映画祭情報&レポート

関西クィア映画祭2014

枠をこわしてワクワクする秋。性をテーマにした関西で最大級の映画祭

http://kansai-qff.org/

2014年10月17日(金)・18日(土)・19日(日)
とよなか男女共同参画推進センターすてっぷにて開催

「性」と「それにかかわる暮らしや生き方」をテーマにした映像作品を世界各国から集めて上映する、関西クィア映画祭が間もなく開催される。本映画祭はその名の通り「クィア」(セクシュアル・マイノリティを包括的に意味する言葉)を扱った作品を一挙に上映する関西最大級の映画祭で、同性愛をテーマにした作品に留まらず、トランスジェンダーやバイセクシュアル、インターセックスなどを扱った映画を日本で最も多く上映してきた映画祭でもある。独自に海外から作品を取り寄せ、翻訳や字幕作成を行っていることから、日本ではここでしか観られない作品も多数あるため、回を重ねるごとに注目度が高まっている。
9回目となる今年は「枠をこわしてワクワクする秋」をキャッチコピーに、観る者の枠を根底からくつがえす17作品(長編9作品、短編8作品)を上映。恋愛や性欲の「好き」にとらわれず、様々な形の「好き」が表現された作品たちを通じて、日々の人間関係の中でお互いのありのままを受け止め「それがあなただよ、そしてこれが私だよ」と言える自由の意味や重要性について思いを巡らしてみたい。
上映期間中には、ゲストトークが二つ開催されるほか、映画上映以外にも、映画の背景状況に関する資料や映画祭の資料などの展示、プログラムの合間に観た映画について話し合える「シェア・コーナー」、映画を見た後に一息できる「カフェ・コーナー」、読みやすいマンガや性に関連した本などを集めて昨年大好評だった図書館「はしもとしょかん」、来場者が日頃思っていることを自由に書くことができる「なんでも書いていいコーナー」と、様々な企画が楽しめる特設スペース「クィア・スペース」も用意されている。また、会場内には性別関係なく誰でも入れる「クィアトイレ」も設置。映画祭全体で「性」に関する意識を高める工夫が施されているので、近くにお住まいの人はこの機会に、是非足を運んでみて欲しい。

ゲストトーク
① 10月18日(土)16:20開演 「すいっちんーバイブ新世紀ー」上映前
ゲスト:ササタニーチェ監督
② 10月19日(日)11:30開演 「ソウル・フラワー・トレイン」上映後
ゲスト:西尾孔志監督、脚本・上原三由樹さん

上映タイトル一覧
『(A)セクシュアル』

『(A)セクシュアル』( Angela Tucker/75分/2011/米国 )

アセクシュアルって何?セックスをしない人の事?性欲がないの?恋はする?オナニーは?あなたには、セックスは誰もがしたいものという偏見はないだろうか。「性欲がある」のが前提される社会で、性的欲求を抱かないアセクシュアルの人たちがいる。アセクシュアルは自身のアイデンティティとどう向き合うのだろうか。

『少女は自転車にのって』( Haifaa Al Mansour/97分/2012/サウジアラビア、ドイツ )

『少女は自転車にのって』

女性が乗るのは「はしたない」とされる自転車が、のどから手が出るほど欲しいワジダ。自転車を購入する資金を得るため、一念発起し猛勉強を始めることに。映画館が禁じられている国サウジアラビアで、初の女性監督による映画が誕生!会場では、イスラム圏に向けられる視線について、関連資料を展示します。

『明日私に恋をして~Will You Still Love Me Tomorrow?~( Arvin Chen/104分/2013/台湾 )

『明日私に恋をして~Will You Still Love Me Tomorrow?~』

ウェイツォンは、いわゆる「人生勝利組」のような生活を送りながらも、冴えない気持ちで過ごしていた。そんな時、眼鏡屋で出会った客に一目惚れし、忘れようとしてきた気持ちが沸き上がってしまう…。妹の婚約騒動や台湾のゲイライフなど、サイドストーリーもユーモラスな演出で愛嬌たっぷりに描く、群像ラブコメディー。

『アロハの心をうたい継ぐ者』 ( Dean Hamer & Joe Wilson/77分/2014/ハワイ、米国 )

『アロハの心をうたい継ぐ者』

ハワイでは古代より、トランスジェンダー(ハワイ語で“マフ”)は尊敬される存在だった。“マフ”であることからくる悩み、白人世界との共生、周りの人の様々な思い。見終わったとき残るのはハワイの真髄と人間の温もり。「性的少数派かつ民族少数派」というダブルマイノリティを生きる者の力強いドキュメンタリー作品。

『すいっちん―バイブ新世紀―』( sasatani-chez/61分/2011/日本 )

『すいっちん―バイブ新世紀―』

あの話題作が再登場!性をたのしむのに大活躍のバイブレーター。エロ文化を独自の視点で描くササタニーチェ監督が、知られざる世界にメスを入れる。男女の非対称性をあぶりだす、抱腹絶倒のドキュメント。バイブは男根の幻か?本作はあなたをブブブと震撼させる!

『3(スリー)』

『3(スリー)』( Tom Tykwer/120分/2010/ドイツ )

生、老、病、再生、生殖、死、死後。人間の終わりと始まりはどこなのか。性愛関係は二者間だけのもの?人はひとりしか愛せない?気づかず前提としていたものが揺らぐ瞬間、あなたの世界が広がる。作中に使われる象徴的な青色やデイヴィッド・ボウイの曲が流れるエンドロールなど、最後の最後までがとびきりに美しい第一級の作品。あの「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ監督が贈る、新しい愛のかたち。

『ソウル・フラワー・トレイン』( 西尾 孔志/97分/2012/日本 )

『ソウル・フラワー・トレイン』

ちょっととぼけた父親の、コテコテロードムービー。ちっとも田舎に帰ってこない娘ユキを訪ね、大阪へ出てきたお父さん。初対面のアカネに「こっちやで!」ついて行くと人情あふれる下町。そしてストリップ劇場も初体験!そんなハラハラする冒険のあと、父は娘の秘密に気づいてしまう。一方アカネにも、ある思惑が…⁈

『インターセックスであること』( Grant Lahood/68分/2012/ニュージーランド )

『インターセックスであること』

あなたはどれだけ想像を膨らませても知識を持っても本人に会うまでは本人を知ることはできない。知るべきは目の前の人。でもせめて垣間見たい。「インターセックスであること」では,マニが出会う幾人もの人々の姿,現実,社会,そしてその取り巻く問題を映し出す。私たちはインターセックスの何を知ることができるのか。

『キス・ミー』( Alexandra-Therese Keining/105分/2011/スウェーデン )

『キス・ミー』

親同士の婚約パーティーで出会った、フリーダとミア。 それぞれ恋人がいるものの、初対面からお互いが気になって仕方ない。思いが深まる程、引き裂かれる心…。悲しい、好き、うわの空-“目による語り”が溢れる本作。字幕を追う事ばかりに気を取られず、ふたりの表情を見逃さないでほしい。第21回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で会場をいっぱいにした作品。

ほか、短編8作品を上映。詳細は公式サイトの上映作品一覧でチェック!

http://kansai-qff.org/

2014年10月17日(金)・18日(土)・19日(日)
とよなか男女共同参画推進センターすてっぷにて開催

2014/10/09/18:47 | トラックバック (0)
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