レビュー:イメルダ
『イメルダが「イメルダ夫人」になった理由(わけ)』 / おそらくイメルダ・マルコス元大統領夫人がこの映画に出演し、インタビューを受けたのは、過去の行いの弁明をするためだったのだろう。「3000足の靴が注目されたのは、私にはほかに見られて困るようなものがなかったからよ」「心にやましいことはない」「私たちの周りには悪人がいて、それで物事がいつも複雑なことになってしまう」まあ、よくべらべらとしゃべるものだ。監督のラモーラ・ディアスの興味は、社会派... 続きを読む
2009/10/14/15:05 | トラックバック (0) | 「い」行作品 ,藤澤貞彦 ,話題作チェック
レビュー:SING FOR DARFUR
『無関心であることの残酷さ、知ることの大切さ』 / スーダンと言えば皆さんは真っ先に何を思い浮かべるだろうか?筆者の場合は、スーダン西部のダルフール紛争だ。2003年に勃発した紛争だが、30万人が虐殺され、270万人が避難民となり、史上最悪の紛争とまで言われている。そして解決の糸口はまだ見つかっていない。また、今年3月にはバジール大統領に対して国際刑事裁判所から逮捕状の発付が決定するなど、イメージ的には最悪であ... 続きを読む
2009/10/03/14:23 | トラックバック (0) | 「し」行作品 ,富田優子 ,「英字」から始まる作品 ,話題作チェック
レビュー:14才のハラワタ
『“かつて14才だった人たち”のための物語』 / トコトコ、テトテト、ブカブカ。「14才のハラワタ」(09)を見終わって心に残ったのは、ハラワタなんていうドロドロした言葉とは裏腹の、ゆったりとしてあたたかい、それでいてちょっと変わったリズムだった。14才の内臓か過激な実態でも見られるかと期待している人には申し訳ないが、この映画にそういうものは出てこない。確かに14才のハラワタ=心の内を少し覗くことはできるけれど、その描き方は生々しくも赤裸々で... 続きを読む
2009/09/30/17:59 | トラックバック (0) | 寺本麻衣子 ,話題作チェック
レビュー:クリーン
『自分本位の母親に“Clean”な未来はあるのか?』 / 本作におけるヒロイン役のマギー・チャンの熱演は、第57回カンヌ国際映画祭主演女優賞受賞も納得ものだし、ヒロインの義父を演じたニック・ノルティの深みのある演技も一見の価値がある。ヒロインの息子役のジェームズ・デニスはまるで天使のように愛らしい。だが本作を観ているうちに、どうしてもある事件を連想せずにはいられなかった。連日のように報道されている某女優とその夫による薬物... 続きを読む
2009/09/27/14:16 | トラックバック (2) | 「く」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック
ココ・シャネル
『20世紀の元祖「負け犬」ココ・シャネルの生き方に学ぶ』 / 「負け犬」――最近でこそあまり耳にしなくなったが、2004年の流行語大賞でトップ10入りした言葉だ。そう言えば、この頃は雑誌やテレビで盛んに「負け犬」という言葉が取り上げられていたっけ。酒井順子さんの著書『負け犬の遠吠え』(講談社、2003年)から出てきたもので、どんなに美人で仕事ができても、30代・未婚・子供がいない女性は「負け犬」である、と定義されている。この本のす... 続きを読む
2009/08/29/15:27 | トラックバック (3) | 「こ」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック
昭和八十四年~1億3千万分の1の覚え書き/富田評
『「語り継ぐ」ことの大切さや苦しみを改めて思う』 / 毎年8月には戦争に関連するドキュメンタリー番組や映画、ドラマ等が盛んに取り上げられる。確かに、8月には広島・長崎への原爆投下(6日、9日)や、終戦の日(15日)があって、1年のなかで戦争を振り返るには絶好の月であることには間違いない。戦争を振り返るということは、戦争を体験した世代から、その悲惨な経験を語り継いでもらうことが最も効率的(という言い方は適切ではないかもしれな... 続きを読む
2009/08/21/13:10 | トラックバック (0) | 「し」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック
3時10分、決断のとき
『』 / 「3時10分、決断のとき」(原題"3:10 To Yuma")は「何で、この映画が日本で公開されないのだろう?」と思っていた映画の1本だった07年作品。今作の場合は、クリスチャン・ベイルとラッセル・クロウの主演で評価も高くヒットもしたので日本で公開しないのが不思議だったのだが、ベイル主演の「ターミネーター4」の公開に合わせたらしく、公開が決まった。日本公開が決まる直前に焼いてもらった輸入盤DVDを持っていたが、1回目はスクリーンで... 続きを読む
2009/08/19/04:16 | トラックバック (4) | わたなべりんたろう ,「数字」から始まる作品 ,話題作チェック
KIKOE
『こんな国のこんな時代には陰鬱な夕べがあってはいけない』 / カヒミ・カリィや浜田真理子といったミュージシャンのプロデューサーとして、また『ウルトラミラクルラブストーリー』や『色即ぜねれいしょん』といった話題作の映画音楽を手掛けている音楽家大友良英の世界と人物に迫っていくドキュメンタリー『KIKOE』に関するレビュー。 続きを読む
2009/08/14/17:46 | トラックバック (0) | 話題作チェック
昭和八十四年~1億3千万分の1の覚え書き/若木評
『たたかい続ける人の心を誰もがわかってるなら』 / 製作・上映もろもろを含めた映画のデジタル化。この約10年のうちに、すっかり既成のこととなりましたね。僕たちはその推移にリアルタイムで接してきた分、いつのまにか馴染んでいて、それがどういう意味を持っているか、ちょっと把握が遅れているところがあります。フィルムからデジタルへの移... 続きを読む
2009/08/09/21:52 | トラックバック (1) | 「し」行作品 ,若木康輔 ,話題作チェック
妻の貌/富田評
『被爆者の妻の心に寄り添った、川本昭人監督の半世紀にわたる愛の記録』 / 2009年4月5日、オバマ米国大統領がチェコのプラハで行った演説のなかで「核兵器のない世界を目指す」と表明したことには驚かされた。世界で最も多くの核兵器を保持する米国のトップが随分と大胆な決断をしたものだ、と。しかもブッシュ前政権は包括的核実験禁止条約(CTBT)への批准を拒否していたというのに、思い切った政策転換だ。このプラハ演説は日本... 続きを読む
2009/07/19/04:17 | トラックバック (0) | 「つ」行作品 ,富田優子 ,話題作チェック