『あなたが行った虐殺を、もう一度演じてみませんか?』
アクト・オブ・キリング
http://www.aok-movie.com/- 私は少なくともこの10年間、これほどパワフルで、超現実的で、恐ろしい映画を観たことがない。映画史上に類を見ない作品である。
――ヴェルナー・ヘルツォーク - ブニュエル『糧なき土地』、ヘルツォーク『蜃気楼』、
原一男『ゆきゆきて、神軍』に続き、比類なきドキュメンタリーが再び現れた。
――エロール・モリス
2014年4月12日(土)より、シアター・イメージフォーラム
他にて全国順次公開
男は粋なスーツに身を包み陽気に微笑んでいる。
残虐なシーンのないこの映画が、しかし、私たちを最も慄然とさせる映画になった――
これが“悪の正体”なのか―――。60年代のインドネシアで密かに行われた100万人規模の大虐殺。その実行者たちは、驚くべきことに、いまも“国民的英雄”として楽しげに暮らしている。映画作家ジョシュア・オッペンハイマーは人権団体の依頼で虐殺の被害者を取材していたが、当局から被害者への接触を禁止され、対象を加害者に変更。彼らが嬉々として過去の行為を再現して見せたのをきっかけに、「では、あなたたち自身で、カメラの前で演じてみませんか」と持ちかけてみた。まるで映画スター気取りで、身振り手振りで殺人の様子を詳細に演じてみせる男たち。しかし、その再演は、彼らにある変化をもたらしていく……。
私たちの見ているものは“悪の正体”なのか――。
前代未聞の手法を用いて人間のモラルを揺さぶる、衝撃のドキュメンタリー。
実際の大量虐殺者に、カメラの前で自らの殺人を演じさせるという前代未聞の手法は、証言と資料のみで構成される一般的なドキュメンタリーとは大きく異なり、出演者と観客の両方に、大きな衝撃を与えることとなった。出演者は演技(=アクト)を楽しむうちに、自らの行いを追体験し、あるいは仲間たちが演じる様子を見ることで、彼らは人生で初めて、自分たちのした行為(=アクト)に向き合うことになる。過去に類を見ないアイディアと勇気を持ったこの映画は、長く恐怖に支配されてきたインドネシアの歴史に大きなインパクトを与えたのはもちろん、単なる告発ドキュメンタリーを超越し、「“悪の正体”とは、“悪”とは何なのか」、「人間の本当の恐ろしさとは」、という全人類にとって普遍の問題を、我々の眼前に突きつけた。それゆえに、世界中の至る所で、これほどまでに強く人々の心を揺さぶり続けているのである。
全世界50以上の映画賞を受賞した、映画史に残る大傑作。
完成前のラフカットを観て心を奪われたエロール・モリス、ヴェルナー・ヘルツォークという2人の巨匠監督が製作総指揮として参加し、劇場公開を全面的にバックアップしている本作は、2012年のテルライド映画祭、トロント映画祭で上映され、その衝撃的な内容と斬新な手法、圧倒的な作品力が話題を呼び、瞬く間に批評家たちの熱烈な支持を集めた。翌2013年にはベルリン国際映画祭で2部門を制覇し、以降、15以上の映画批評家協会賞を総なめにしたほか、山形国際ドキュメンタリー映画祭最優秀賞はじめすでに50以上の映画賞を受賞。さらに、数々の著名なメディアの年間ベスト1にも輝いている。
製作総指揮:エロール・モリス『フォッグ・オブ・ウォー』 /
ヴェルナー・ヘルツォーク『フィツカラルド』 / アンドレ・シンガー
製作・監督:ジョシュア・オッペンハイマー
共同監督:クリスティン・シン / 匿名希望 スペシャル・サンクス:ドゥシャン・マカヴェイエフ
2012年 / デンマーク・ノルウェー・イギリス合作 / インドネシア語 / 121分 /
原題:THE ACT OF KILLING / カラー / 5.1ch / ビスタ / DCP
配給:トランスフォーマー / 宣伝協力:ムヴィオラ
© Final Cut for Real Aps, Piraya Film AS and Novaya Zemlya LTD, 2012
http://www.aok-movie.com/
2014年4月12日(土)より、シアター・イメージフォーラム
他にて全国順次公開
- 監督:ルイス・ブニュエル
- 発売日:2009/04/25
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- 監督:原一男
- 出演:奥崎謙三
- 発売日:2007/08/24
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