インタビュー
ニコラス・ウィンディング・レフン監督/『ネオン・デーモン』

ニコラス・ウィンディング・レフン (監督)
映画『ネオン・デーモン』について【1/4】

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2017年1月13日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか 全国順次ロードショー

前回の「ドライヴ」での来日時におこなったレフン監督(以下、レフン)のインタビューでは映画マニアぶりが伝わり、とても盛り上がったが今回は違いました。そのことはインタビューが進んで徐々に分かってきました。
インタビュー前日に行われた渋谷タワーレコードでのレフンのトークイベントで「貴婦人縛り壺」(監督:小沼勝、主演:谷ナオミ 1977年)のDVDをプレゼントしたら喜んでいたのでインタビュー前に「淫絶海女 うずく」(監督:林功、主演:八城夏子、 1978年)をプレゼントした。「ネオン・デーモン」に緊縛のシーンがあるのは日本の緊縛作品を「オンリー・ゴッド」の来日時にプレゼントされたからだと知り、それなら 谷ナオミ主演の小沼勝監督のロマンポルノの緊縛ものの傑作を観てもらいたいとの思いからだった。インタビュー前に、より一歩進んで日本ならではのエロスとのことで海女さんもののロマンポルノ「淫絶海女 うずく」をプレゼトした次第。
レフンの反応は「Wowありがとう。これってこのジャンルでいい出来の作品?」で「いいですよ。(通訳の方に)日本人の男性は海女さんに欲情すると伝えてください」と答えたら「変なことを教えないでください(笑)」と映画会社の方に言われたがレフンはニコニコと笑っていました。他にはレイ・ハラカミさんの「レッド・カーブ」のCDをプレゼントしてインタビューはスタートしました。(取材:わたなべりんたろう 撮影:末光美幸 twitter )
ニコラス・ウィンディング・レフン 1970年9月29日、デンマーク生まれ。24歳で監督を務めた『プッシャー』(96)でデビュー。三部作として続編が製作され、カルト的作品を誇る。トム・ハーディ主演『ブロンソン』(08)で、各国のメディアから「次世代ヨーロッパにおける偉大な映像作家」と称賛を浴びる。2011年、ライアン・ゴズリング主演の『ドライヴ』で、カンヌ国際映画祭の監督賞など数々の賞を受賞。世界的に注目を集める。その2年後には、ライアン・ゴスリングと再びタッグを組んだ『オンリー・ゴッド』(13)で同じくカンヌのコンペティション部門でパルムドールを争い、国際的評価を揺るぎないものにした。観る者の陶酔を誘い、想像力を刺激するレフン作品の世界観は、多くの観客を魅了。2014年カンヌ国際映画祭では 審査員を務めるなど、話題に尽きない。
STORY 誰もが目を奪われる特別な美しさに恵まれた16歳のジェシーは、トップモデルになる夢を叶えるために、田舎町からロスへとやって来る。すぐに一流デザイナーやカメラマンの心をとらえチャンスをつかむジェシーを、ライバルたちが異常な嫉妬で引きずりおろそうとする。やがて、ジェシーの中に眠る激しい野心もまた、永遠の美のためなら悪魔に魂も売り渡すファッション界の邪悪な毒に染まっていく――。
ニコラス・ウィンディング・レフン監督
――順撮りで映画製作を進めることで知られるレフン監督ですが、今作でも順撮りと伺っています。 本作で順撮りを行うにあたって特に苦労したことはありますか?

レフン 順撮りに関しては本作含めて特に難題があったということはありませんでしたね。作品の可能性をむしろ高めてくれるものでしかないと考えている。順撮りでなかったら全てやり直さなければならなくなるような後から思いついたアイデアを付加することが出来るんだ。画家が絵を描きながら絵になっていくようなことと同じだ。

――本作では気鋭の撮影監督のナターシャ・ブライエを始め、スタッフを女性で固めていますがその理由はありますか?

レフン 女性と仕事する方が男性と仕事するよりもとても楽しいからね。それがスタッフを女性で多くかためた理由です(笑)。

――スコア担当ではクリフ・マルティネスとずっと仕事をされていますが今作の音楽で特にこだわった点はありますか? 楽器は弾けないが音楽を聴くことに関してはプロだと以前に発言していましたが音楽へのこだわりを教えてください。

レフン 音楽が本当に大好きなんだ。クリエィティヴィティにおいて最もインスピレーションを与えてくれるものが音楽であると思っています。「ネオン・デーモン」での最も大きなチャレンジは映画に使う音楽のサウンド/テクスチャーをどんなものにするかを決めることだった。それはどんな楽器でどのようにして作ったか絶対に分からないサウンドにしたかったからなんだ。全て人工的とも思える音で映画を造形していきたかったんです。

――今作には全く無音のシーンもあれば、アナログシンセのような金属的な音が通底音のように流れるシーンもあります。この対比が実に見事です。タンジェリン・ドリームやゴブリンのようなグループが音楽担当していた70年代、80年代のホラー映画の音を目指した点はあるのでしょうか?

レフン そういうことは特にありません。ぼくは過去に全く興味がないのです。むしろ未来に興味がある人間なんです。未来に向かっていくには過去のことを知らなくていはいけないというのも真であり大事だとは分かっています。僕はとにかく今自分がやっていること以外に興味を持ってないのです。そういう意味ではつまらない人間なのです。

――特にそいういう意図がなくても過去の映画を見ている人間にはそう聞こえてしまうのは仕方がないのはありなんでしょうか……?

レフン それは全く構わないよ。タンジェリン・ドリームは素晴らしいグループだし、ゴブリンはいまだに影響力のあるグループだ。そういう風に解釈していただけることは、むしろ褒め言葉だと思っています。タンジェリン・ドリームやゴブリンは音楽が現在の映画製作にここまで影響を及ぼせるというお手本だと思っていますから。

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ネオン・デーモン (2016年/フランス・デンマーク・スウェーデン/118分)
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 『ドライヴ』、『オンリーゴッド』
撮影監督:ナターシャ・ブライエ 衣装:エリン・ベナッチ 音楽:クリフ・マルティネス
出演:エル・ファニング、カール・グルスマン、ジェナ・マローン、ベラ・ヒースコート、アビー・リー and キアヌ・リーヴス
配給:ギャガ © 2016, Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch
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2017年1月13日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズ
ほか全国順次ロードショー

2017/01/15/13:01 | トラックバック (0)
わたなべりんたろう ,インタビュー
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