インタビュー
佐藤快磨監督/『ガンバレとかうるせぇ』&『歩けない僕らは』

佐藤 快磨 (監督) 公式インタビュー
映画『ガンバレとかうるせぇ』&『歩けない僕らは』について【2/3】

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2019年11月23日(土)より新宿 K’s cinema にて公開他全国順次


『歩けない僕らは』 について

STORY 宮下遥(宇野愛海)は、回復期リハビリテーション病院 1 年目の理学療法士。まだ慣れない仕事に戸惑いつつも、同期の幸子(堀春菜)に、彼氏・翔(細川岳)の愚痴などを聞いてもらっては、共に励まし合い頑張っている。担当していたタエ(佐々木すみ江)が退院し、新しい患者が入院してくる。仕事からの帰宅途中に脳卒中を発症し、左半身が不随になった柘植(落合モトキ)。遥は初めて入院から退院までを担当することになる。「元の人生には戻れますかね?」と聞く柘植に、何も答えられない遥。日野課長(山中聡)と田口リーダー(板橋駿谷)の指導の元、現実と向き合う日々が始まる。
『歩けない僕らは』メイキング画像 『歩けない僕らは』
――新作の『歩けない僕らは』がご自身にとって新たな挑戦だったという理由を教えてください。

佐藤 今まで自分の中から出てきたことや、過去にあったことなどを映画にしてきまして、外側にあるテーマを撮るというのは初めてでした。不勉強で回復期リハビリ病院という施設があること自体、知らなかったので、そういった場所を舞台に物語を描くというのは挑戦でした。

――初めての取材で、部長、リーダー、 1,2 年目の理学療法士( Physical Therapist、略して PT)の方々を取材した感想はいかがでしたか?

佐藤 部長とリーダー 2 人からは、「セラピストとは」という基本的なことから教えていただき、ありがたかったです。監修があのお三方でよかったなと心から思います。1 年目の女性セラピストの方の悔し涙を見たときから、この映画がスタートしました。あの時あの涙を見ていなければ、現在の形にはならなかったと思います。そこでヒントをいただいて、 1 年目の女性セラピストの物語を描きたいと思いました。

―― 2回目の取材で、元患者さん 2 人を取材した感想はいかがでしたか

佐藤 患者さんがセラピストの方を逆に心配していたという話を聞いて、自分は一方的に、患者さんたちを枠にはめて想像していたんだなと反省した記憶があります。その笑顔の奥には、自分に想像できないほどの色々な思いがあるのだと思うのですが、それでも明るくお話をしていただいて、自分の患者さんへの視点が変わりました。「セラピストさんが患者さんを見る」という構図だと思っていたのが、一方向でなくて、双方向のコミュニケーション、視点の交わりがリハビリで生まれているというのが面白かったし、そういうものを映画の中で描いていきたいと思いました。

――その後も朝から晩まで 1 日取材して、何をきっかけに本作の軸ができましたか

佐藤 歩ける自分が歩けなくなってしまった方々を描くには、どういう描き方をしたらいいんだろうという答えがなかなか見つからなかったときに、セラピストの方から、「大切なのは歩けるようになることだけじゃなくて、歩いて何をするかという先まで一緒に考えてあげることが大切だ」というお話を伺いました。セラピストという仕事は決して技術だけでなく、その人のその先の人生まで一緒に考えてあげる仕事というところにより尊敬を覚えたし、なんて答えのない仕事なんだろうとも感じました。歩いて何をするかというのは歩ける自分もセラピストも患者さんも一緒なのかなと感じ、そこを脚本に描けたらと思いました。『歩けない僕らは』というタイトルも、患者さんのことだけを表しているのではなくて、セラピストの方も含め、私たちも含め、ということです。

―― 新人理学療法士・遥役の宇野愛海さんはいかがでしたか

佐藤 素晴らしかったです。脚本執筆前にワークショップを見学させていただいたのが印象に残っています。お芝居に対する熱さとか、ある種、頑固な部分が見えて、それが今回書いた遥の役に反映されていったのかなという気もしますし、感受性が豊かで、目の前で起きていることを受け取る力がすごくある女優さんだなと思います。今回の映画の中ではセラピストさんの一挙手一投足だけではなくて、言葉一つ一つも繊細に拾っていかなくてはいけない役柄だったのですが、そこに宇野さんの魅力が重なればいいなと思っていました。宇野さんも目の前で起きていることをしっかり感じながら演じてくださったので、そういうものが映っていると思います。

――脳卒中で半身麻痺となった柘植役は、「おっさんずラブ(2016)」などの落合モトキさんが演じましたが、落合さんはいかがでしたか

『歩けない僕らは』場面2 『歩けない僕らは』場面4 『歩けない僕らは』場面3 佐藤 『桐島、部活やめるってよ』で初めて落合さんのお芝居を拝見しました。作品が大好きだったこともあり、その時の印象が大変強く残っていましたが、実際お会いしてお話しすると、とても謙虚で、優しかったです。(笑)今回柘植という役は、自分で書いていて、正直演技が見えていないところがありました。特に半身麻痺の一つ一つの細かい動きは自分が不安だったところだったのですが、落合さんがそういう不安を払拭してくれたなと思います。どういった準備をされたのか細かいところは聞いていないですが、この役に誠実に向き合ってくださり、監督の想いというのもしっかり汲んでくださって、素晴らしい俳優だなと思いました。

―― 「なつぞら」の番長役でブレイクした理学療法士のリーダー・田口役の板橋駿谷さんはいかがでしたか

佐藤 劇団「ロロ」の舞台でお芝居を拝見していました。衣装合わせでお会いした時も明るく盛り上げてくださり、現場でもムードメーカーでいてくださって、とても有難かったです。自分の「こうしたい」という意見も楽しんで聞いてくださいましたし、「監督はそういうことをやろうとしていたんだね」と盛り上げてくださる心遣いもありがたくて、自分自身楽しく撮影できました。今まで僕が見たことのない板橋さんを撮れたらなというところで自分も板橋さんの胸を借りるつもりでぶつからせていただきました。

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歩けない僕らは (2018 / 日本 / カラー / 37分 / 16:9 / stereo)
出演:宇野愛海,落合モトキ,板橋駿谷,堀春菜,細川岳,門田宗大,山中聡,佐々木すみ江
監督・脚本・編集:佐藤快磨
(『ガンバレとかうるせぇ』、『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』、『きっとゲリラ豪雨』)
プロデューサー:登山里紗 撮影:加藤大志 撮影助手:勝亦祐嗣 照明:高橋拓 録音:吉方淳二
音楽:田中拓人 衣裳:馬場恭子 ヘアメイク:橋本申二 ヘアメイク助手:西田美香
助監督:葉名恒星 制作部:福島成人,原田親 スチール:西永智成
協力:医療法人社団友志会,十一合同会社, MotionGallery,独立映画鍋,ニューシネマワークショップ,
アクターズ・ヴィジョン,栃木県フィルムコミッション,栃木市
配給: SPEAK OF THE DEVIL PICTURES ©映画『歩けない僕らは』
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2019年11月23日(土)より新宿 K’s cinema にて公開他全国順次

2019/11/18/20:12 | トラックバック (0)
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