今年一年ご愛読いただきましてありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。(INTRO編集部)
佐藤 洋笑 |
いい年ブッコいてしまい、仕事にかまけてますと、なかなか劇場に足を運べず、当初は辞退も考えたのですが、在宅派ならではの視線で、と開き直り、昨年発売のDVD、サントラCDなどのパッケージ商品の中で感銘深かったものを上げておきます。
5位 作品内容については、いまさら何も申し上げることはない…な、わけですが、日本盤での登場はかなわなかったサントラCDとのパッケージングという荒業にしびれました。購買層が限定されているアニメなどではよくある手法でしたが、この方式、今後主流になっていきそうですね。 4位DVD/ゲッタウェイ デジタル・リマスター版(amazon) ビデオ黎明期、かなり難のある素材をもとにしたソフトが販売されていましたが、いやあ、ここまでくるのに時間がかかりましたね。ザラついた質感は損なわず、かなり細かいディテールも確認できる仕上がりです。比較的近年に収録されたと思われる、磯部勉の吹き替え音声もなかなかハマっていると思います。 3位CD/Music for THE GETAWAY(米・Film Score Monthly / Vol.8 No.18)(amazon) 以前、拙連載「脳内i-pod」でも触れましたが、「ゲッタウェイ」の音楽は、「ワイルドバンチ」(1969)「わらの犬」(1971)「ガルシアの首」(1974)等でもサム・ペキンパー監督と組んでいるジェリー・フィールディングが作曲し、録音まで完了していましたが、主演のスティーヴ・マックィーンの意向によりクインシー・ジョーンズのスコアに差し替えられました。結果的に未使用となったフィールディングの音楽が「ゲッタウェイ」DVDの副音声トラックに収録されるという噂が駆け巡ったのは去年のこと。さすがに、その無茶はかなわなかったようですが、海外発掘サントラの鬼、Film Score Monthlyレーベルが全音源を完全な形でCDアルバム化! いやあ、いいよ! そのうち、詳しく書きます。 2位DVD/ブリット スペシャル・エディション(amazon) わが心の名画ベストワンを新譜として購入するこの喜び! っつーわけで、「ゲッタウェイ」ともどもマックィーンのボックス・セットのばら売りですが、こちらはテレビの名画劇場世代には懐かしいセンベエさん=内海賢司が渋くマックィーンをあててます。ボーナスディスクのマックィーンのキャリアを振り返るドキュメントも男泣き。これまで、こうした過去作の〝スペシャル・エディション化〟に乗り気でないとつえられて来たワーナーに何があったのでしょうか? このまま、イーストウッド御大の名作群も出してほしいでやんす。山田康雄の声で「こいつは44マグナム、世界一強力な拳銃だ…」を聴きたい!!!!!!! 1位DVD/スパイダーマン 東映TVシリーズ DVD-BOX(amazon) 巨大ロボ、レオパルドンの出ないスパイダーマンなんて…俺のスパイダーマンじゃないやい!と勢いに任せて大枚はたいて購入!思えば濃い演技陣に情念に満ちた脚本、無意味な敵の巨大化や無敵のスーパーロボットを問答無用で描ききる、アバンギャルドなカット割が強烈な演出、そして和の心のメロディにファンクネスと疾走感をブレンドした渡辺宙明の音楽、渋くて熱いヒデ夕樹の主題歌、何より体張りまくってビルでも東京タワーでもガンガン登り、ヘリやタンカーにぶら下がるJACの命がけスタントの数々がまぶしい、東映特撮ヒーローの隠れた名作。80年代育ちにとっては、「宇宙刑事」や「戦隊」の元祖的な作品なんで、デジャブを覚えるかも。付属の140頁強の解説本「スパイダーマン大検証」の緻密な取材と重箱の隅のつつきぶりにも感激。来年のロック画報も負けないようにがんばります!!!!!!!!!!!! |
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鮫島 サメ子 |
2005年度公開作ベスト3
今年はさすがに5本以上は見たはずですが、「ベスト」と言える(言いたい)ものは、ナカナカありまへんでした。ギリギリ3本(評価もこの順序)ということで。 1位『天井桟敷の人々』(amazon) 2位『フリークス』(デジタルリマスター版) 3位『ボーン・スプレマシー』 |
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朱雀 しじま |
