縄田 かのん (女優)&
中神 円 (女優)
映画『空の瞳とカタツムリ』について【1/3】
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2019年2月23日(土)池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
今作は脚本家の荒井美早さんのインタビューに引き続き、主演の縄田かのんさんと中神円さんにインタビューしました。今作を観れば分かりますが難役に挑み、今後の活躍が期待されるお2人です。インタビュー前に今作を観て想起した『仮面/ペルソナ』のDVDをプレゼントしました。 (取材:わたなべりんたろう)
中神 円 (高野十百子役) 1993年生まれ、東京都出身。2015年よりスカウトを経て芸能活動を開始。近年の出演作は短編映画『世界で一番最後の魔法』(18/森田博之監督)、MVビッケブランカ「ウララ」等。特技は幼少時より続けている阿波踊り。
わたなべりんたろう 最後辺りに質問するようなことを敢えて最初に聞きます。お二人ともこの作品で自分の素は出していないと思いますが、俳優としての素は出していると思います。これから公開するにあたりこの点についてどう考えていますが?
縄田かのん 「素」については役柄や設定を与えられた上での素なので、包み隠さず、「どうぞ見ていってくださいませ!」という感じです。
中神円 公開にあたっては不安があります。作品が人を100パーセント傷つけないものであるとは限らないとは感じています。受け取り方によってはセクシャルマイノリティーの当事者の方を傷付けるのではないかと。「私はこうはならない」と思う方もいるかもしれないので「セクシャルマイノリティーはこうあるべきだ」という先入観からは切り離して自由な見方で見て欲しいです。
――この映画はコミュニケーションの話ですよね。あくまで恋愛感情が前提での話かと思いますが、先にインタビューをした脚本の荒井美早さんは「話がつかなかったらセックスするしかないのでは」と言っていました。発売中の『映画芸術』2019年冬号の中で縄田さんは「中神さんはガッツがある」と言っています。彼女は食い付いてきたと。そして、この映画は中神さんが主軸の映画ですよね。ナレーションを担当していることはもちろん、感情がたくさん動くので共感を生むのではないかと思っています。全体を通してどういうことを感じて演じていましたか?
中神 最初のシーンが三浦貴大さん演じる貴也とのシーンだったのですが、すごく難しくて何回も失敗しました。食べたり喋ったりするシーンよりもベッドシーンの方が勢いで「エイヤ!」の感じで演じることができました。ベッドシーンにも自分の心を閉ざした状態で臨むものとそうではない状態のものがあって、心を閉ざした状態で臨んだものは拒否反応が出てしまって辛かったですね。
――縄田さんは教授室で貴也に犯されるシーンもありましたがどうでしたか?
縄田 あのシーンは切ないですよね……無反応の夢鹿、とあるのでそう演じていますが、それは一番残酷なことだと思います。あのシーンで、少しでも夢鹿が感じている素振りをみせてあげられる人間だったら、貴也とああいう関係にはなってなかったと思います。最初は貴也、夢鹿、十百子の3人で仲が良かったのに、貴也が「夢鹿のことが好きだ」と言い始めたところから全てが崩れてしまったということがあるので、あの無表情の夢鹿の態度は悲しみもあり少し復讐の意味もあったのだと思います。貴也に対して反応しないことを自分に課しているというか……本当に不器用な人ですよね。そういう意味では辛かったです。
――観る人に考慮して詳細を伏せますが、他にもそういうシーンがありますよね。
縄田 そうですね。反応することによって相手に喜ばしい感情を与えてはいけないというのはありました。
出演:縄田かのん,中神円,三浦貴大,藤原隆介,利重剛,内田春菊,クノ真季子,柄本明
監督:斎藤久志 脚本:荒井美早 企画:荒井晴彦 タイトル:相米慎二
プロデューサー:成田尚哉 製作:橋本直樹,松枝佳紀 撮影:石井勲 音楽:阿藤芳史 照明:大坂章夫
録音:島津未来介 美術:福澤裕二 編集:細野優理子 衣装:江頭三枝 ヘアメイク:宮本真奈美
整音:竹田直樹 音響効果:井上奈津子 助監督:岸塚祐季 制作担当:三浦義信
製作:ウィルコ/アクターズ・ヴィジョン 配給:太秦 © そらひとフィルムパートナーズ
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