第14回ニッポン・コネクション ニッポン・ビジョン審査員賞受賞
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014 監督賞/SKIPシティアワード受賞
螺旋銀河
あなたのように食べ あなたのように
見ることができたらいいのに。
2015年9月26日(土)よりユーロスペースにてレイトショー
ほか全国順次公開
映画界にまたひとり、新たな才能があらわれた。
期待の女性新人監督、草野なつか。長編デビュー作品『螺旋銀河』はドイツ・フランクフルトで開催される歴史ある映画祭、第14回ニッポン・コネクションで審査員賞を受賞。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014では長編部門の監督賞とSKIPシティアワードをW受賞する快挙を成し遂げた。
草野なつかの作家的特質としては、シンプルで丹念な、王道的ともいえる語り口の「強さ」が挙げられる。いかに目には見えない感情を映し出すか。その命題に向かう強度のある描写は未来の映画への確かな前進を感じさせ、著名な評論家や映画関係者の心を動かした。
いち早く映画評を寄稿した方々を始め、配給を決意したリトルモア(『まほろ駅前』シリーズ、『舟を編む』企画・製作)、これまでの上映で本作を見て頂いた観客の熱い声援により、ついに正式劇場公開が決定した。
綾と幸子。あなたが出会う二人の濃密な世界とは。
シナリオ学校に通う綾(石坂友里)の原稿が学校課題のラジオドラマに選ばれるが、共同執筆者を立てることが放送の条件だと言われる。嫌がる綾は、偶然言葉を交わした会社の同僚・幸子(澁谷麻美)のおとなしい性格に目をつけ、共同執筆者に仕立て上げようとする。地味な自分とは違う華やかな綾に憧れ近づきたいと思う幸子、美人だが自分本位な性格が災いして人間関係を構築できない綾。対照的な二人の関係による"ラジオドラマの共作"は、やがて彼女達を奇妙な空間へと誘うが……。
現実と非現実の狭間に迷い込むような不可思議な体験。その珠玉のクライマックスが草野監督への期待と映画への喜びを感じずにはいられない、映画史に刻まれる73分の新たな1ページ。
美人だが自分本位な性格で友だちのいない綾(石坂友里)は、OL勤めの傍らでシナリオ学校に通っている。ある日、綾の原稿が学校課題のラジオドラマに選ばれるが、今のシナリオでは不十分で共同執筆者を立てることが放送の条件だと講師に言われてしまう。負けず嫌いな綾は、会社で偶然言葉を交わした同僚・幸子(澁谷麻美)の地味でおとなしい性格に目をつけ、共同執筆者に仕立て上げようとする。華やかな綾に憧れ過剰に接近して行く幸子は、綾と同じような服装をして行きつけのカフェに突然現れ、さらにはラジオドラマのシナリオにも「役に立てれば……」と口を出すようになる。そんな幸子を鬱陶しく思う綾。そして二人のことを知る寛人(中村邦晃)の出現により困惑を深める綾と幸子の関係性は、シナリオ朗読によるラジオドラマの収録を通して、思いもよらぬクライマックスへとひた走る――。