映画祭情報&レポート

『第6回 爆音映画祭』開催

誰もが知っている超名作から最新の超話題作まで、幅広いラインナップを
こだわりぬいた音環境で楽しめる、世界で一つの映画祭『爆音映画祭』!

http://www.bakuon-bb.net/movies.php

2013年5月31日(金)~6月8日(金)、
吉祥寺バウスシアターにて1週間限定開催!!

上映タイトル一覧

メイン特集:「天国の門」とマイケル・チミノ

天国の門 デジタル修復完全版 5月31日(金)19:00~

1981年 / アメリカ / 216分 / DCP / 提供:boid / 監督:マイケル・チミノ
出演:クリス・クリストファーソン,クリストファー・ウォーケン,ジョン・ハート,イザベル・ユペール

西部開拓時代の悲劇を描く一大叙事詩が、数十年の時を経てデジタル修復され、再びスクリーンに甦る。制作会社を破産に追い込んだことからも知れるように、すべてが今では考えられないほど壮大。戦争シーンの狂気じみた容赦のなさには背筋が震えることだろう。

逃亡者 6月2日(日)12:00~│6月4日(火)14:55~

1990 年 / アメリカ / 105分 / 35mm / 提供:boid / 監督:マイケル・チミノ
出演:ミッキー・ローク,アンソニー・ホプキンス,ミミ・ロジャース

牢獄から脱走した破格の頭脳を持つ男と、彼の人質となった一家の手に汗握る心理戦。ごく普通の一軒家から、こんなにも多くの表情を切り取ってみせるあたりにチミノの職人技が光る。それにしても、全編にみなぎるこの無償のエロさはなんなのだろうか…?

ディア・ハンター 6月1日(土)13:15~│6月4日(火)11:20~

1978 年 / アメリカ / 184分 / 35mm / 提供:boid / 監督:マイケル・チミノ
出演:ロバート・デ・ニーロ,クリストファー・ウォーケン,ジョン・サヴェージ,メリル・ストリープ

あの日、死ぬはずだったのに生きてしまった男は、生と死の間に今も佇むあの日の自分にピストルを向け続ける。そうすることでほとんど死んだように生きる。しかしそのとき、映画史上もっとも悲しい銃声が響く…。ベトナム戦争に翻弄された男たちの悲惨な末路。

サンダーボルト 6月1日(土)18:50~│6月7日(金)14:00~

1974 年 / アメリカ / 115分 / 35mm / 提供:boid / 監督:マイケル・チミノ
出演:クリント・イーストウッド,ジェフ・ブリッジス,ジョージ・ケネディ,ジェフリー・ルイス

2人のチンピラが繰り広げる、ちょっと物悲しい犯罪珍道中。ことあるごとに乗り換えるさまざまな種類の車が、砂塵を巻き上げながら疾走する。そのそれぞれ異なるエンジンとブレーキの高鳴りだけで、1本の映画を撮ろうとしたかのようなあっけなさが気持ちいい。

特集:チェンソー
映画とはチェーンソーである。回転する歯車によってすべてが始まり、道が開ける。
カメラ=チェーンソー=映写機。だからチェーンソーの音をどうとらえるか、どんなふうに聴かせるかは、その映画の立場を明らかにする。
そんな視点から映画を観るとどんなふうにその映画は見えてくるか? 今回の3本からはおそらく、映画が歩んできたひとつの太い道筋が浮かび上がってくるはずだ。

悪魔のいけにえ2 6月2日(日)16:25~│6月8日(土)オールナイト

1986 年 / アメリカ / 100 分 / 35mm / 協力:生駒隆始 / 監督:トビー・フーパー
音楽:トビー・フーパー,ジェリー・ランバート 出演:デニス・ホッパー,キャロライン・ウィリアムズ

チェーンソー、ジェットコースター、ロックンロール…本作に頻出するこれらは、回転することで生命を宿すという意味ですべて映画の比喩だ。違うのは速度と必ず絶叫がつきまとうこと。この世界最速の絶叫映画は、爆音でこそそのポテンシャルを全開させる。

