アラン・ドロン、ジャン＝ポール・ベルモンド…
色褪せない魅力に満ちたフィルム・ノワールの魅力
メルヴィルのフィルモグラフィーで欠かすことの出来ない
傑作7作品を一挙上映！

アラン・ドロン主演の『サムライ』(67)、『仁義』(70)などで知られるフランス映画の巨匠、ジャン＝ピエール・メルヴィルの生誕100周年を記念して、11月11日より角川シネマ新宿で特集上映が開催される。

ジャン＝ピエール・メルヴィル(1917-73)は、古典的なギャング映画を通じて、フランス製フィルム・ノワールの確固たるスタイルを完成させたことで知られ、アラン・ドロン、ジャン＝ポール・ベルモンドら、フランスのスター男優たちのダンディズムを美しく映し出した作品群は今観ても色褪せない魅力に満ちている。友情、名誉、忠誠、裏切りといった男たちの美学を生涯描き続け、ヌーヴェルヴァーグの監督たちをはじめ、サム・ペキンパー、ジョン・ウー、ジョニー・トー、北野武らにも多大な影響を与えたフランスを代表する世界的巨匠の一人だ。

今回の特集上映で上映されるのは、劇場初公開となるメルヴィルのデビュー短編『ある道化師の24時間』(46)を筆頭に、完全な自主製作によって作られ、芸術家／詩人のジャン・コクトーにも高く評価された長編デビュー作『海の沈黙』(47)、犯罪ドラマの傑作として名高い『賭博師ボブ』(56)、劇場初公開となるジャン＝ポール・ベルモンド(『勝手にしやがれ』)、エマニュエル・リヴァ(『二十四時間の情事』)主演の『モラン神父』(61)、ジャン＝ポール・ベルモンドが警察に仲間を売る密告者を演じるフィルム・ノワールの神髄『いぬ』(62)、ナチス占領下のフランスでレジスタンス達の抵抗を描いた『影の軍隊』(69)、そして、アラン・ドロン、ジャン・マリア・ボロンテ、イヴ・モンタンら豪華三大スターが共演したフィルム・ノワールの傑作『仁義』(70)の計7作品。これらの傑作群をスクリーンで観られるこの貴重な機会をお見逃しなく。

また、メルヴィル生誕100周年を記念する関連企画として、東京国立近代美術館フィルムセンターで「生誕100年 ジャン＝ピエール・メルヴィル、暗黒映画の美」と題された展覧会が、12月10日(日)まで開催されているほか、12月9日(土)にはアンスティチュ・フランセ横浜で「生誕100年 ジャン＝ピエール・メルヴィル特集 」と銘打たれた、『仁義』と『コードネームはメルヴィル』の上映会(『コードネームはメルヴィル』上映後には、東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員の岡田秀則氏によるアフタートークを予定)も開催される。こちらも併せてご注目いただきたい。