放送作家)
  • 2/18(土)13:00~『飛べやオガチ』+『いまは冬』上映終了後
    ゲスト:粟村晧司さん(木村栄文作品編集者)×橋浦太一さん(山形国際ドキュメンタリー映画祭コーディネーター)
  • 2/19(日)13:00~『桜吹雪のホームラン』上映終了後
    ゲスト:森達也さん(作家・映画監督)×石井彰さん(放送作家)
    15:20~『記者それぞれの夏』上映終了後
    ゲスト:渡辺考さん(NHK「もういちどつくりたい~木村栄文の世界~」ディレクター)×石井彰さん(放送作家)
  • 2/25(土)12:50~『記者ありき 六鼓・菊竹淳』上映終了後
    ゲスト:柳下毅一郎さん(特殊翻訳家)×清水浩之さん(ゆふいん文化・記録映画祭コーディネーター)
  • 2/26(日)12:50~『鉛の霧』+『まっくら』上映終了後 ゲスト:吉岡忍さん(作家)×石井彰さん(放送作家)

2012年2月11日(土)~3月2日(金)まで、オーディトリウム渋谷にて開催!

空前絶後の喜怒哀楽
ミスター・ドキュメンタリー木村栄文との遭遇

木村栄文木村栄文(きむら・ひでふみ)。通称“エーブン”。2011年3月に逝去。RKB毎日放送のディレクターとして、1970年代から90年代にかけて、数々のドキュメンタリーをお茶の間に届けてきた。その多彩な作風は自由奔放、ときに荒唐無稽。画面から溢れだすのは、人間の美しさ、哀しさ、そして可笑しさ。水俣病を題材にした作家・石牟礼道子の同名小説を映像化した「苦海浄土」、先天的な障がいを持つ愛娘に木村自身がカメラを向けた「あいラブ優ちゃん」、不屈の新聞記者・菊竹淳を三國連太郎が演じた「記者ありき 六鼓・菊竹淳」、作家・壇一雄の晩年の足どりを高倉健が追う「むかし男ありけり」など。2011年の山形国際ドキュメンタリー映画祭に集まった人々を激しく興奮させた比類なき作品群を一挙公開。

木村栄文(きむら・ひでふみ)……1935年1月22日福岡県福岡市生まれ。59年西南学院大学卒業後、RKB毎日放送入社。70年、「苦海浄土」が高く評価され文化庁芸術祭大賞を受賞。その後、「まっくら」「鉛の霧」「あいラブ優ちゃん」など約40年に渡り数多くのドキュメンタリーを制作し、ギャラクシー賞大賞などテレビ界の数々の賞を受賞。賞獲り男の異名を持ち、他局を含めドキュメンタリー制作者たちに広く影響を与えた。94年には民放の制作者として初めてNHK衛星第2で「木村栄文の世界」と題した特集が組まれる。個人賞として放送文化基金賞(88)、日本記者クラブ賞(95)、紫綬褒章(2002)を受賞。11年3月22日逝去(享年76)。

上映タイトル一覧

まだ観ぬ作家を追悼することも再評価することもできないはずだ
ようこそ、めくるめく“エーブン”の世界へ
全12作品、9プログラム。全てが劇場初公開!!

飛べやオガチ Fly Ogachi│57分│1970年 第14 回ギャラクシー賞期間選奨

『飛べやオガチ』 構成:井田敏 撮影:大江泰弘、井上謙治 編集:粟村皓司 音声:藤木大二郎 ナレーション:芥川隆行 琵琶:中村旭園

◆玄界灘の孤島に生きる海鳥・オガチは巨大な翼ゆえ地上からは飛び立てない。恨めしく空を見上げ梢をよじ登るが、ときに足を踏み外し命尽きることも……人力飛行機という果てなき夢を追い続ける前田建一の狂気にも似た老体の執念とオガチの羽ばたきがシンクロする。“男のロマン”と呼ぶにはあまりに不器用な男の挑戦と生涯を追う。

