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連続講座「現代アートハウス入門
ネオクラシックをめぐる七夜」

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2021年1月30日(土)~2月5日(金) まで、
全国18のアートハウス(ミニシアター)にて開催

アートハウスへようこそ

連続講座「現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜」画像 1970年代から今日まで続く日本の〈アートハウス〉は、“ミニシアター”という呼称で親しまれ、世界中の良質な作品を観客に届けてきました。そして、多様な映画体験を提供することで、未来の映画作家だけでなく、様々な分野のクリエイターや研究者たちを育む文化的ビオトープとしての役割を担ってきました。しかし近年は、映画の鑑賞環境の多様化によって、〈アートハウス〉に一度も足を運んだことのない若者も多く、メインの観客層の高齢化が進んでいます。

コロナ禍では、こうした傾向が問題になる一方で、 「Save our local cinemas」「SAVE the CINEMA」「ミニシアター・エイド基金」「仮設の映画館」「ミニシアターパーク」 など、映画文化の救援を目的としたアクションが大きな社会的関心を集め、日本の〈アートハウス〉の存在に光をあてました。これを奇貨として、いまあらためて〈アートハウス〉の今日的な意義をともに考え、共有するための連続講座を開催します。

〈アートハウス〉の歴史を彩ってきた傑作を「ネオクラシック(新しい古典)」 と呼び、東京・ユーロスペースなど全国18の映画館で、7夜連続日替わりで、同時刻に上映。2000年以降にデビューした気鋭の映画作家を講師に迎え、レクチャーまたは専門領域の異なるゲストとのトーク形式で上映作品の魅力を語っていただきます。その模様をライブ中継で開催劇場のスクリーンに投影、全国の観客から質問を受け付け、これからの〈アートハウス〉が果たすべき役割と可能性についての知見を交換します。

参加監督&上映作品

◆参加監督(敬称略、五十音順)
小田香,小森はるか,想田和弘,濱口竜介,深田晃司,三宅唱,山下敦弘,横浜聡子

◆上映作品
チチカット・フォーリーズ』『ミツバチのささやき』『トラス・オス・モンテス』『山の焚火』『動くな、死ね、甦れ!』『阿賀に生きる

開催日&タイムテーブル

開催期間 1月30日(土)~2月5日(金)連日 16:50 開映
[東京都]ユーロスペース / [神奈川県]シネマ・ ジャック&ベティ / [大阪府]第七藝術劇場 / [大阪府]シネ・ヌーヴォ / [兵庫県]元町映画館 / [京都府]京都シネマ / [広島県]横川シネマ / [福岡県]KBC シネマ 1・ 2
開催期間 1月30日(土)~2月5日(金)連日 19:00 開映
[群馬県]シネマテーク たかさき
/ [宮城県]フォーラム仙台 / [長野県]長野相生座・ 長野ロキシー / [新潟県]新潟・市民映画館シネ・ウインド / [石川県]シネモンド ※2/3(水)休館 / [愛媛県]シネマルナティック / [大分県]シネマ 5 / [熊本県]Denkikan / [沖縄県]桜坂劇場 トーク、レクチャーは録画したものを上映します。
開催期間 2月6日(土)~2月12日(金)連日 16:30 開映
[愛知県]名古屋シネマテーク トーク、レクチャーは録画したものを上映します。

PROGRAM
第1夜 1月30日(土) 上映作品:『ミツバチのささやき』
原題:El espiritu de la colmena 1973 年(85 年日本初公開)|スペイン|99 分|カラー
監督:ビクトル・エリセ 撮影:ルイス・クアドラド 出演:アナ・トレント,イサベル・テリェリア

