ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞記念
アニメーション作家・和田淳最新作
『グレートラビット』と
世界のアニメーション傑作選
https://sites.google.com/site/calfgrabbit/
「まるで夢のような雰囲気のこの映画は、ユニークでシュールな言語によって私たちの無意識をくすぐりながら、アニメーションの形式を用いて現代社会の混乱を描く。和田淳は、繊細な手描きスタイルを用いて、時代に囚われたキャラクターたちの不条理なエピソードによって現実を解読している。」
ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞理由
2012年12月8日(土)~14日(金)、吉祥寺バウスシアターにてアンコール上映!
■12月8日(土)上映後
古川タク監督(アニメーション作家)×和田淳監督(『グレートラビット』他、Bプログラム上映作品監督)
■12月9日(日)上映後 和田淳監督×大山慶監督(映像作家)
■12月10日(月)上映後
ひらのりょう監督(アニメーション作家、Aプログラム上映作品『ホリデイ』監督)×和田淳監督
一度観たらクセになる独特の「間」と「気持ちよさ」
©Sacrebleu Productions - CaRTe bLaNChe - Atsushi Wada - 2012シャープペンシルを用いた独特の描線と、シュールな展開、日本芸能の伝統的なコンセプト「間」と「気持ちいい」を大きなテーマとして、現代社会に生きる人々への風刺性を盛り込み、創作を続けてきたアニメーション作家・和田淳。大学在学中に独学でアニメーション制作を始め、コンスタントに人間と動物が一体化する不思議な世界観の作品を次々と発表してきました。寝る間も惜しんで淡々と行ってきた作業、自身の声と身体を使って録音した作中の効果音。和田が感じ、作り続けてきた五感を揺さぶる独特の感覚は、一度観たらやみつきになること間違いなしです。
独学で始めたアニメーション制作。
ついにベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞受賞の快挙!
和田淳は大学在籍時に独学でアニメーション制作を開始、その後イメージフォーラム映像研究所で学び、東京藝術大学大学院で日本を代表するアニメーション作家•山村浩二に師事。修了制作作品『わからないブタ』はスイスのファントーシュ映画祭で学生作品にもかかわらずグランプリを受賞。継続的な作品制作と、国内外の映画祭等でのノミネートや受賞を重ね、近年徐々に、アニメーション界で注目と認知度を高めてきました。これらの国際的評価から、本作『グレートラビット』はフランスの出資で製作する機会を得て完成、プレミア上映の機会となった2012年2月のベルリン映画祭短編部門で銀熊賞(審査員賞)を受賞しました。和田淳は、2010年に作家・評論家仲間とともにインディペンデント・レーベルCALFを立ち上げ、国際的に評価を受ける短編作品の普及活動にも励んでいますが、ベルリンでの受賞記者会見で、「自分が作っているような短編アニメーション作品は認知度が低いので広めていきたい」と述べたのは、その気持ちの現れでもあります。
和田作品ベスト集と世界の傑作短編アニメーションを一挙上映!
