夫を前妻にお返しします！？
前代未聞の、もつれまくった夫婦関係…さあどうなる？
NYの大学で働くマギーは、文化人類学者・ジョンと出会い、恋に落ちる。彼の妻ジョーゼットは教授として働くバリバリのキャリア。家庭を顧みない妻に疲れ果てたジョンは離婚を決意、自分の小説を好きだと言ってくれるマギーと再婚する。
数年後――娘も授かり幸せに見えた2人だが、仕事も辞め小説家の夢を追い続けるジョンとの結婚生活に不安を感じるマギー。一方、忙しいジョーゼットの子供たちの面倒を見るうち彼女とも親しくなり、彼女が“鬼嫁”ではなく知的で魅力的で、今でもジョンを深く愛していると気づく。ジョンはジョーゼットと一緒にいた方が、きっと幸せになれる…そう思ったマギーは【夫を前妻に返す】という、とんでもない計画を思いつく――。

とっ散らかった人生ほど、愛おしい。

NYに暮らす、とある夫婦とその前妻の奇妙な三角関係を、軽いタッチで描いたハートフルコメディ。ダメ夫との結婚生活に不安を感じる中、ひょんなことから夫の前妻と交流し始めたことで彼女の夫への思いに気づき、「夫を返却する計画」を持ちかける主人公マギーを『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグが、タイプの違う二人の女性の間で揺れる夢見がちな夫を、『ブルーに生まれついて』(15)でもダメな男を熱演してアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた実力派イーサン・ホークが、前夫から「鬼嫁」と陰口を叩かれるほど仕事優先で家庭を顧みない大学教授の前妻ジョーゼットを、『アリスのままで』(14)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したジュリアン・ムーアが、それぞれ演じている。監督は、『50歳の恋愛白書』(09)でも年の差のある男女の恋愛描写が高い評価を受けたレベッカ・ミラー。
生活の先行きに不安を感じる妻がダメ夫を前妻に返却しようと考える――字面だけだと酷い性悪女にしか思えないマギーだが、レベッカ・ミラー監督の絶妙な匙加減とキャラクター造形で、観ればなぜか元気がもらえるチャーミングでハートフルな作品に仕立てられている。