BEST10 つい先日観たばかりの「キングコング」を首位に選んだのは、特撮以外にさほど期待していなかったジャンルでありながらきちんとした感動作だったことに驚いたから。もともと好きなタイプの映画であり、期待を裏切らなかった「エターナル…」を意外性で上回った。「ウィンブルドン」は予想より楽しく観られて嫌いなキルステンを邪魔に感じなかったためギリギリ10位にランクイン。試合風景はもうひとつ迫力に欠けるが、舞台の効果は絶大。テニス好きにとっては「最後のロッカールーム」に胸キュン。「マシニスト」は展開が読めるものの、思っていたより整合性のある作品だったので。ランク外となったが、「ブエノスアイレスの夜」「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」あたりも迷った。「ミリオンダラー・ベイビー」も一度はランクインしていたのだが…泣かせようとしなかった姿勢と地味で丁寧な作りには好感が持てた。 キングダム・オブ・ヘブン もっと出来の悪い作品もあったが、製作費等の無駄遣いを考えて選んでみた。 本年度赤字No.1になった「ステルス」は未見。「アイランド」はツッコミどころがありすぎだが、ブシェミが出ていたのでとりあえず見逃すことにした。「宇宙戦争」はあまりにトムがバカなので逆に笑えてしまった。 |
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仙道 勇人 |
1位『バットマン・ビギンズ』 2位『ランド・オブ・プレンティ』 3位『ミリオン・ダラー・ベイビー』 4位『エターナル・サンシャイン』 5位『運命じゃない人』 (本文中にある★のついたリンクは、別窓で筆者個人ブログの関連エントリーに飛びます) 「アワー・ミュージック」「ある子供」と、なにげに重要な作品を見逃しているのが心残りの2005年。とりあえず、観終わった後の興奮度でランクづけしてみた。 1位の『バットマン・ビギンズ/★』は、ニーチェの思想を解体した上で、バットマンの世界観に合わせて再構築してみせている点にひたすら驚愕。しかも哲学的な観念臭を完璧に消した上で、娯楽作としてもきっちり成立させているという離れ業に文字通り打ちのめされた。観終わった直後にダイレクトで興奮を味わうという経験をしたのは、多分初めてのことだと思う。2006年内に、完全解読を試みたいと秘かに願っているが果たして……。 2位の『ランド・オブ・プレンティ』は、個人的に「ベルリン・天使の詩」以降じり貧の感があったヴェンダースの復活を印象づける作品。元々ヴェンダースという人はストーリーテリング力が乏しい人だったので、「ベルリン・天使の詩」のペーター・ハントケ同様に、本作でも共同脚本でマイケル・メレディスという若き才能が果たした役割は大きい。 3位の『ミリオン・ダラー・ベイビー/★』も、かなり自分の生理に訴求する部分の多い作品だった。血肉の通った卓越した人物造形、三位一体の人物構成の妙、重厚な映像と演出などなど、ここまで完成された作品は少ないように思う。まさに芸術と呼ぶに相応しい超弩級の一本。 4位の『エターナル・サンシャイン』は、この五本の中で最も「好き」な作品だったりする。自分の生理に訴求する部分が余りにも多くて、オールタイムで大好きと言える一本となった。2005年はこの作品を筆頭に「記憶」を扱った作品が多く撮られたように思うが、その中でもこの作品は別格。さり気なく挿入された描写が、気味が悪いほどリアルで首筋が粟立った。まぁ、そんな人はあんまりいないでしょうけど。 5位の『運命じゃない人』は、緻密に練り上げられた脚本、構成に唸らされた。けれど、本当はそれだけじゃなくて、「欲望」の板谷由夏(★)がこっそり出演していたから(笑)。なら「欲望」を挙げればいいような気もするが、作品としては余り観るべき所はなくて、『運命じゃない人』の方が遥かに楽しめるので。両方観ると板谷由夏という女優の厚みがよくわかる。この人は今後最も注目すべき女優の一人だと思う。 |
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膳場 岳人 |
