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現代では作り得ない超大作にしてチェコ映画史上最高傑作。
55年の時を経て日本初劇場公開。

マルケータ・ラザロヴァー

『マルケータ・ラザロヴァー』画像

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2022年7月2日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

INTRODUCTION

中世の騒乱と肥大した信仰。少女マルケータの、呪われた恋――
映像化不可能と言われた同名小説を、チェコ・ヌーヴェルヴァーグの巨匠フランチシェク・ヴラーチルが映画化。チェコ映画最高傑作と言われた作品が55年の時を経て日本初劇場公開。

舞台は13世紀半ば、動乱のボヘミア王国。修道女となることを約束されていた少女マルケータは、領主とは名ばかりの父ラザルと敵対する盗賊騎士コズリークの息子ミコラーシュと恋に落ちる。彼女の心とは裏腹に、増大する王権と二つの部族間の衝突は激化していき……。キリスト教と異教、人間と野生、愛と暴力に翻弄される人々を描いた本作は、『アンドレイ・ルブリョフ』(アンドレイ・タルコフスキー監督)、『七人の侍』(黒沢明監督)などと並び評され、1998年にはチェコの映画批評家とジャーナリストを対象にした世論調査で史上最高の映画に選出された。

極寒の山奥で生活しながら548日間にもわたる撮影を決行し、
中世を忠実に再現。綿密、大胆、崇高、獰猛なエネルギーに満ちた「フィルム=オペラ」。

「過去の出来事をなぞるのではなく、歴史の内側を直感的に捉えたい」という監督の強い執念から、衣装や武器などの小道具を当時と同じ素材・方法で作成し、極寒の山奥で当時と同じように生活しながら548日間にもわたるロケーション撮影を行なった。
原作はチェコでは知らぬ者がいないという、ヴラジスラフ・ヴァンチュラによる同名小説。衣装を『アマデウス』でアカデミー賞を受賞したテオドールピック、音楽をヤン・シュヴァンクマイエル作品など多くの映画音楽を手掛けるズデニェク・リシュカが担当し、綿密にして大胆、崇高で獰猛なエネルギーに満ちた「フィルム=オペラ」が完成。55年の時を経てついに日本で初劇場公開となる。

『マルケータ・ラザロヴァー』場面画像1

巨匠フランチシェク・ヴラーチル監督が生前に残した
超貴重なコメント公開!

「道は似ていて、様々な木が並ぶ」「まっすぐな木に高い木、風に揺れる木」――ヴァンチュラが原作で書いた言葉が非常に印象的だった。私は映画作りで風景を何より重視する。私にとって芸術とは視覚芸術で、昔から映画の風景ばかりを見ていて字幕を読むのに苦労した。物語の主題は目に見えないので、映画の主題を決めるのは大変な作業だったよ。映画向けに作られたオリジナルの物語でも、小説が原作の物語でもどちらでもいい。重要なのは物語の第一印象だよ。かすかな印象でも十分だ。先ほど、本作の原作について言及したがもう一度引用したいと思う。
「道は似ていて様々な木が並ぶ」「まっすぐな木に高い木、風に揺れる木」多くの知恵を含みながらも視覚的な印象を強く与える言葉だ。頭に浮かぶ第一印象は壮大である必要はない。かすかなイメージさえ得られればそれを踏み台にできる。そして1つの物語に膨らませていけばいい。
映画作りに最も近い芸術形態は恐らく詩だろう。詩を構成する節の一つ一つにはそれぞれ違う意味がある。映画も同じように数多くのショットで構成されている。違う意味を持つ複数のショットを編集で組み合わせるとまた違う意味が生まれる。そういう意味で映画は詩的な芸術であり、それこそが映画の魅力だろう。

『In the Web of Time (V síti času)』(1989年/監督:フランチシェク・ウルドリッヒ)より

フランチシェク・ヴラーチル František Vláčil
1924年チェコスロバキア(現チェコ共和国)チェスキー・チェシーン生まれ。 1945年よりブルノの大学で美学と美術史を学ぶ。在学中に映画製作に興味を持ち、ブルノ漫画・⼈形映画スタジオで脚本家として働く。その後、新しく設立された科学教育映画スタジオにて短編ドキュメンタリー映画の制作に携わる。 1951年からは陸軍の映画スタジオで働き、短編ドキュメンタリーを制作。1958年には初の短編劇映画『ガラスの雲』を監督した。その後、チェコの大スタジオ「バンドラフ・スタジオ」に移り、1960年に初の長編映画『白い鳩』を監督。この作品はカンヌやヴェネチアなどの国際映画祭で評価され、チェコ・ヌーヴェルバーグの嚆矢と言われている。その後、『悪魔の罠』(ʻ61年)『マルケータ・ラザロヴァー』(ʻ67年)『蜂の谷』 (ʻ67年)の歴史三部作、初のカラー作品『アデライド』(ʻ69年)を監督し、それぞれ高い評価を得た。「正常化」以降、ヴラーチルは長編映画の製作を許されず、バランドフ・スタジオを去らざるを得なかった。1976年に再び長編映画の製作が許可され『焼きジャガイモの煙』(ʻ76年)を監督。『暑い夏の影』(ʻ77年)はカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でクリスタルグローブ賞を受賞した。ビロード⾰命後、これまでのチェコ映画への貢献に対してチェコのアカデミー賞であるチェコ・ライオン賞を受賞し、チェコ映画テレビアカデミーの会長に就任した。1999年死去。

『マルケータ・ラザロヴァー』場面画像2 『マルケータ・ラザロヴァー』場面画像3
CREDIT
マルケータ・ラザロヴァ―
1967年/チェコ/166分/モノクロ/シネマスコープ/モノラル/DCP/原題:Marketa Lazarová
監督・脚本:フランチシェク・ヴラーチル
原作:ヴラジスラフ・ヴァンチュラ 脚本:フランチシェク・パヴリーチェク
撮影:ベドジフ・バチュカ 美術・衣装:テオドール・ピステック 音楽:ズデニェク・リシュカ
出演:マグダ・ヴァーシャーリオヴァー,ヨゼフ・ケムル,フランチシェク・ヴェレツキー,
イヴァン・パルーヒ,パヴラ・ポラーシュコヴァー
提供:キングレコード 配給・宣伝:ON VACATION 後援:チェコセンター東京
© 1967 The Czech Film Fund and Národní filmový archiv, Prague

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2022年7月2日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

2022/06/21/18:48 | トラックバック (0)
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