エミール・クストリッツァ監督作品・特集上映
ウンザ!ウンザ!クストリッツァ!
2016年1月23日(土)~2月12日(金)まで、
YEBISU GARDEN CINEMAにて開催
『アンダーグラウンド』第二次大戦以降を巨大地下施設に隔離されて暮らす人々という奇想天外なアイディアと、一度聴いたら絶対に忘れられない独特な音楽でユーゴスラビア紛争と旧ユーゴスラビアの激動の歴史をコミカルかつ悲哀を込めて描き、第48回カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した『アンダーグラウンド』で、世界中から注目を集めた奇才エミール・クストリッツァ監督の特集上映が開催される。
今回上映されるのは、日本では1991年以来の公開となる『ジプシーのとき』(89年/第42回カンヌ国際映画祭監督賞受賞)を筆頭に、現代におけるアメリカン・ドリームを、ジョニー・デップ、ジェリー・ルイス、フェイ・ダナウェイ、ヴィンセント・ギャロ、ポーリーナ・ポリスコワといったハリウッドの個性派俳優たちを起用して描いた異色作『アリゾナ・ドーム』(92年/ベルリン映画祭銀熊賞受賞)、クストリッツァ監督の名を世界に決定づけた一大巨篇『アンダーグラウド』(95年)、前作『アンダーグラウンド』がその内容と表現から一部でプロパガンダなどと批判され、引退宣言をしたクストリッツァ監督の再帰作で、喧噪と猥雑と底抜けの陽気さをハイテンションな音楽で彩ったヒューマン・コメディー『黒猫・白猫』(98年/ヴェネチア映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞)、『黒猫・白猫』の音楽を担当したネレ・カライリチとのつながりで音楽活動に再傾倒したクストリッツァ監督が、ネレのバンド「ノー・スモーキング」に合流し「エミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラ」というバンド名を改めてヨーロッパ・ツアーを行った模様を描いた音楽ロード・ムービー『SUPER8』(01年)、そして、旧ユーゴスラビアのボスニア紛争を舞台に、敵捕虜の女性に恋をした男性が直面する不条理と、不条理に満ちた人生にそれでも希望を見失わない人間の逞しさ・素晴らしさを描いたヒューマン・ラブストーリーで、全編にクストリッツァ節が炸裂している『ライフ・イズ・ミラクル』(04年/第30回セザール賞最優秀ヨーロッパ作品賞受賞)、の全6作品。
今やクストリッツァ作品のトレードマークとなっている特徴的な音楽は、ジャズ、ラテン、スカ、ハードロック、そしてジプシー音楽などを融合させた「ウンザ・ウンザ・ミュージック」と呼ばれ、映画における音楽の重要さを再確認するにはうってつけだろう。ファンキーで熱狂的で高揚感をかき立てる音楽に彩られたクストリッツァ作品の数々を、ぜひこの機会にスクリーンで体感・堪能して欲しい。
■1月23日(土)19:40「SUPER8」上映終了後21:15~
出演:豊島“ペリー来航”渉さん×吉開裕子さん
「ウンザウンザについて」*CD「シンデレラはウンザウンザを踊る」を2011年にリリースした、人気バンド“バックドロップシンデレラ”豊島“ペリー来航”渉さんと、「ジプシー音楽修行記」本を発売予定のトランぺッター吉開裕子さんを迎えて、クストリッツァ映画に欠かせないウンザウンザミュージックの魅力を語っていただきます。
■1月27日(水)19:50「ジプシーのとき」上映終了後22:10~
出演:関口義人さん×サラーム海上さん
「ジプシー音楽について」*ジプシー/ロマ研究、また音楽評論家の関口義人さんと、サラーム海上さん(音楽評論家/中東料理研究家)を迎えてトークを行います。御二人がどうクストリッツァ映画の音楽を堪能したのか伺える、とても貴重な機会になります。
2016年1月23日(土)~2月12日(金)まで、
YEBISU GARDEN CINEMAにて開催
- アーティスト:エミール・クストリッツァ&ノースモーキング・オーケストラ
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- アーティスト:バックドロップシンデレラ
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