ベルリン映画祭銀熊賞受賞を記念して、作品発表ごとに不思議で気持ちいい感覚を発見させてくれる和田作品全14本を一挙上映します。また、CALFのメンバーが世界各国の映画祭に足を運んで見つけた大注目の最新アニメーションも選りすぐって同時上映。短編アニメーションの世界を知らなかった方にも楽しんでいただける2つのプログラムです。
『グレートラビット』( 7分/フランス/16:9/color/stereo/2012 )
脚本・アニメーション・編集・監督:和田淳
カラーデザイン:尼子実沙 サウンドデザイン:滝野ますみ
©Sacrebleu Productions - CaRTe bLaNChe - Atsushi Wada - 2012製作:Sacrebleu productions CaRTe bLaNChe
Story かつて我々は自分たちとは違う、崇高で深遠で神秘的な存在をグレートと付けて読んでいた。時代はすすみ思考や思想がそれまでのものと変わった今、未だにグレートと呼ばれ続けるその存在のグレートたる由縁は何なのか。
Director’s statement
不服従とは服従させる者とさせられる者の関係があって初めて成り立つ。
はっきりとした上下、善悪、尊卑の関係が見えにくい世の中では、
ナニが正しいのか判断が難しくなっている。
一体何に服従させられているのかすら解らない時もある。
その解らなさを解らなさとして描いた。
同時上映作品リスト
Program A『グレートラビット』と世界のアニメーション傑作選
和田淳『グレートラビット』を含む全9作品上映予定
©David OReilly
『エクスターナル・ワールド』The External World
監督:デイヴィッド・オライリー
(17分/ドイツ/16:9/color/stereo/2010)
かわいいキャラクターたちが繰り広げる攻撃的なまでに愉快なタブー無しのギャグ。すべてが表層的な現代社会を告発する、3DCGアニメーションの最先端。
オタワ国際アニメーション映画祭、シュトゥットガルト国際アニメーションほかグランプリ
©DAVID BUOB
『ハウス』Das Hause
監督:デイヴィッド・ブオブ
7分/ドイツ/16:9/color/stereo/2011)
少女はおばあちゃんの世話をしたいのに、お母さんもおばさんも邪魔をする…底抜けに陽気な音響と驚くような空間の変容。奔放なイマジネーションで多幸感溢れる世界。
アナーバー国際映画祭審査員特別賞、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品
『マダガスカル旅日記』Madagascar, carnet de voyage
監督:バスティアン・デュボア
(11分/フランス/16:9/color/ctereo/2009)
バックパッカーによるマダガスカル旅行記。ヨーロッパからの旅行者が感じとる新鮮な驚きや気まずさが、多彩な手法を組みあわせたスケッチブックのスタイルで蘇る。
米アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート
©Sacrebleu Productions
©Royal College of Art
『おなか』Belly
監督:ジュリア・ポット
(7分/イギリス/16:9/color/stereo/2011)
ひとは生きていくなかで何かを置き去りにしなければならない。それは必要なこと、でも、おなかの奥には痛みを感じる。イラストレーターとしても著名の作者による、成長することについての物語。
オランダ国際アニメーション映画祭学生部門グランプリ
©Ryo Hirano
『ホリデイ』
監督:ひらのりょう(14分/日本/16:9/color/stereo/2011)
恋愛、バンド、ブルース・リー、パク・ヨンハの雨…人間とイモリが繰り広げる、水分と青春をめぐるロマンティックなラブストーリー。日本の新星ひらのりょうによる2011年の話題作。
学生CGコンテストグランプリ、下北沢映画祭準グランプリ
©Mirai Mizue
『MODERN No.2』
監督:水江未来
(4分/日本/16:9/color/stereo/2011)
軽快かつ力強い音楽にあわせて、方眼紙上で直方体がダンスする。日本の抽象アニメーション新世代の旗手によるエンターテインメント作品。
ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門入選
©BEAST ANIMATION / POLARIS / VIVEMENT LUNDI! / IL LUSTER
『オー、ウィリー』Oh Willy...
監督:マーク・ジェイムス・ロエルズ、エマ・ドゥ・スワーフ
(17分/ベルギー/16:9/color/stereo/2011)
久しぶりに戻った故郷で母の死に立ち会ったウィリーは、悲しみのなか、自分の人生を振り返り、大きな動物に出会う。ウールで作られた独特の人形が、人間の生の哀しさを語る。
オランダ国際アニメーション映画祭グランプリ
『3月11日のかけら』Pieces of 3.11
監督:しりあがり寿 (2分/日本/4:3/color/stereo/2012)
2011年3月11日、日本を恐ろしい津波が襲いました。その恐怖は映像になって日本中、そして世界に広がりました。『あの日からのマンガ』が話題を集めるマンガ家によるアニメーション作品は、「あのとき」の恐怖を静かに記録する。 オランダ国際アニメーション映画祭入選
他、Program Bでは『グレートラビット』を含む和田淳全14作品上映
https://sites.google.com/site/calfgrabbit/
2012年12月8日(土)~14日(金)、吉祥寺バウスシアターにてアンコール上映!
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