インタビュー
真利子 哲也監督/『ディストラクション・ベイビーズ』

真利子 哲也 (監督)
映画『ディストラクション・ベイビーズ』について【4/5】

2016年5月21日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

『ディストラクション・ベイビーズ』場面3 『ディストラクション・ベイビーズ』場面4――裕也の無差別な暴力は女性に向けられるのが怖いのですが、こういう暴力は卑劣でタブーとされているということなのか、映画で見ることはなかなかなかったなと思いました。

真利子 泰良は暴力を振るう相手として、自分よりも強いであろうという人を選ぶというルールを持っているんですけど、弱い者にしか手を出さない裕也というキャラクターは、暴力を振るうという行為としては同じなのに、見え方として酷いと。どうして見ている者の印象が違うんだろう?と、そこがなんか不思議で、描きたかったことですね。

――泰良のほうも、弱い者に暴力を振るう裕也を止めるわけでもなく、二人で組むことでどんどん暴力がエスカレートしていく。暴力の怖さだと思いました。

真利子 そうですね、暴力の先に何があるのか?というところまで何とか描こうというのが、松山で喧嘩をして生きてきたという人や、「喧嘩祭り」を目の前にしながら、ぼんやりと考えていたことです。言葉にはできないこのザワザワ感は何だろう?と思いながら脚本を書いていき、映画を撮りながら自分の中でその感触を探るように、特に泰良を演じる柳楽くんとコミュニケーションを取って、場を作っていった感じです。

――暴力に対して感じたものの正体は脚本段階ではまだ掴めなかったけれど、映画を作ることで考えていこうとされていたんですね。

真利子 そうですね。祭りのシーンを入れて映画が完成したときに、自分が追いかけていたものが掴めた気がしました。やっぱり人間を描こうとしていたんだな、と。自分の中では腑に落ちた感じがあるので、観る人に「こういう映画です」と答えを提示するのは難しい映画なんですが、何か受け取ってもらえたらいいなあと思います。

――暴力は受ける人の立場になって考えなければならないことですが、暴力を振るうのは人間の業でもあるなと思いました。喧嘩祭りにしても、人間には暴力衝動が絶対にあるから昔から行われていたのでしょうし、私はこの映画を観て『時計じかけのオレンジ』(71)を思い出したのですが、若者が暴力に走るというのも昔からあることで、今に始まった問題ではないなと思いましたね。

真利子 そうなんですよね、繰り返しなんです。僕は向井秀徳さんの音楽にすごく影響を受けているんですが、向井さんの音楽には決まり文句のように「繰り返される諸行無常」という歌詞が何度も出てきて、「繰り返す」という世界観は向井さんの音楽を聴いてくるうちに自分に染み付いていることかなと。今回向井さんに音楽をお願いしたんですが、きっと向井さんが出してきた音楽ならどんなものでも間違いじゃないだろうと思っていました。なぜかというと自分が好きだから(笑)。

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ディストラクション・ベイビーズ 2016年/日本/108分/5.1ch/ビスタ/カラー/デジタル/R15指定
監督・脚本:真利子哲也 脚本:喜安浩平 音楽:向井秀徳
出演:柳楽優弥 菅田将暉 小松菜奈 村上虹郎 池松壮亮 北村匠海 三浦誠己 でんでん
製作幹事:DLE 制作・配給・宣伝:東京テアトル 制作協力:キリシマ1945
© 2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会
公式サイト 公式twitter 公式Facebook

2016年5月21日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開

2016/05/14/17:34 | BBS | トラックバック (0)
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