1位『フリック』(小林政広監督) 2位『ミリオンダラー・ベイビー』(クリント・イーストウッド監督) 3位『ボーン・スプレマシー』(ポール・グリーングラス監督) 4位『宇宙戦争』(スティーブン・スピルバーグ監督) 5位『揮発性の女』(熊切和嘉監督) (本文中にある★のついたリンクは、別窓で筆者個人ブログの関連エントリーに飛びます) これほど映画を見なかった年も珍しい。長年心待ちにしていた『エレニの旅』(テオ・アンゲロプロス監督)や、『ランド・オブ・プレンティ』(ヴィム・ヴェンダース監督)、『TAKESHIS'』(北野武監督)すら見ていないのだから、「今年は映画をまったく見なかった」と言っても過言ではない……なんちゃって。まあいいや。見なかったものはしかたがない。選出作品はいずれも「好きだ!」という超個人的な生理に根ざしました。 1位の『フリック/★』は、今年いちばん興奮した作品。154分間、ずっと胸騒ぎが止まらなかった。不意打ちのようにこうした映画と出会えるのだから、やっぱり足しげく劇場に通うべきなのだ。北海道の鄙びた地方都市が、悠然たるフレームで切り取られている。すべてのショットが堂々としていて、一切の迷いがない。香川照之と田辺誠一が宿を出て、近くのラーメン店に入るまでの長いワンカット。高田渡が主人を務める民宿の佇まい。妖しげなギターの響きに心奪われる執拗な同一ショットのリフレイン。徐々に非現実的な世界に傾斜していく絶妙な構成。すべてがどうでもよくなってしまう、怠惰な快楽にみちたエンディング。どこがどうとは言えないけれど、いや、言い始めたら知性を総動員しなきゃいけないような気がしてなかなか言えないんだけれど(★)、『ソナチネ』を観た時に感じた衝撃と同種のものを覚えた。好き、という感情でしか説明できない映画。小林政広監督の最高傑作だと思う。 2位の『ミリオンダラー・ベイビー』は熟練の技に心を奪われる作品だった。しばしばゾクっとするショットがあるし、「絆」という主題とその精緻な描出にも心を打つものがある。名作だと思うし、他の追随を許さない傑出した映画なんだけど、昨年度の大傑作『ミスティック・リバー』のような衝撃や親近感はついに覚えることがなかった。つまり、「好き」なタイプのイーストウッドではないのだ。ただ、彼の映画の奥深さは歳月を経て徐々に理解できる場合が多いので、自分がその境地に行けるまで気長に待とうと思う。 3位の『ボーン・スプレマシー/★』は、クールでソリッドでハードなタッチに心が騒いだ。復讐の黒い天使と化したマット・デイモンが、贖罪のために降り立ったロシアの河川で背後から撃たれる。だが彼は何事もなかったかのようにそそくさと歩み去る。あのぞくりとするようなショット。心に傷を負い、憔悴しきってへとへとになってやっと勝利を収めるという、傷だらけのヒーロー像もグッときた。映画全体の禁欲的な構成美も嘆息しきり。漫画的だけど力強い幕切れ。どれをとっても好きな映画です。ただし、矢継ぎ早な編集が難点。フランケンハイマーならもっと腰を据えて撮るゾ、という不満はある。それでも、「こういう映画を見たかった!」という気持ちにさせられた点では今年いちばん。 4位の『宇宙戦争』は「世界の終焉」を映像的なリアリズムで追求していて感動した。スピルバーグの偉大さを改めて思い知らされる作品。大風呂敷を広げた前半に比べ、後半どんどん尻すぼみになっていることは否定しないが、『ジュラシック・パーク』だって同じようなものだったじゃん。ブルーカラーの主人公が笑っちゃうくらいにダメ人間で、最後の最後まで特に成長もしないあたりもツボ。 5位『揮発性の女/★』は、もうやられた、まいりました、という一本。「こういう映画をやりたいんだよ!」と叫びたくなるような映画で、猛烈に嫉妬した。 次点は『ヴィタール』(塚本晋也監督)。考えに考え抜かれた緻密かつ大胆な脚本と、浅野忠信のたたずまいに無条件で屈服。いわゆる「死と再生」のドラマだが、死と死者と葬儀について、「敬意」という観点から描いている点に感動した。ただ、「好き」というタイプの映画ではなく、敬服してしまう映画だった。大好きなM・ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』も相変わらず着想が面白いし、構成も緻密でよかった。マイク・ニコルズの『クローサー/★』は、下劣さに賭けるエネルギーに終始圧倒されっぱなしだった。イタリア映画祭で見た『ローマの人々/★』(エットーレ・スコラ監督)は、スコラ版『フェリーニのローマ』の趣。ごちゃごちゃしてて断片的なコラージュに酔い痴れ、至福の時間を味わった。『火火』(高橋伴明監督)は、大真面目な映画でどちらかというと古臭いタイプの映画だが、日本映画ならではの強靭さを誇っていた。『花と蛇2 パリ/静子』(石井隆監督)は古典的メロドラマの美しさと、性愛表現の執拗さに感動した。『ビタースイート』(女池充監督)は夜と闇の肌触りに唸らされた。『援助交際物語/したがるオンナたち(かえるのうた)』(いまおかしんじ監督)は「捨てがたき人々」の投げやりでつつましい生と性を大らかに肯定して落涙を誘った。 |
