安藤サクラ/『0.5ミリ』

安藤 サクラ (女優)
映画『0.5ミリ』について【2/3】

公式サイト 公式twitter 公式Facebook

2014年11月8日(土)より、有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー!

(取材:深谷直子)

――サワは可愛いし優しいし、とても気持ちのいい女性ですが、やっぱり謎めいていますよね。

安藤サクラ安藤 すごく気になる存在ですね。本当の彼女はどうなんだろう?と思いたくなる人だなと。監督は“ニューヒーロー”をつくりたかったみたいで、そういう意味ではバッチリな主人公像だと思います。大体ヒーローっていうのは正体をあまり明かしてないですからね。

――津川雅彦さんや坂田利夫さんをはじめとする共演の方々もすごいですね。今までサクラさんはやはり若い俳優さんとの作品が多くて、まあそうではないものもありますが。

安藤 でもさすがにこの作品は70代、80代の大先輩ばかりなので。そんな現場はないですよね。しかもサワちゃんはその方々……というか、おじいちゃんたちをブンブン振り回さなければいけないですからね。

――本当に独特の作品だと思います。そういう大先輩の方々がまっすぐに若いサワと向き合う演技をされて、素晴らしかったです。物語としても、老人たちに接していく中で、その内面を知っていくことを描いていますが、サクラさんもやっぱり演じていて教えられることは多かったのだと思います。特にどんなことが印象的でしたか?

安藤 津川さんからは、本当に五感、いや、もはや六感? すべての感覚から生涯大切にしたいと思えることを感じさせていただきました。具体的なものを学んだというよりは、目の当たりにして何かずっと自分に残るものを学ばせていただいたと思います。映画に携わる者として、貴重なものを感じさせていただきました。

――撮影の上でもじっくりと時間をかけられていて、例えば小鯵のみりん干しを作っていくところをゆったりと追うことで、津川さん演じる義男先生が本当に少しずつ心を開いていくという微妙な心の変化が感じられました。津川さんとのシーンは何日ぐらいで撮ったんですか?

安藤 撮影自体はまったくゆったりではなかったんです。もちろん、順撮りでもなかったので、どれぐらいなんでしょう? 午前中は坂田さんと、午後は津川さんとのシーンを撮るような日もありましたし。でもおじいちゃんたちのキャラクターもそれぞれ全っ然違うし、演じる俳優さんのタイプも全っ然違うので、相手の違いはそんなに意識していませんでした。

――役柄としては不思議なんですけど、この役には自然体のサクラさんの可愛らしい面もたくさん出ていますよね。

安藤 それは姉だからこそ映せた私だと思うんです。

――桃子監督はサクラさんのことを「昭和の女優の美しさを持っている」とおっしゃっていて、お料理を作るシーンだとかが本当に柔らかくあたたかい感じで、こういうサクラさんは初めて見たなと思いました。

安藤 ちょっと奇抜な役が多いので、私(笑)。そうじゃないのもけっこうあるんですけど、大体印象に残るのは奇抜な役のほうみたいで。

――そうですね(笑)。この役も風来坊ですよね。いろんなところを渡り歩いて。

『0.5ミリ』メイキング1
メイキング:安藤桃子監督・津川雅彦・安藤サクラ 『0.5ミリ』メイキング2
メイキング:安藤サクラ・安藤桃子監督
安藤 「フーテンのサワちゃん」なんです(笑)。

――(笑)。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(10)もロード・ムーヴィーでしたし、全然タイプの違う作品ですが、『かぞくのくに』(12)も『今日子と修一の場合』(13)もスーツケースを引っ張って、自分の居場所を探しているような役でしたね。

安藤 役柄はどれも全然違うけど、そうですね、確かに。

――そういう役とご自身とに共通するところはあると思いますか?

安藤 やっぱり私自身にもそういう欲求があるから映画に出る仕事が好きなのかもしれないですね。普段は家でじっとしていることが好きなタイプで、めったに外に出ないんです。この間撮影で渋谷を歩いて「ああ、街だ~」とドキドキしました(笑)。

1 2 3

0.5ミリ 2013/196分/カラー/ビスタサイズ
出演:安藤サクラ / 柄本明 坂田利夫 草笛光子 津川雅彦
監督・脚本:安藤桃子
エグゼクティブ・プロデューサー:奥田瑛二 プロデューサー:長澤佳也
アソシエイト・プロデューサー:畠中鈴子 原作「0.5ミリ」安藤桃子(幻冬舎文庫)
撮影:灰原隆裕 照明:太田博 美術:竹内公一 録音・整音:渡辺真司 音楽:TaQ フードスタイリスト:安藤和津 主題歌「残照」寺尾紗穂 作詞・作曲:寺尾紗穂(アルバム「残照」収録)(発売元:MIDI INC./Published by YANO MUSIC PUBLISHING Co.,Ltd.) 助成:文化芸術振興費補助金
企画:ゼロ・ピクチュアズ 制作:リアルプロダクツ 製作:ゼロ・ピクチュアズ,リアルプロダクツ,ユマニテ
配給:彩プロ 宣伝:『0.5ミリ』三姉妹 広報企画:道田有妃 © 2013 ZERO PICTURES / REALPRODUCTS
公式サイト 公式twitter 公式Facebook

2014年11月8日(土)より、
有楽町スバル座ほか全国順次ロードショー!

2014/11/06/21:22 | トラックバック (0)
インタビュー記事
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

主なキャスト / スタッフ

記事内容で関連がありそうな記事
キャスト&スタッフで関連がありそうな記事
メルマガ購読・解除
INTRO 試写会プレゼント速報
掲載前の情報を配信。最初の応募者は必ず当選!メルメガをチェックして試写状をGETせよ!
新着記事
アクセスランキング
 
 
 
 
Copyright © 2004-2024 INTRO