妻の貌/若木評
『映画をどう見るか、と佐藤忠男は言った』 / うっかりしていると、幽霊部員になりそうです。再び、INTROに書かせてもらいますので、よろしくお願いします。本サイト、時々は覗いて読んでおりました。一頃は全くといっていいほど人の書いた映画評を読まなかったのですが、最近はまた、なるたけ読むようにしています。映画評ってのは結局どう書いても答えの無い、永遠に未完の世界。そこが面白いのかな、と改めて感じつつあるので。それでも、油断すれば... 続きを読む
2009/07/19/04:16 | トラックバック (0) | 「つ」行作品 ,若木康輔 ,話題作チェック
お買いもの中毒な私!
『世知辛い時代だからこそ……、ハッピーエンドに浸りたい!』 / (結末に関する記述あり!) 百年に一度の未曾有の大不況と言われている今、レベッカ(アイラ・フィッシャー)の大胆かつ無計画な買い物っぷりに「こんなこと、現実にはありえんだろうが!」と心のなかで毒づいた。この不況下で、明日の生活でさえどうなるのか先の見えない世の中だ。レベッカのように、何種類ものクレジットカードの限度額を超え、借金取立人に追われるまで買い物にうつつ... 続きを読む
2009/06/16/12:16 | トラックバック (5) | 「お」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック
レビュー:『ブッシュ』
『ブッシュにエクスキューズの機会を与えなかった、オリバー・ストーンの陰湿なイジメ』 / (結末に関する記述あり!)これはもしや、今人気の社会風刺コント集団〈ザ・ニュースペーパー〉の米国版か?とも思えるような光景が、映画の冒頭から繰り広げられる。2002年当時の米国の政治家のそっくりさん達――第43代大統領ジョージ・W・ブッシュを筆頭に、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、パウエル国務長官、ライス大統領補佐官等――が... 続きを読む
2009/06/03/13:16 | トラックバック (5) | 「ふ」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック
グラン・トリノ
『クリント・イーストウッドが訴える、米国のあるべき姿とは?』 / (結末のネタバレあり!)クリント・イーストウッドという人は、才能が枯渇することを知らないのだろうか?21世紀に入ってからも、『ミスティック・リバー』(03)、『ミリオンダラー・ベイビー』(04)、『硫黄島からの手紙』(06)、『チェンジリング』(08)などの名作を世に送り出し、その手腕にはいつも感服していたが、4年ぶりに監督・主演を務めた新作『グラン・トリノ』(08)でもその期待を裏切ることはない。... 続きを読む
2009/05/19/12:26 | トラックバック (8) | 「く」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック
レビュー:大阪ハムレット
『優れた脚本が描く、マイノリティたちの物語』/久しぶりに、いい仕事をしている原作付き映画を見た。映画「大阪ハムレット」(09)は、何より脚本がいい。監督は「おぎゃあ」(02)「M-1グランプリへの道 まっすぐいこおぜ!」(04)などを手がけ、脚本家である光石冨士朗。原作は「少年アシベ」などのギャグ4コマ漫画で知られる森下裕美の、大阪... 続きを読む
2009/02/20/13:17 | トラックバック (1) | 「お」行作品 ,寺本麻衣子 ,話題作チェック
櫻の園-さくらのその-
「旧作が『映画』なら、新作は『テレビドラマ』」/ 吉田秋生の漫画を映画化した中原俊監督「櫻の園」(90、以後「旧作」)は、個人的にとても好きな作品だ。創立記念日にチェーホフの戯曲“櫻の園”を上演することが伝統の名門女子高を舞台に、演劇部の女の子たちが“櫻の園”を上演するまでの2時間を描いている。.... 続きを読む
2008/12/04/20:18 | トラックバック (0) | 話題作チェック
グーグーだって猫である
『犬童監督らしさが発揮されたゆえの残念作』 / 個人的に、犬童一心監督の「ジョゼと虎と魚たち」(03)がとても好きで、大島弓子の漫画が好きだ。なので、著者である大島弓子自身と飼い猫たちとの生活を描くエッセイ漫画『グーグーだって猫である』を犬童監督が映画化すると聞いて、一瞬喜んだ。... 続きを読む
2008/10/16/13:01 | トラックバック (0) | 「く」行作品 ,寺本麻衣子 ,話題作チェック
ダークナイト
「そこ」には答えのない問いしかない / 『バットマン ビギンズ』(2005)に続いて『ダークナイト』が公開されている。クリストファー・ノーラン監督によるバットマン新シリーズである。アメリカでは興行成績も次々と塗り替える程の人気だそうだ。日本にも鳴り物入りで公開されたこともあり、早々に注目されていた。この人気は、... 続きを読む
2008/08/25/18:41 | トラックバック (6) | 「た」行作品 ,松本不二人 ,話題作チェック
ぐるりのこと。
『相互理解の不可能性が生み出す悲喜劇』 / (ネタバレの可能性あり)ゲイカップルの前に突然現れた独身女が引き起こす騒動を描いた「ハッシュ!」(02)が、内外で高い評価を得た橋口亮輔監督の6年ぶり新作である。前作では"家族"がメインテーマに据えられていたが、本作では超が付くほど几帳面でしっかり者の妻・翔子(木村多江)と"ずぼら"を絵に描いたような頼りない夫・カナオ(リリー・フランキー)という、性格が... 続きを読む
2008/07/03/17:35 | トラックバック (3) | 仙道勇人 ,「く」行作品 ,話題作チェック
リアル鬼ごっこ
『作り手の遊び心が好印象の一本』 / 西暦3000年に王様が治める日本で、王様の命令で「佐藤」という苗字を持つ人間を殺す計画が実行されて、「佐藤」たちのサバイバル劇が展開されるのが原作の設定だったが、映画版ではパラレルワールドの設定に変えている。原作はもともと著者の山田悠介が20歳のとき... 続きを読む
2008/02/03/12:03 | トラックバック (0) | わたなべりんたろう ,「り」行作品 ,話題作チェック