『いまは冬』

いまは冬 Darkness│35分│1972年

構成:香月隆 撮影:木村光徳 編集:粟村皓司 音声:小野宏行 語り:中村靖

◆詩人、クリスチャンであり、貧しい人が自由に使える鍵の無い募金箱を全国に設置する「地の塩の箱」基金運動主催者の江口榛一。活動の衰退、娘の自殺、妻の病……孤独を深めていく中、千葉県の団地で木刀を振り回す姿は理想の社会を求め闘う侍のごとし。ちなみに、三里塚闘争の空港建設反対派、推進派ともに彼の賛同者であった。

『鉛の霧』

鉛の霧 Lead Fog│41分│1974年

1974年日本民間放送連盟賞テレビ社会番組最優秀賞 第1回放送文化基金賞ドキュメンタリー番組本賞 構成:香月隆 撮影:木村光徳 編集:芥川親雄 音声:小野宏行 ナレーション:杉山明男

◆鉛を精製する小さな工場を営む北島社長。社長含め従業員ほぼ全員が鉛中毒に冒されながら働く様が報道される。しかしこのルポが取引先の逆鱗に触れ、会社は倒産に追いやられる。窮地に立たされた北島社長。木村は北島の妻から「ジャーナリズムなんて大嫌い」と罵られながらも、北島のその後をどこまでも追いかけ続ける。

『まっくら』

まっくら Pitch-Black│48分│1973年

構成:森崎和恵 撮影:木村光徳、相本卓郎 編集:粟村皓司 音声:小野宏行 出演:常田富士男、白石加代子

◆筑豊のボタ山にヘリコプターで舞い降りる不躾なレポーター役(木村栄文)は、炭鉱夫(常田富士雄)に痔の話で煙に巻かれ、炭鉱の女(白石加代子)には川へ放り込まれる。度重なる事故で7000人以上が殉職した筑豊炭鉱、それでも働く人々にとってそれは生きる力そのものだった。失われていくものへの木村の愛が滲む傑作。

苦海浄土 Pure Land, Poisoned Sea│49分│1970年 第25回芸術祭大賞

『苦海浄土』作:石牟礼道子 撮影:木下淳介、大江泰弘 編集:粟村皓司 音声:小野宏行、井上義信 ごぜ・語り・出演:北林谷栄 語り:今福正雄

◆「自分の親に、子供に、妻に、水銀を飲ませて見ろ。そうすればこの地獄が分かる」――石牟礼道子の同名小説を原作に、不知火海の漁業で生きてきた人々の海への愛と懸命に生きる姿を描き出す。北林谷栄ふんする琵琶瞽女が町を彷徨い、水俣病患者や遺族に寄り添うという木村の演出は虚実のあわいから観る者全ての胸を撃つ。

あいラブ優ちゃん I Love Yu-chan│48分│1976年 第14回ギャラクシー賞大賞

『あいラブ優ちゃん』 構成:木村栄文 撮影:木村栄文、相本卓郎、木谷重勝 編集:粟村皓司  音声:藤木大二郎、小野宏行、遠藤裕己 朗読:木村栄文

◆主人公は先天的な障がいを持つ自身の長女・優ちゃん。愛娘への想いとともに木村が生きた世界の豊かさをも結晶させた伝説的なエーブン流セルフドキュメンタリー。自ら担当したナレーション曰く、「足の悪い優は、かけっこではいつもドン尻です。でも、おてんとうさまはこの子に天性の明るい気質を授けてくれたと思います」。

記者ありき 六鼓・菊竹淳 The_Journalist: Rokko/Kikutake Sunao│86分│1977年

『記者ありき 六鼓・菊竹淳』 第5回放送文化基金賞ドキュメンタリー番組 番組賞 1977年度テレビ大賞優秀番組賞 第21回JCJ賞本賞 構成:鳥山拡 撮影:相本卓郎 編集:粟村皓司 音声:藤木大二郎 朗読:江藤茂利 出演:三國連太郎

◆五・一五事件の後、大手新聞社が軒並み軍部支持を掲げる中、ファシズムを痛烈に批判し続けた新聞記者・菊竹淳。三國連太郎が菊竹を演じるのだが、再現ドラマと呼ぶにはあまりにもアヴァンギャルド。ジャーナリズムのあり方といったテーマを超えて、木村=三國コンビは、狂気にも似た“淳しゃん”の自由への情熱に迫る。必見!

