『カメラを止めるな!』ロケ地めぐり&
上田慎一郎監督スペシャルイベントレポート【2/3】
登壇者:上田慎一郎監督 × 秋山ゆずき(女優)
そんなお二人が初めて一緒に組んだのは、この日も上映された『恋する小説家』でのことであり、ヒロイン役のオーディションに応募してきた秋山は18歳の現役女子高生だったそう。「完全な自主制作で作った映画で、オーディションに20人ぐらいは来たんですけど、ドアから入って来た瞬間に『この子やな』と思って、そこから7年の付き合いです」と振り返る上田監督。さらに話題はこの日の上映作品の「熱々ポイント」へと広がり、「『恋する小説家』は小説家、『猫まんま』は漫才師、『テイク8』は自主映画監督と、3本とも芸事を志す情けない男の話で、観た方からは『だんだん女性の描き方がリアルになっていく』とよく言われます。最初は(『ドラえもん』の)しずかちゃんみたいに男の理想で女性を描いていたんですが、妻と出会い、結婚して、子供もできて、自分の経験と合わさってリアルになっていった感じなんですかね」と上田監督が自己分析すると、秋山も「男性も、『カメ止め!』が好きな人はみんな好きな男性像だと思います。がむしゃらでたまにヘナチョコな」と、上田監督が描く男たちの可愛さに微笑んだ。
そんな出会いから7年経ち、現在の心境について尋ねられた秋山は、「この間、朝のテレビ番組で『恋する小説家』の映像が流れて、それを観たとき、当時上田さんが言っていた『映像は一生残るし、100年後に観ても面白い映画を作る』という言葉を思い出しました。『そのときが来てる!』って。一生残ると思ったから、少しでもきれいに映りたくて必死でダイエットをしたんです。それが今、朝テレビで流れて。『あのときダイエットしていてよかったな』と思いました」と上田監督の映画作りへの想いに感激の面持ち。
そんな秋山に、上田監督が「ゆずきちゃんも『カメラを止めるな!』を経て変わっている感じがします」と言うと、秋山は「私も思います。私は熱いのがあんまり好きじゃなくて、部活もしてこなかったし、『みんなで何かをする』ということにあまり想いはなかったんですが、『カメラを止めるな!』に出演して、みんなが舞台挨拶をしているのを見て、『私も何かしたい!』と思うようになって。舞台挨拶に一人で行ってみたりとか、『カメ止め!』のTシャツを着ている人とすれ違って、思わず声をかけたりとか(笑)。そのときは『はい?』みたいなちょっと寂しい対応だったにもかかわらず、嬉しくてしょうがなくて。変わったなあ私、って思いました」と晴れやかな表情。
上田監督も、「ゆずきちゃんは、当て書き……と言っては語弊がありますけど、ストイックなところがあって、打ち上げとかも顔だけ出して『あした朝早いので、あとはよろしくでーす!』って帰ったりしていたのに、最近は遅くまでいるし、一人で舞台挨拶行くし。『カメラを止めるな!』の登場人物が映画のあとも成長しているのを見るような、映画が続いているような気がして感慨深いです」としみじみ語った。
日時:9月22日(土)
会場:SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ4階映像ホール(埼玉県川口市上青木3-12-63) 公式サイト
登壇者:上田慎一郎監督、秋山ゆずき