ウィンターズ・ボーン 6月6日(木)12:00~│6月8日(土)オールナイト

2010 年 / アメリカ / 100 分 / 35mm / 提供:ブロードメディア・スタジオ / 監督:デブラ・グラニック
出演:ジェニファー・ローレンス,ジョン・ホークス,ケヴィン・ブレズナハン

寂れた地方小都市で、失踪した父を少女が探し歩く。その行く手を阻む、狂気と諦念に満ちた大人たちの表情は壮絶だ。大人たちに促され、涙ながらに少女が握ったチェーンソーの音は、まるでローレン・マザケイン・コナーズの奏でるギターのように宵闇を切り裂く。

先祖になる 6月3日(月)11:15~

2012年 / 日本 / 118分 / DCP / 提供:蓮ユニバース / 製作:権洋子 監督:池谷薫
撮影:福居正治,坂口勇太,金子英樹 音響構成:渡辺丈彦 出演:佐藤直志

先の大震災で息子と自宅を失った佐藤直志(77歳)が、そんな状況にもめげず孤軍奮闘、自力で家を再建しようとする姿を追ったドキュメンタリー。彼がその豪快なチェーンソーさばきによって語る、言葉になりがたい思いの丈を、爆音で聞き届けて欲しい。


ナチュラル・ボーン・キラーズ
6月2日(日)18:30~│6月8日(土)オールナイト

1994 年 / アメリカ / 119 分 / 35mm / 提供:boid / 監督:オリヴァー・ストーン
原案:クエンティン・タランティーノ 出演:ウディ・ハレルソン,ジュリエット・ルイス

生まれついての殺人鬼カップルによる血みどろロードムービー。MTV的な楽しさに溢れる統覚を欠いたモンタージュ&サウンドは今見ても強烈で、メディアによるメディア批評という、この監督ならではの社会派的な意図をなしくずしにしてしまう痛快さが漲る。

キャリー 6月1日(土)21:10~│6月6日(木)16:25~

1976 年 / アメリカ / 98分 / 35mm / 提供:東宝東和 / 監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:シシー・スペイセク,パイパー・ローリー,ウィリアム・カット,ジョン・トラヴォルタ

いじめられっ子の少女キャリーが持ってしまった超能力が引き起こす血の惨劇。『サイコ』のシャワーシーンから引用された、あの神経を逆撫でする弦楽器の不協和音とキャリーの叫びが重なるとき、少年少女のプロムパーティーへの夢は木っ端微塵に砕かれるだろう。70 年代ホラーの代表作の1本。

湖畔の2年間 6月5日(水)21:10~

2011年 / イギリス / 86分 / DCP / 監督:ベン・リヴァース

湖畔の森で暮らす初老の男の生活を静謐に綴る。しかし、その様子は粗い白黒フィルムの粒子の不気味な蠢きへと微分されてしまう。ベッドにうずくまる男はまるで大地に散った粉雪のよう。黒い影になり消えていく『回路』の死に様に匹敵する禍々しさで、存在と非在のあわいを揺らめく。

山本精一無声映画ライヴ『吸血鬼 ノスフェラトゥ』
6月3日(月)21:10~

1922年 / ドイツ / 64分 / DVD 提供:アイ・ヴィー・シー / 監督:F・W・ムルナウ
出演:マックス・シュレック,アレクサンダー・グラナハ,グスタフ・フォン・ワンゲンハイム

毎年恒例となりつつある、爆音伴奏付き無声映画上映。今回はドラキュラ伝説を材に取ったホラー映画の古典。この美しさと恐ろしさが同居する不死身の怪作に、山本精一がどんな音を付けるのか? そしてそのとき、映画はどのように見えるのか? 乞うご期待。

ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ~ア・トライブ・コールド・クエストの旅~
6月3日(月)15:55~│6月4日(火)21:00~

2011年 / アメリカ / 97分 / BD / 提供:トランスフォーマー / 監督:マイケル・ラパポート

昨年のビースティに続く爆音ヒップホップ第2 弾。ヒップホップ界の革命児、ア・トライブ・コールド・クエストがたどった冒険の軌跡に迫るドキュメンタリー。ビースティとはまた違うジャジィなグルーブは、ビール片手に体感すればよりドープさが増すかも?

