雨宮 慶太 (監督)
公式インタビュー
映画『ROKUROKU』について
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2018年1月27日(土)より、新宿 K’s cinema他、全国順次ロードショー
映画監督のみならず、イラストレーター、キャラクターデザイナーとして注目を集め、海外のファンも魅了する映像クリエイター雨宮慶太(『ゼイラム』 (91)「牙狼< GARO>」シリーズ)が原作&総監督を務める、日本古来の妖怪と人間との戦いを描いた 映画『ROKUROKU』が1月27日より新宿 K’s cinema 他にて公開されている。同作で、ろくろっ首、ぬり壁、カラ傘、猫目といった、誰もが知っている異形の妖怪を大胆にビジュアル化した雨宮総監督に、“妖怪”への想いや映画に登場する美しくも恐ろしい妖怪たちのデザインのこだわりなどを語ってもらった公式インタビューをお届けする。
1959 年、千葉県浦安市出身。映画監督、イラストレーター、キャラクターデザイナー。 88 年の『未来忍者 慶雲機忍外伝』で監督デビュー。その他の監督作に『ゼイラム』(91)『仮面ライダーZO』(93)『仮面ライダーJ』(94)『人造人間ハカイダー』(95)『タオの月』(97) など。また近年は自ら原作まで手がけることも多く、これまでに「鉄甲機ミカヅキ」(00・CX)「牙狼<GARO>」(05・TX)「衝撃ゴウライガン !!」(13・TX)など。分野を問わず多彩な活動を見せ、日本に限らず海外でも認知度は高く、熱狂的なファンも多い。
STORY 地味で真面目なOLイズミ (中西美帆)は、ある日中学の同級生ミカ(志保)とホテルのレストランで再会し、近々結婚するのだと知らされる。そんな時、イズミの元に母親(伊藤かずえ) から祖父の仁蔵(ミッキー・カーチ ス)がいなくなったという電話が かかってきた。家へとひとまず帰ろうとするも、ホテルに閉じ込められ出口を求めて さまよい、「 666」とナンバリングされた部屋に辿り着く。 そこには赤い着物を着た首の長い女、恐ろしい顔をした“ロクロク”(野本かりあ)が2人を待ち受けていた。「ヤ…ク…ソ…ク…」その顔を見たミカは子供の頃、この女と交わしたある “約束”を思い出す――。ミカがあの日女と交わした約束とは……。
世界を魅了する映像クリエイター
雨宮慶太が語る“妖怪”の世界。
――本作を手がけるにあたって、もっとも意識されたことは何でしょうか?また、最も注目してもらいたいところはどこですか?
雨宮 ホラー映画というジャンルでありながら幽霊や亡霊ではなく、あくまでも妖怪モノとして作品を完成させる事を意識しました。
――なぜ今回“妖怪”を取り上げようとなさったのでしょうか?
雨宮 ︎もともと妖怪が好きだったという事が大きいです。子供の頃は水木しげる先生の作品や大映の妖怪映画が好きで、繰り返し読んだり観たりするほどの妖怪好きの少年だったので、いつか自分が考えた妖怪を映像化したいなと思っていました。
――全て女性の妖怪である理由は?
雨宮 本来、妖怪は実体が無いものでそれを先人達がイマジネーションを駆使してビジュアル化したと解釈しています。それならば自分なりに妖怪をビジュアル化したら楽しいだろうと考えて、今まであまりなかったアプローチ、妖怪をすべて女性モティーフで表現したら?という発想が浮かびました。
――いずれも馴染み深い妖怪だとは言え、雨宮作品らしいハイブリットな造形によって全く新しいイメージを与えられます。そのイメージの原点はなんでしょうか?
雨宮 幼少の頃のろくろ首のイメージです。今までのろくろ首とは違う、首が異様に太くがっしりした妖怪。それを具現化したのがロクロクです。他の妖怪も怖いけれどどこかユーモラスな部分が同居したデザインに出来ないかと思考錯誤してカタチを考えました。
――どの妖怪も人に危害を与えるというよりも、その存在を知らしめているように見受けられます。その意図は?
雨宮 妖怪とは何なのか?幽霊や亡霊と違って妖怪の正体には様々な解釈があると思います。自分は妖怪とは実体が無い自然現象と、その場に残留した生き物の思念(悪意だけではなく)が融合した物なんだろうと考えています。彼女ら(妖怪)と遭遇した人達は怪異に遭遇して不幸になります。しかしそれらすべてが悪意なのかというと遊んでいるだけなのかもしれません。それらをハッキリとではなく答えが出ない物として描いているからだと思います。妖怪とは何なのか?ひとつだけ明確に言えるのはその答えがみつからない存在、それが妖怪なのです。
――今回は登場しなかったものの、出したかった妖怪はいますか?
雨宮 一反木綿、大かむろ、泥田坊、濡れ女、河童、ぶるぶる、など。まだまだ出したかった妖怪は沢山あります。
――今回オムニバスにされた理由を教えてください。
かまいたち 一つ目 猫目雨宮 企画の原点がオムニバスのホラー映画だったからです。
――雨宮さんにとって、もっとも怖いものはなんですか?
雨宮 不可解な現象ではなく、やはり人間の中にある狂気が一番恐ろしいです。
――撮影、ポストプロダクションを通し、最も苦労した点はどこですか?
雨宮 妖怪の造形は完成までに衣装やメイクを試行錯誤しました。合成と CG はいつもそうですが納得するまでやるのでポスプロスタッフは大変だったと思います。
――キャラクターをつくりあげていくにあたって注意した点はどこですか?
雨宮 怖いけれどどこか憎めない可愛らしさがある妖怪にしたかったので、綺麗だけど子どもっぽい佇まいの野本かりあさんに全ての妖怪を演じてもらいました。野本さんがいなかったらそれらの狙いがカタチにならなかったと思います。
――この作品に込めた思い、メッセージを教えてください。
雨宮 便利な物に囲まれて欲しい情報が瞬時に手に入るようになりました。 もう怪異がはびこる隙が無さそうな時代ですが、それでも得体の知れないモノ達はいます。でもそれらに対峙する勇気は超人ではない普通の人の中にも有るんだと信じています。
原作・総監督:雨宮慶太 監督:山口雄大
出演:中西美帆,志保,野本かりあ,遠山景織子,いしだ壱成,マキタスポーツ,駿河太郎,仁科貴,落合モトキ,
朝倉えりか,岩佐真悠子,佐々木心音,妄想キャリブレーション,螢雪次朗,伊藤かずえ,ミッキー・カーチス
配給:キュー・テック © 2014 雨宮慶太/ロクロク製作委員会
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2018年1月27日(土)より、新宿 K’s cinema他、全国順次ロードショー
- 監督:雨宮慶太
- 出演:森山祐子, 螢雪次朗, 井田國彦
- 発売日:2017/02/24
- おすすめ度:
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