インタビュー
吉田浩太監督/『女の穴』

吉田 浩太 (監督)
映画『女の穴』について

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2014年6月28日(土)より、ユーロスペース渋谷ほか全国先行レイトショー/7月2日(水)より、全国全メディア同時公開

(取材:深谷直子)

『女の穴』場面1 『女の穴』場面1――「女の穴」の主人公は鈴木幸子なんですが、映画では男性教師側からの視点も大きくなっていると思います。福田という教師は幸子から子作りのための性交の話を持ち掛けられて、やっぱり性交目的でそれに乗るんですが、だんだん彼女の心を「つかみたい」という気持ちが芽生えて。私はその台詞がすごく印象的だったんですが、あとで原作を読んだらそれがなかったので「あれ?」と。

吉田 そういえば原作には「つかみたい」というような台詞はないんですよね(笑)。僕はなんか書いてあるように思ってしまったんですけど、なかったんですね。

――ないですよ(笑)。原作は本当に宇宙人の女の子が地球人の子供を産もうとするというだけのお話で、だからこれは福田先生の成長も描くお話になっているなあと思いました。

吉田 ああ、そうですね。ふみ先生としては、「女の穴」の物語は男に対しては何の同情心もなく書いたということなんです。男は甘いエサに飛びつく愚かな存在として、何の共感もない、共感させようともしないで書いた話だとのことで。

――確かに嫌な教師ですよね。教え子に手を出して、しかも生徒のうちは出さないけど卒業したら出すという計算高さもあって。

吉田 結構最低ですよね(笑)。

――女の敵です(笑)。でも映画だと、そういう最低の男が宇宙人の幸子に出会って、手応えのない相手に対して「つかみたい」という感情を抱くという、なんかすごくいいお話になっていて(笑)。

吉田 そうですね、それはやっぱり僕が男だということもあって。先日ロフト・プラスワンでこの映画のイベントがあってふみ先生とトークをしたんですが、ふみ先生は映画に男のロマンティシズムのような部分を感じたということをおっしゃってくれたんです。それは僕のかなり無意識の部分での願望がおそらく出ているんだろうなと思って。脚本を書く上でも演出する上でも、僕が感情移入というか共感できるのがやっぱり福田だったので、救われるというところまではいかないんですけどポジティヴなところに持っていきたいなと、そういう男の願望が多分出たんだろうなと思います。

――監督の作品にはそういうものが多いですよね。主導権は女性が持っていて、男性はそれに向かってあがいているような描き方をしているものが。

吉田 この映画もまさにそうですね。幸子さんはセックスをするときに常に上位なんです。騎乗位だったりとか。あれは男のほうが征服されているという象徴で、ずっと男が負けているというような状態で。セックスをしているときの宇宙に穴が開いた変な映像があるじゃないですか。あれもそうです。男がどんどん感じて相手を欲しようと思えば思うほど彼女が遠くなっていってしまう。それをカットバックで穴がどんどん小さくなっていくのを見せて。想いが強くなれば強くなるほど彼女は遠くなってしまう、つかめない、というような想いで男は征服されているということを表していて、そういうふうに見てもらえたらいいなと思っています。

――なるほど、あれは面白い表現ですよね。私は月のイメージなのかと思っていて。多分このお話には「かぐや姫」的な要素が入っていますよね。

吉田 ああ、そうですね。結構近いんじゃないですかね、かぐや姫に。多分ふみ先生は古典が好きなんじゃないかな。

――キャストもみんなとてもハマっていたんですが、「女の穴」の市橋直歩さんと小林ユウキチさんはどのように選ばれたんですか?

『女の穴』場面2 『女の穴』場面3吉田 市橋さんはグラビアで活躍されているのを以前から知っていて。偶然見た彼女のイメージDVDで、普通そういうタレントさんはバッと見せたりするんですけど、市橋さんはそういう感じではなくてぼーっと突っ立っているだけで(笑)。まあそういう演出だったのかもしれないけど、彼女はあんまり笑ったりもせずに突っ立っていて、それが面白いなと思って。表情に一筋縄ではいかない奥行きを感じたんですよね。それで『女の穴』をやる前からバップのプロデューサーの方と「市橋さんは面白いね」という話をしていて、で『女の穴』を撮ることになったときに市橋さんは幸子役にぴったりなんじゃないかと思いついて。ただ女優としてはそこまで知名度が高くないのでどうなるかなというのはあったんですが、最終的には僕の希望どおりに彼女に決まってくれてよかったです。

――すごく合っていましたよね。謎めいた感じで。

吉田 本人はあそこまで無機質な感じじゃなくて、普通に社交性もあるいい子ですけどね。

――ええ、あの無表情演技には笑っちゃいましたし、すごくそそる感じの色っぽさもありましたし、何よりもラストでのやわらかくて神々しい表情が素敵だなと思いました。市橋さんは映画はこれが初主演ですか?

吉田 そうですね、こじんまりした映画には出ていたと思うんですけど主演は多分初めてだと思います。がんばってくれたと思いますね。今回は撮影期間がすごく短くて合計で7日間ぐらいしかなかったんですよ。それぞれの話はさらにその半分の3日半ぐらいで撮ったので、その短い撮影期間の中で、いかに自分の感情を持っていくかというのを考えてくれて。3日間にしては非常に集中してよくやれたという印象がありますね。

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女の穴 2014/95分/カラー/ビスタビジョン/R-15(セルDVD/BDはR-18)
出演:市橋直歩 石川優実 小林ユウキチ 布施紀行 青木佳音 / 酒井敏也
原作:ふみふみこ(リュウコミックス/徳間書店刊)
脚本・監督:吉田浩太(「ユリ子のアロマ」「オチキ」「うそつきパラドクス」)
音楽:松本 章 主題歌:MAMADRIVE「女の穴」
製作:岡本東郎 嶋田 豪 平野健一 宇田川 寧 プロデューサー:行実 良 若林雄介
アソシエイトプロデューサー:関 顕嗣 撮影:山崎裕典 照明:岩切弘治 録音:小原善哉
美術:露木恵美子 装飾:斉藤暁生 製作:バップ、アイエス・フィールド、徳間書店、ダブ
製作プロダクション:ダブ 配給・宣伝:アイエス・フィールド/アルゴ・ピクチャーズ
©ふみふみこ/徳間書店・2014映画「女の穴」製作委員会
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2014年6月28日(土)より、
ユーロスペース渋谷ほか全国先行レイトショー
7月2日(水)より、全国全メディア同時公開

2014/07/02/20:22 | BBS | トラックバック (0)
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