新作情報

奇跡の島で奏でられる、死者と生者をつなぐ音楽――
知られざるルーツに迫る未踏のロードムービー
ギターマダガスカル

「ギターマダガスカル」場面1 「ギターマダガスカル」場面2

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2015年6月20日(土)より新宿K's cinemaにてレイトショー
※全国順次公開予定

公開直前スペシャルイベント3連打、開催!※全て亀井監督のトークあり、入場無料
  • 6月11日(木)@代官山 蔦屋書店(1号館2階イベントスペース)20:00~
    公開記念TALK 「旅への招待 ~島と人々と音楽と~」
    ★限定50名様
    登壇:亀井岳(ギターマダガスカル監督)、深澤秀夫(社会人類学者)、荻原和也(音楽評論家)
  • 6月12日(金)@吉祥寺 World Kitchen BAOBAB 19:00~
    バオバブSPECIAL 《投げ銭》LIVE & 監督TALK

    LIVE:バンサンボゴラ&ドンタコス子 / ににぇ むにぇ
    DJ:Hidehito Morimoto(SOUL BONANZA)/ DADDY-U(RUMBA BOX)/ アクセル長尾(赤い疑惑)/ ドンタコス子
  • 6月19日(金)@浜松町 アフリカ料理レストラン カラバッシュ 19:00~
    「Mukuna's Night! Special」 公開前夜祭!《投げ銭》 LIVE&TALK Vol.2

    LIVE:バンサンボゴラ&ドンタコス子 / Oswald Kouame and N'ZASSA Music / アフリカサカバ
INTRODUCTION

さぁ、音楽の沸きたつところへ――

アフリカ大陸の南東部インド洋に浮かぶ“奇跡の島”。バオバブやキツネザル、カメレオンなど、独自の進化を遂げた数多くの動植物が棲息することで有名なマダガスカル。
観光資源としても注目を集めるそうした固有種と同様に、この国では音楽もまた、東南アジアやアフリカ、アラブ、そしてヨーロッパの影響を受けながら、独自の進化を遂げてきました。
古くは東南アジアから伝わった竹製の琴(ヴァリハ)にはじまる、ギターやマンドリン、カボシといった弦楽器。そしてさまざまな打楽器、笛、さらにはホラ貝なども用いられ、独特な発展を遂げてきたマダガスカルの音楽。雄大な自然と人、そして先祖との霊的な交流のなかで伝統を紡いできた彼らの音楽には、聴く者を魅了する豊かなメロディと、島での日常に根ざした特別なグルーヴ感が溢れています。

監督の亀井岳は、自身の旅の体験に着想を得た『チャンドマニ~モンゴル ホーミーの源流へ~』で2009年に長編映画デビュー。最新作『ギターマダガスカル』は、世界的にも著名な現地ミュージシャンたちが、マダガスカル音楽のルーツを辿るロードムービー。
ある者は壊れた楽器を携え故郷を目指し、ある者は死者と対話する儀式からインスピレーションを得る――。異なる故郷をルーツに持つ、トミノ、ババ、テタ、デ・ガリという4名のミュージシャンの旅を通じて描かれるのは、いつでもどこでも、小さな羽虫のように“湧きあがる” 音楽と暮らす島の人々の日常。生者と死者をつなぐ数々の伝統儀式や、マダガスカルを代表するミュージシャンたちが独特の奏法で奏でる楽曲の数々も、本作の見どころ。
ミュージシャンたちが辿る“伝統音楽への旅”。彼らの音楽のルーツへと至る物語は、やがて私たち日本人がまったく知らなかったマダガスカルを、そして彼らの驚くべき死生観をも浮かび上がらせます。

「ギターマダガスカル」場面3 「ギターマダガスカル」場面4
監督メッセージ

音楽が、色めき立ち上がらせるものを撮りたかった

監督・脚本 亀井岳

マダガスカルの音楽が好きで『ギターマダガスカル』の制作をはじめたけれど、現地に通いだすと、そこに住む人々の持っている世界観に引きつけられるようになった。それらは僕たちにとって全くの未知ではなく、我々から失われてしまいそうになっていて、それでも、かすかに体に残っているようなそんな感じがしたからだ。

マダガスカルを農作業が暇になる乾期に旅をすると、あちこちで、“葬式” や墓から祖先の遺体を出して遺骸に巻いてある布を巻き替える“ファマディハナ” の儀式に出会う事が出来る。それらはたいがい伝統的な楽団が呼ばれ、賑やかに行われるので、演奏会かと思うぐらいだ。地方に向かう国道でも長距離乗り合いバスいわゆる“タクシーブルース” の屋根の上に棺桶を乗せて走っているのも見かけるし、劇中でも短いカットだけれども客死した身内の亡骸を小さな箱に入れて故郷に運ぶ一団の様子もある。つまり我々日本人の生活と比較してもマダガスカルの人々にとって“死” は身近なものだ。

「ギターマダガスカル」場面5 「ギターマダガスカル」場面6

マダガスカル人にとって“死” が身近なだけではなく、死者もまた身近にいる。“死” はこの生きている状態から祖先になる1つの区切りでしかなく、祖先は目には見えないが、感じ続けられる存在として普段の生活の中に同居する。つまり死者ではなく祖先なのだ。私たち日本人にもお盆という祖先の霊と交流する先祖供養の風習があるが、亡くなった人々の存在を感じるほどの感覚は今ではないように思う。

マダガスカルの人々は“死” が窓口となり、我々より明らかに大きな世界と結びついている。そしてそこには広大なイマジネーションがある。明確に豊かな世界がそこにあるのだ。前作『チャンドマニ』で自然と人の営みの中から生まれる文化の豊かさをテーマにしたが、マダガスカルでは音楽と表裏一体の死生観に出会い、人と自然を超えていく生命の連鎖がテーマになったのは、むしろ必然であったと思う。

マダガスカルでは誰かが楽器を手にとり音楽がかき鳴らされると、木々がざわめき祖先も踊りだすような空気内の湿度が一瞬に沸点に達する、そんな“色めき立ち” がある。出来ればそんな感じを映像化したいと思ってこの作品を作った。

「ギターマダガスカル」場面7 「ギターマダガスカル」場面8 「ギターマダガスカル」場面9 「ギターマダガスカル」場面10 「ギターマダガスカル」場面11 「ギターマダガスカル」場面12
CREDIT
監督・脚本:亀井岳
撮影監督:古木洋平 編集:橋本健太郎
出演:トミノ、ババ、テタ、デ・ガリ、ミカ ほか
2014/ 日本/ マダガスカル語/ カラー/HD/106 分
後援:マダガスカル航空 製作・配給・宣伝:FLYING IMAGE © FLYING IMAGE
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2015年6月20日(土)より新宿K's cinemaにてレイトショー
※全国順次公開予定

2015/06/01/19:16 | トラックバック (0)
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