
異邦人 デジタル復元版


イタリア映画界の至宝監督:ヴィスコンティ ×
ノーベル文学賞作家:カミュ × 名優:マストロヤンニ
ヴィスコティ没後 45 年、封印された幻の名作が
本邦初公開となるイタリア語バージョンで復活
2021年3月5日(金)新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサにて公開
ヴィスコンティ × カミュ × マストロヤンニ
奇跡のコラボレーションが生んだ映像の世界遺産
長きに渡り封印されていた幻の文芸大作、ついに解禁。
第二次大戦前のアルジェ、会社員のムルソーは母の訃報を受け取る。遺体安置所で彼は遺体と対面もせず、埋葬の場でも涙を見せなかった。その翌日、偶然再会したマリーと海水浴に行き、映画を見て一夜を共にしたが、その後友人とトラブルに巻き込まれ、預かったピストルでアラブ人を射殺してしまう。太陽がまぶしかったという以外、ムルソーにも理由は分からない。裁判所の法廷では殺害については何も言及されず、ムルソーの行動は非人間的で不道徳である、とされ死刑を宣告される……。


ノーベル賞作家アルベール・カミュの大ベストセラー「異邦人 」は、現代人の生活感情の中に潜む不条理の意識を巧みに描いて大反響を巻き起こした。イタリア映画界の至宝ルキノ・ヴィスコンティ監督は早くからこの20 世紀文学の傑作の映画化を志し、長年の構想の末に最高のスタッフ・キャストを集結させ、1967 年に完成した。主演はフェリーニ、デ・シーカ監督作品等でも有名な名優マルチェロ・マストロヤンニ、ヒロインは 2019 年 12 月惜しくも急逝したアンナ・カリーナ。
没後45 年を経ても燦然と輝き続けるヴィスコンティの残された 1 本、 本邦初公開となるイタリア語ヴァージョンで復活。
ルキノ・ヴィスコンティ監督は「イノセント」発表後の 1976 年 3 月に逝去、公開となる 2021 年3月は、没後 45 年を迎えるが、その作品群は世代を超え映画ファンに愛され、今もなお繰り返しリヴァイバル上映され続け、ミニシアターの人気番組として定番化している。長編8作目となる本作は英語版で 1968 年9月公開。大きな反響を呼んだものの、それ以降は 1970 年代に短縮日本語吹き替え版がTV放映されたが、複雑な権利関係・散逸してしまった映像原版等々様々な理由で VHS はおろかソフト化されることもなく、ヴィスコンティ特集等の限定上映以外は長期に渡り鑑賞する機会が皆無であり、まさに映画ファン垂涎の作品となっていたが、遂に今回各映像素材を最新技術によってデジタル復元化し、上映実現となった。


混迷の現代に影響を与え続けるカミュの不条理な世界
カミュの原作が発表された年は奇しくもヴィスコンティ監督デビュー作「郵便配達はベルを鳴らす」と同じ 1942 年であり、早くから映画化の希望をカミュ(1960 年没) に直接伝えていたという。
本作の主人公の不条理な言動は、クイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞とも類似しており、元ネタではないかと楽曲発表後、話題になった。また、未曾有のコロナ禍の現在を予期していたかのような、伝染病の恐ろしさを描いたもう一つの代表作「ペスト」は、現在全世界で大ベストセラーを記録している。
映画ファンを魅了するキャスティング
難解な主人公ムルソー役は、フェデリコ・フェリーニ監督「甘い生活」「8 1/2」や、本年リヴァイバル上映されたヴィッドリオ・デ・シーカ監督「ひまわり」他、数え切れぬほどの代表作を持つマルチェロ・マストロヤンニ。
恋人役には「気狂いピエロ」等ヌーベルバーグの旗手ジャン=リュック・ゴダール監督作品でアンナ・カリーナ。2019 年12月に惜しくも逝去したが、わが国ではすぐに旧作の特集上映が組まれたほどの熱狂的ファンが数多く存在する。
製作:ディノ・デ・ラウレンティス「道」「天地創造」「戦争と平和」
原作:アルベール・カミュ「ペスト」1957年ノーベル文学賞受賞
脚本:スーゾ・チェッキ・ダミーコ「自転車泥棒」「山猫」「黒い瞳」、
エマニュエル・ロブレ、ジョルジュ・コンション
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ「ひまわり」「フェリーニのローマ」「オール・ザット・ジャズ」
音楽:ピエロ・ピッチオーニ「華やかな魔女たち」「芽ばえ」
出演:マルチェロ・マストロヤンニ「ひまわり」「昨日今日明日」「ひきしお」、
アンナ・カリーナ「気狂いピエロ」「女と男のいる舗道」「アンナ」、
ベルナール・ブリエ「北ホテル」「レ・ミゼラブル」「女たちのテーブル」、
ブルーノ・クレメル「メグレ警視(テレビシリーズ)」「ゴダールのマリア」「白い婚礼」
日本初公開 1968 年 9 月/キネマ旬報ベストテン 第8位 スクリーン誌ベストテン 第9位
1967 年/イタリア/フランス映画/104 分/カラー/イタリア語/ヴィスタサイズ/DCP
© Films Sans Frontieres 配給: ジェットリンク 配給協力: ラビットハウス
2021年3月5日(金)新宿シネマカリテ、池袋シネマ・ロサにて公開

- 映画原作
- (著):アルベール・カミュ
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- (著):須賀原洋行
- 発売日:2019/2/13
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