スキャナーズ[リストア版] 6月6日(木)14:10~│6月7日(金)18:50~

1981年 / カナダ / 103分 / BD / 提供:コムストック・グループ / 監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:スティーヴン・ラック,ジェニファー・オニール

超能力者たちの死闘を描き、80年代以降のSF映画に多大な影響を与えたクローネンバーグの出世作。見どころは何と言っても顔面爆破。しかし、そこに至るまでのアンビエントなドローン音と鋭利なストリングスによる厭らしいほどのジラしのテクこそ、クローネンバーグの真骨頂かもしれない。

千年女優 6月1日(土)11:20~│6月4日(火)17:10~

2001年 / 日本 / 87分 / 35mm / 提供:クロックワークス / 監督:今 敏
音楽:平沢進 声の出演:荘司美代子,小山茉美,折笠富美子

かつて一世を風靡した女優が語る半生。それは彼女が出演した映画の世界と混じり合い、やがて日本史を貫く一途な愛が浮かび上がる。そんな途方もない物語を彩る、往年の映画音楽を現代にアップグレードしたような平沢進の音楽が心地よい感動へと見る者を誘う。

ラルジャン 6月6日(木)21:10~

1983年 / フランス,スイス / 85分 / 35mm / 提供:紀伊國屋書店,マーメイドフィルム
監督:ロベール・ブレッソン 出演:クリスチャン・パティ,カロリーヌ・ラング

受難劇。世界も、登場人物の表情も、音響も、すべてが渇き切っているという意味では、これほどハードボイルドな映画もないだろう。犬の吠え声ひとつですべてを語ってしまうラストシーンの演出の渇きぶりには唖然とする。音数の少ないこの映画が爆音でいかに変容するのか、楽しみは尽きない。

4:44 地球最期の日 6月4日(火)19:05~│6月7日(金)12:00~

2011年 / アメリカ,スイス,フランス / 82分 / BD / 提供:コムストック・グループ
監督:アベル・フェラーラ 出演:ウィレム・デフォー,シャニン・リー,ポール・ヒップ

地球が終わると知らされた日、人々はなす術もなく待つしかない。そんな話は巷に溢れているが、その終わりをファウンド・フッテージの切り貼りだけで描いてしまう話はそうない。監督の認識では地球はとっくのとうに終わっているということだろうか? これはその「終わり」の後へ向けての物語。

ゴダールのリア王 6月1日(土)16:50~│6月5日(水)14:00~

1987年 / アメリカ / 91分 / 35mm / 提供:boid / 監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ピーター・セラーズ,バージェス・メレディス,モリー・リングウォルド,ウディ・アレン

シェイクスピア5世が、先祖による『リア王』とそっくりな光景を目撃したことから始まる奇想天外な旅の物語。彼が森の奥で出会う、ゴダール演じるマッドサイエンティストが発明した「映画」の姿は戦慄するしかない。「イマージュは魂の純粋な創造物である」。

Playback 6月5日(水)16:00~

2012年 / 日本 / 113分 / 35mm / 提供:PIGDOM / 監督:三宅唱
主題歌:大橋トリオ 出演:村上淳,渋川清彦,三浦誠己,菅田俊,渡辺真起子

40歳を手前にして、人生に行き詰まりを感じる俳優の男が体験する一風変わった時間旅行。いくつもの時間が訪れて、寄せては返す波のように、ちょっとずつ変化しながら反復する時空の上を男がスケボーで滑走するとき、誰もがこれは日本初の「丘サーフィン映画」なのだと確信するだろう。

カリフォルニア・ドールズ 6月7日(金)16:25~

1981年 / アメリカ / 113分 / 35mm / 提供:boid / 監督:ロバート・アルドリッチ
出演:ピーター・フォーク,ヴィッキー・フレデリック,ローレン・ランドン,バート・ヤング

女子プロ・タッグ「ドールズ」たちの旅は、生きることの陰りと輝きに満ちている。どこにでもいる誰かが特別な存在となる、そんな輝ける一瞬の永遠がスクリーンを満たす。物語の最後に置かれたルール無視プロレスシーンは圧巻。爆音だけがそのコントロール不能な力を再現可能だ。

