小劇場演劇やサブカルチャーの発信地として多くの若者を惹きつけてきた下北沢は、映画の舞台としても様々な形で描かれている。今回、下北沢商業者協議会との共同企画で、下北沢唯一の映画館となったトリウッドを会場に、下北沢に縁のある8作品を一挙に上映する特集上映が開催される。
人気バンドの楽曲がモチーフの30分のショートフィルムや、フランス人監督が東京を舞台に描いた長編作品、今とは違う下北沢駅前でのミュージカル風景が観られるピンク映画など、ジャンルにとらわれない多彩な作品群からは、雑多なものをそのまま取り込むことで個性的で魅力的な空間を形成している下北沢という街の姿そのものが透けて見えてくる。
下北沢を愛してやまない人は、スクリーンの中に残された今はもう見られない街の風景を探してみるのもいいし、下北沢に縁がなかった人はこの機に街を訪れ、映画鑑賞後に街を散策してみるのもいいだろう。いずれも、下北沢の魅力を発見、あるいは再発見することができるであろう一ヶ月間を見逃すことなく楽しんでいただきたい。