『ミツバチのささやき』画像© 2005 Video Mercury Films S.A.内戦終結直後の荒れ果てたスペイン、カスティーリャ高原の小さな村。移動巡回上映で見た「フランケンシュタイン」を精霊と信じた少女アナは、村はずれの廃屋で傷ついた一人の兵士と出会う……。アナを演じた当時 7 歳のアナ・トレントのイノセンスは、見る人の心をとらえてはなさない。名匠ビクトル・エリセの長編第一作にして、映画史に刻まれたあまりにも美しい傑作。
トーク:濱口竜介(映画監督) × 三宅唱(映画監督) × 三浦哲哉(映画研究者)
参加監督コメント
  • 映画館でのみ感知することができるような、映画の「ささやき」があります。それを殊更聞こえやすくすることはできませんが、一緒に耳を傾けようと誘うように話したいなと思ってます。 ――濱口竜介(映画監督)
  • 学生時代、これと決めた特集上映に日参してはその晩、映画日記をつけたり、友人と朝まで長話をした。そうやって何度も反芻したあの場面やあのカットに今でもふと救われたり、悩まされている。 ――三宅唱(映画監督)

第2夜 1月31日(日) 上映作品:『動くな、死ね、甦れ!』
原題:Замри, умри, воскресни! 1989 年(1995 年日本初公開)|ソ連|105 分|モノクロ
監督・脚本:ヴィターリー・カネフスキー 撮影:ウラジミール・ブリリャコフ 出演:パーヴェル・ナザーロフ,ディナーラ・ドルカーロワ,エレーナ・ポポワ

『動くな、死ね、甦れ!』画像© Lenfilm Studio第二次大戦直後のロシア。収容地帯と化した炭鉱町に暮らす少年ワレルカ。無垢な魂を持て余し、不良ぶっては度々騒動を起こす彼を、いつも守護天使のよう救ってくれる幼なじみの少女ガリーヤ。二人に芽生えた淡い想いは次第に呼応していくが、放校されたワレルカが町から逃げ出すと、運命は思わぬ方向へ……。54 歳の新人監督とレンフィルムが生んだ心揺さぶる映画の奇跡。
トーク:山下敦弘(映画監督) × 夏帆(女優)
参加監督コメント
  • 『動くな、死ね、甦れ!』をどう言葉で表したらいいのか現時点ではさっぱり分からないのですが、とにかく一人でも多くの人に観てもらい映画の持つ力を体感して欲しいです。 ――山下敦弘(映画作家)

第3夜 2月1日(月) 上映作品:『トラス・オス・モンテス』
原題:Tras-os-Montes 1976 年(2010 年日本初公開)|ポルトガル|111 分|カラー
監督:アントニオ・レイス,マルガリーダ・コルデイロ 撮影:アカシオ・ド・アルメイダ

『トラス・オス・モンテス』画像写真提供=コミュニティシネマセンターポルトガルを代表する現代詩人であり、マノエル・ド・オリヴェイラ監督『春の劇』の助監督を務めたアントニオ・レイスが、精神科医のマルガリーダ・コルデイロと手がけた初長篇。ポルトガル北東部ミランダ地方の生活の細部を記録した画面に、やがて夢幻的なイメージが横溢する。公開当時、フランスの批評家たちを驚嘆させ、後にペドロ・コスタ 監督にも影響を与えた伝説的フィルム。
トーク:小田香(映画作家) × 柳原孝敦(翻訳家)
参加監督コメント
  • 二十歳を過ぎてはじめてシネコン以外で映画を観た。大丈夫、世界にはまだ余白があった。このだるさからいつか抜け出し、もう少し遠くまで歩けるかもしれないと、スクリーンを見つめながら思った。 ――小田香(映画作家)

第4夜 2月2日(火) 上映作品:『緑の光線』
原題:Le Rayon vert 1986 年(1987 年日本初公開)|フランス|98 分|カラー
監督・脚本:エリック・ロメール 撮影:ソフィー・マンティニュー 出演:マリー・リヴィエール, リサ・エレディア