フルスタリョフ、車を! 6月5日(水)18:20~

1998 年 / ロシア,フランス / 142分 / 35mm / 提供:パンドラ / 監督:アレクセイ・ゲルマン
出演:ユーリー・アレクセーヴィチ・ツリロ,ニーナ・ルスラーノワ,ミーシャ・デメンティエフ

スターリン政権下のソビエトで、時代に翻弄された脳外科医一家の数奇な運命を描く…のだが、真面目一辺倒な話を期待するのは間違い。全編に溢れるあらゆる物音への偏執ぶりは、物語の深刻さを嘲笑うかのようだ。瀕死のスターリンの放屁の音は必聴。

わたしたちの宣戦布告 6月3日(月)13:45~│6月5日(水)11:50~

2011年 / フランス / 100 分 / DCP / 提供:アップリンク / 監督:ヴァレリー・ドンゼッリ
出演:ヴァレリー・ドンゼッリ,ジェレミー・エルカイム,セザール・デセック

ロメオとジュリエットが出会い、子供を授かる。名前はアダム。本気なのか冗談なのかはわからない。しかし、難病を患うアダムが病院で治療している間、不意をついて疾走するジュリエットはどう見ても本気。そこにエレクトロを流してしまうセンスにグッとくる。絶妙の音楽と編集センス。

Virginia/ヴァージニア 6月2日(日)14:25~│6月3日(月)18:00~

2011年 / アメリカ / 90 分 / 35mm / 提供:カルチュア・パブリッシャーズ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:ヴァル・キルマー,ブルース・ダーン,エル・ファニング ナレーション:トム・ウェイツ

三文小説家が奇妙な町に迷い込む。時計ごとに示す時間が違うのだから、そこではひとつの空間に複数の時間が流れ込んでいるのだろう。だからなのかそこに響く声や物音は、数々の時間の層を作っていく。いつその音は発せられたのか。時間の層を巡る旅が始まる。

We can’t go home again 6月2日(日)21:00~

1973年~2011年 / アメリカ / 93分 / BD / 提供:boid / 製作・監督・脚本・出演:ニコラス・レイ
脚本:スーザン・レイ 出演:トム・ファレル,リチー・ボック

N・レイの最後の長編。大学に招かれたレイが、学生たちと映画をつくる様子と撮影された作品とが、モザイク状にコラージュされる。スクリーンを飛び交う映像と音響の破片は、観るという行為を圧倒的な体験へと変える。万華鏡のような目眩く「教育」映画。

動くル・デルニエ・クリ(仮) 6月6日(木)18:40~

南フランスのワイルドな港町マルセイユを拠点とし、この世のありとあらゆる下品と禁忌がこれでもかとぶち込まれた超強力な 印刷物(シルクスクリーン刷りのアートブックやポスターなど)を世界中にばらまき続けている出版芸術家パキート・ボリノ。彼が主宰するアトリエ兼印刷所兼アーティストグループ「ル・デルニエ・クリ」が今年活動20周年の節目を迎えている。6月中旬には日本でのエキシビジョンも予定している彼らがこれまでにてがけた映像作品を特集するプログラムを、わざわざ6月6日午後6時頃に爆音上映。 詳細は当HPや単独チラシ等で追ってお知らせします。

DEMONLOVER デーモンラヴァー 6月7日(金)21:00~

2002年 / フランス / 120 分 / 35mm / 提供:東北新社 / 監督:オリヴィエ・アサイヤス
音楽:ソニック・ユース 出演:コニー・ニールセン,シャルル・ベルラン,クロエ・セヴィニー

産業スパイの女がリアルとヴァーチャルの間隙に墜落する様をスタイリッシュに描く。音楽を手掛けるのはソニック・ユース。物語のカオスのうねりを加速させるダークでノイジィな楽曲はもちろんのこと、彼らが楽器で鳴らしているという雑踏などの環境音も注目。

CREDIT
主催:爆音映画祭実行委員会 企画・制作:boid、吉祥寺バウスシアター
後援:武蔵野市 宣伝/お問い合わせ:VALERIA
©Bakuon Film Festival 2013 allrights reserved.

2013年5月31日(金)~6月8日(金)、
吉祥寺バウスシアターにて1週間限定開催!!

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2013/05/07/14:09 | トラックバック (0)
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