鳳仙花 ~近く遥かな歌声~ Bongseonhwa│72分│1980年 第35回芸術祭大賞

『鳳仙花 ~近く遥かな歌声~』 構成:金平洙 撮影:木村光徳 編集:粟村皓司 音声:遠藤裕己 朗読:江藤茂利、中川豊子

◆朝鮮動乱の最中、人々を支えたのはそうとは知らず響いた日本のメロディだった。それは終戦後「ポンチャック」に姿を変え、今なお歌い継がれている。美空ひばりや韓国国民的歌手、文化人らへの膨大なインタビューと歌唱で展開する日本と韓国・朝鮮の近現代関係史論。木村のときには酒を交えながらの体当たりの取材が冴え渡る。

むかし男ありけり A Portrait of the Author│85分│1984年

『むかし男ありけり』第39回芸術祭優秀賞 第22回ギャラクシー賞月間賞 1984年度テレビ大賞優秀番組賞
構成:鳥山拡 撮影:木村光徳、相本卓郎 編集:粟村皓司 音声:藤木大二郎  ナレーター:白坂道子 出演:高倉健

◆“最後の無頼派作家”と呼ばれた男の素顔とは? 作家・檀一雄の晩年の足どりを俳優・高倉健が追う。日本での母、妻、愛人たちとの愛憎の日々とは対照的に、異国の地ポルトガル・サンタクルスでは土地の人々から慕われ、穏やかな時を過ごしたことが明かされる。健さん、木村が並んで男を試される愛人との対面シーンはスリル満点。

『絵描きと戦争』

絵描きと戦争 The Painters and the War│92分│1981年

  第36回芸術祭優秀賞 第9回放送文化基金賞ドキュメンタリー番組 番組賞 1981年度テレビ大賞優秀番組賞 構成:菊畑茂久馬 撮影:相本卓郎 編集・演出協力:粟村皓司 音声:藤木大二郎

◆太平洋戦争の時代を芸術家たちはどのように過ごしたのか? 九州筑後の片田舎でひっそりと農作物や牛ばかりを描き続けた坂本繁二郎と、数々の戦争画の大作を残し、戦後は日本を追われた藤田嗣治。二人の画家の対照的な生き方を中心に、戦争が芸術に与える影響を考察しながら、時代に翻弄される人間の運命を浮き彫りにする。

桜吹雪のホームラン ~証言・天才打者大下弘~
『桜吹雪のホームラン ~証言・天才打者大下弘~』The Home-Run King: Oshita Hiroshi│81分│1989年

1989年日本民間放送連盟賞テレビ娯楽番組最優秀賞
第26回ギャラクシー賞奨励賞

構成:木村栄文 撮影:久保田稔 編集:粟村皓司 音声:藤木大二郎 ナレーター:井川良久、芳賀喜子

◆敗戦直後の日本プロ野球界が生んだホームランキング。“野武士軍団”西鉄ライオンズの主砲、大下弘。その生き様、光と影を往年の名選手や教え子たちの証言で彫り上げる。フォークボールがまだ“魔球”だった時代の英雄譚には、戦友たちが語る「伝説」こそ相応しいと言わんばかりの粋な演出に野球ファンならずとも泣き笑う。

記者それぞれの夏 ~紙面に映す日米戦争~
The Journalists under the Pacific War│81分 │1990年 第6回芸術作品賞

『記者それぞれの夏 ~紙面に映す日米戦争~』 構成・演出:木村栄文 撮影:木谷重勝、今村晃一 編集:木谷重勝 音声:藤木大二郎、小野宏行 朗読:白坂美智子、常田富士男、中村基樹

◆太平洋戦争時、日本とアメリカの新聞はそれぞれの戦争をどう伝えたのか。両国の当時の記者への貴重なインタビューに加え、ワシントン州のとある島のローカル新聞の発行人と、毎日新聞西部本社の編集局長という二人の新聞人の生き方を通してジャーナリズムのあり方を問う。戦争とは何か? 取材対象者から木村が問い返される場面も。

2012年2月11日(土)~3月2日(金)まで、オーディトリウム渋谷にて開催!

http://www.kimura-eibun.com/

記者ありき―六皷・菊竹淳の生涯
記者ありき―六皷・菊竹淳の生涯 [単行本]
新装版 苦海浄土
新装版 苦海浄土 (講談社文庫) [文庫]

2012/02/01/11:33 | トラックバック (0)
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