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高野 雲 |
(本文中にある★のついたリンクは、別窓で筆者個人HP/ブログの関連エントリーに飛びます) ジャズにおいては(ジャズに限らないかもしれないが)、“1曲買い”なるものがあり、あまりに素晴らしい演奏が1曲でもあれば、あとの演奏がクソでもサルでも、「このアルバムにこの1曲アリ!」と認めてしまうところがある。 残念ながら、今年観た映画で「全曲買い」は皆無。 例外は試写会で観た石川寛監督の『好きだ、/★』のみ。 しかし、公開は来年なので対象外なんだよねぇ。 だから、今回のベスト5の選考基準は、「この1点があるから、すべてを全肯定してしまおう!」という「1点買い」な視点でセレクトしてみた。 『愛してよ/★』 『イン・ザ・プール/★』 『ビートキッズ/★』 『PTU』 湯気を立てるヤカンのロングショットの一点買い。 この静けさ、緩やかさは、強く死を意識してしまう。 |
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中川 泰典 |
オペラ座の怪人 スター・ウォーズ
エピソード3/シスの復讐 メタリカ:真実の瞬間 真夜中の弥次さん喜多さん ランド・オブ・ザ・デッド |
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針部 ろっく |
1位「不倫団地 かなしいイロやねん」 2位「援助交際物語 したがる女たち」 3位「香港国際警察/NEW POLICE STORY」 4位「ネバーランド」 5位「ベルヴィル・ランデブー」 ワースト「ミリオンダラー・ベイビー」 今年は40本しか見ていなくて、この一年にお仕事でむしゃくしゃして道端で蹴っ飛ばした看板の数より少ないかと思われます。どうにもいけません。レンタル・リリース後に見たものを含めて、ようやく56本。年間を通して何か発言する何の資格もないんですが、バカにされるためにあえて参加することにしました。選出は劇場で鑑賞したものに限ってますが、1と2はリストにはなかったものをあえて選出させていただきました。ピンク映画です。唐突ですが、世の中には「ピンク映画なんか映画じゃない」とおっしゃる人が実際にて、筆者のようなその中にいるんだかいないんだかも分からない、辺境のさらに辺境にいるダメダメの弱輩者にも、そういった偏見の目や言葉を向けられることがあるんですが、それを言うなら「黒人なんか人間じゃない」ということなんでしょう。というか、そういう偏見を向けられたくて、ピンク映画を書いたりしてる部分も少なからずあるのだと思いますが。それじゃあどうにもなりません。別にいいんだけどね。 5位「ベルヴィル・ランデブー」 4位「ネバーランド」 3位「香港国際警察/NEW POLICE STORY」 2位「援助交際物語 したがる女たち」 1位「不倫団地 かなしいイロやねん」 ワースト、「ミリオンダラー・ベイビー」 |
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村本 天志 |
1位『ミリオン・ダラー・ベイビー』 2位『樹の海~JUKAI』 3位『キング・コング』 4位『ALWAYS/三丁目の夕日』 5位『パッチギ!』 6位『姑獲鳥の夏』 7位『大停電の夜に』 8位『ニライカナイからの手紙』 9位『劇場版NARUTO』 10位『サイドウエイ』 …なんかたいして見てないから心苦しいチョイス(-o-;しかもバラバラな好み。 |
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百恵 紳之助 |
我を忘れてワクワクした作品です。 公開順です。 ・ エターナル・サンシャイン ・ サイドウェイ ・ ライフ・イズ・ミラクル ・ サマータイムマシン・ブルース ・ 世界 他にもたくさんあります。 「パッチギ!」「ドッジボール」「君に読む物語」「香港国際警察」「ビフォア・サンセット」「ボーン・スプレマシー」「50回目のファーストキス」「甘い人生」「ウィスキー」「クローサー」「オープン・ウォーター」「運命じゃない人」「宇宙戦争」「チャーリーとチョコレート工場」「亀も空を飛ぶ」「空中庭園」「コープス・ブライド」などなどなど……です。 |
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