万里紗 (女優) 映画『眼球の夢』について【4/5】
2016年7月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
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――撮影場所が素敵なところばかりでしたね。麻耶が個展を開いている画廊が素晴らしかったです。
万里紗 素敵でしたね。完成したばかりの画廊のセットに入ったときは、梨奈ちゃんと「ヤバいねこれ!」って黄色い声をあげていました(笑)。画廊の中もいいんですけど、外の“Missing Cage”っていう看板は別のところで撮っているんです。中のシーンを撮り終ったあとに中野さんがそこに入っていくというシーンを撮って、看板がカッコよ過ぎるので大興奮して記念撮影しちゃいました(笑)。
――(笑)。撮影は楽しかったですか?
万里紗 いえ、むしろ追い詰められていました。現場ではみなさん生き生きしていて、雰囲気が悪いとかそういうことではないんですが、セットに血が付いていたり、よく分からないサテンの黒い生地だとかがいっぱいあって、闇の世界なのか、夢の世界なのか、魔法の世界なのか……、そういうところに旅立ってしまっているような感じなので、通常の明るい世界の感覚とは明らかに違いましたね。
――佐藤監督は現場にどんなふうにいらっしゃるんですか?
万里紗 すごく楽しそうでしたね。もちろん怒号が飛び交う現場ではあるんですけど、監督の愛するものがその場に立ち現れてきたときに「これだこれだ!」みたいな感じで、「もっとこうしよう」というアイディアもどんどん出てきて、とても素敵でした。
――『リヴァイアサン』(12)の監督コンビがこの映画のプロデューサーをされているんですよね。そしてこの映画のドキュメンタリーを撮影されてもいたそうで。
万里紗 そうです。ヴェレナ(・パラヴェル)とルーシァン(・キャスティーヌ=テイラー)。彼らも常に私たちと行動をともにして、映画用のカメラが回っていないときもカメラを回していました。帰り道も一緒になったりして、私は英語で話すのがちょっとリフレッシュになったりしていました。
――すごい現場ですよね。映画自体も「視る」ことをテーマとしているんですが、それをさらに別の監督がカメラで撮っているという。いろんなところに眼がある感じですね。
万里紗 本当にそうでした。現実世界とも混じり合い、「私は何なんだろう?」っていう感覚がずっとあって、それが魅力というか、面白かったです。彼らのドキュメンタリーも早く観たいです。
――観たいですね。『リヴァイアサン』はご覧になっているんですか?
万里紗 もちろんです。
――すごいドキュメンタリーでしたね。『眼球の夢』も淡々と観察するような無機質な撮り方をしているので、通じるところはあるような。
万里紗 本当ですね。
出演:万里紗、桜木梨奈、中野剛、PANTA、小林竜樹、佐川一政、シャイリー波輝、川瀬陽太、和女
監督:佐藤寿保 脚本:夢野史郎 撮影:御木茂則 照明:松隈信一 録音:植田中 美術:林千奈
音楽:田所大輔 田辺裕己彦 編集:鵜飼邦彦 音響効果:丹雄二 カラーグレーディング:広瀬亮一
衣装:小海綾美 ヘアメイク:ビューティ★佐口 特殊造形:百武朋 助監督:伊藤一平
制作担当:太田勝一郎 キャスティング:小林良二 スチール:土屋久美子 蒔苗仁 題字:舛田忍
ラインプロデューサー:金森保 共同プロデューサー:矢島仁
プロデューサー: ヴェレナ・パラヴェル、ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー、坂口一直
制作プロダクション:キリシマ1945 共同研究:東京工芸大学映像表現研究室
特別協力:フジヤエービック 製作:アレット・トン・シネマ スタンス・カンパニー 配給・宣伝:太秦
© 2016 Arrete Ton Cinema, Stance Company
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