『カメラを止めるな!』ロケ地めぐり&
上田慎一郎監督スペシャルイベントレポート【2/3】
登壇者:上田慎一郎監督 × 秋山ゆずき(女優)
さらに「7年間で監督のイメージは変わりましたか?」と尋ねられた秋山は、「大きく変わった印象はなくて、ずっと『いろいろ教えてくれる映像のお父さん』という感じです。昔からすごかったです。とても協力的だなって思うのは、『観ておいた方がいいよ』という映画のDVDを貸してくれるんですよ。『桐島、部活やめるってよ』(12)とか、『悪魔のいけにえ』(74)とか」と、監督のフレンドリーさが伝わるエピソードを。上田監督は、「全作品そうですけど、撮る前の密度を濃くしたいというのがあるんですよね。『ナポリタン』(16)という映画のときも、みずきちゃんと彼氏役の俳優がまだそんなに仲がいい感じではなかったので、一緒にご飯を食べに行ったりとか。自主映画がメジャー映画にできないことで濃くできるとしたらそこなので。『カメラを止めるな!』もそこを濃くしたからできた映画だなと思っていますね」と力を込め語った。
今後の計画についても教えてくれた。「新しいシナリオを書いたりして、次回作がやっと動き始めています。映画に限らずいろいろやっていきたいなという気持ちがあります。『恋する小説家』も映画のあと舞台版をやって、それもすごく楽しかったし、連ドラとかCMのオファーをいただいたりもして。テレビを『映画監督の仕事じゃない』と言う人もいますが、僕はいろいろなことをやって、それを映画に集約するというやり方で映画を作ってきたので、今後も映画監督ということにそんなにこだわらず、自分なりにいろんなことを経験していきたいなと思っています」との意欲満点な言葉に期待は膨らむ。それにしてもここ最近の上田監督へのオファーは凄まじいものがあるようで、「ファッションショーに出てくれだとか、ビーズクッションを1ヶ月使ってそのレビューを書いてくれだとか(苦笑)。ピークの時は毎日2、3件、新規オファーが来るような異常事態でした。映画5、6本分ぐらいの経験をさせてもらったと思います」との話に一同唖然となってしまった。
さらに気になる「『カメラを止めるな!』の続編のお話が来たらどうしますか?」との質問には、「『カメ止め!2』は作りたいと思っています」と即答で、場内には「おお~!」と大歓声が上がる。上田監督は、「ちょいちょい言っているんですけど、シリーズにしたいという僕の希望はあります。ゾンビ縛りではなく、日暮が無茶なワンカットの依頼をされるという。『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスみたいにね(笑)。水中で30分とか、『5』ぐらいで宇宙で30分」とノリノリで語り、想像するだけで楽しそうな構想に会場の熱気がグンと高まった。
衣装展示 最後に、このあとの上映会に触れつつ締めの挨拶を。秋山は、「『恋する小説家』が初めての映像作品だったので、あたたかい目で観てほしいです。そしてこの3作品を観たあとで『カメ止め!』を観たらもっと面白いと思いますので、ぜひまた観てください。よろしくでーす!」としっかり宣伝。上田監督も「2012年にSKIPシティに呼んでいただいて、そこからいろいろな人に出会っていろいろな作品を作って、『カメラを止めるな!』を作れてここに立てているので、『カメ止め!』で今までの伏線が回収されているんですよね。3作品、これが『カメ止め!』につながっているな、とかぜひそのへんを観て、また『カメ止め!』を観て楽しんでほしいです。これから年末に向けて、またイベントもたくさんありますので、チェックして観てください」と、楽しみな予告で締めくくり、そのあとのフォトセッションでは「あいたんビーム」「ポン!」など、劇中の様々なポーズを二人でキメて、映画同様楽しく駆け抜けるトークショーとなった。
(2018年9月22日 埼玉県川口市・SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザで 取材:深谷直子)
日時:9月22日(土)
会場:SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ4階映像ホール(埼玉県川口市上青木3-12-63) 公式サイト
登壇者:上田慎一郎監督、秋山ゆずき