『緑の光線』画像© Les Films du Losange太陽が沈む瞬間に放たれる 緑の光線は幸運の印。オフィスで秘書として働くデルフィーヌは、ヴァカンスを前に胸をときめかせるが、現実は思うようにはいかない。ひたすら愛の訪れを信じて夏の光に彩られたフランスを北から南、東から西へと彷徨う彼女が最後に出会う奇跡とは……。 1986 年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞した巨匠エリック・ロメール「喜劇と格言」シリーズの一編。
レクチャー:深田晃司(映画監督)
参加監督コメント
  • 中学3年生のときにテレビで見た一本のヨーロッパ映画に衝撃を受けて自分の人生は激変しましたが、大人になりそれをミニシアターのスクリーンで見直したとき、その作品の真価をようやく知ることができました。画集に印刷された絵画と実物のそれが違うように、映画もまた映画館で見てこそ味わい尽くせるものだと思っています。 ――深田晃司(映画作家)

第5夜 2月3日(水) 上映作品:『山の焚火』
原題:Hohenfeuer 1985 年(1986 年日本初公開)|スイス|117 分|カラー
監督:フレディ・ M・ムーラー 撮影:ピオ・コラーディ 音楽:マリオ・ベレッタ 出演:トーマス・ノック,ヨハンナ・リーア

『山の焚火』画像下界から隔絶されたアルプスの山腹で自給自足の生活を送る 4 人家族。姉と両親の愛情を一身に受けて育った聾唖の弟が家を飛び出し、山小屋でひとり生活を始めると、やがて姉の妊娠が発覚し……。狂おしいほど雄大な自然の懐で紡がれる創世神話的な物語。“ヌーヴォー・シネマ・スイス”の旗手としてダニエル・シュミットらと並び称されるフレディ・M・ムーラーの伝説的傑作。
トーク:横浜聡子(映画監督) × カラテカ矢部太郎(芸人・漫画家)
参加監督コメント
  • いい映画をみた時、衝撃や刺激を受けるというより、息をするのが、生きるのがほんの少し楽になるという表し方が自分にとってはふさわしい。それは既にある理解や感覚を超えた世界をみせられたことに不安になるからではなく安堵するからに他ならない。 ――横浜聡子(映画監督)

第6夜 2月4日(木)上映作品:『阿賀に生きる』
1992 年(1992 年日本初公開)|日本|115 分|カラー
監督:佐藤真 撮影:小林茂 音楽:経麻朗

『阿賀に生きる』画像© 阿賀に生きる製作委員会日本海に注ぐ阿賀野川。その川筋に住み込んだ佐藤真ら7人のスタッフは、田植えを手伝い、酒を酌み交わしながら、阿賀で暮らす人々の生活を3 年間にわたり撮影した。新潟水俣病という社会的なテーマを根底に据えながらも、人間の命の賛歌をまるごとフィルムに写し、当時としては異例のドキュメンタリー映画のロードショー公開がシネ・ヴィヴァン・六本木で実現した。
トーク:小森はるか(映像作家)×清田麻衣子(里山社代表)
参加監督コメント
  • 何をどう撮ればいいのかわからなくなったとき、20年前につくられた一本の映画と出会い、背中を押されました。何年経っても現在を映し出す作品たちが、きっとこれから出会う人たちの未来を切り開いてくれるのだろうと思います。
    ――小森はるか(映像作家)

第7夜 2月5日(金)上映作品『チチカット・フォーリーズ』
原題:Titicut Follies 1967 年(1998 年日本初公開)|アメリカ|84 分|モノクロ
監督:フレデリック・ワイズマン 撮影:ジョン・マーシャル
『』画像写真提供=コミュニティシネマセンターマサチューセッツ州ブリッジウォーターにある精神異常犯罪者矯正施設の日常を克明に描き、収容者が、看守やソーシャル・ワーカー、心理学者たちにどのように扱われているかを浮き彫りにした本作は、完成一年後の 68 年から 91 年までの間、裁判所命令によって一般上映が禁じられていた。フレデリック・ワイズマンの監督デビュー作にして、アメリカン・シネマ・ヴェリテの金字塔。
レクチャー:想田和弘(映画作家)
参加監督コメント
  • 映画館の暗闇を一歩出たときに、世界の見え方が一変してしまう。アートハウスで、そういう体験を何度もしてきた。僕が映画作りで目指すのも、観客にそういう体験をしてもらうことである。 ――想田和弘(映画作家)

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2021年1月30日(土)~2月5日(金) まで、
全国18のアートハウス(ミニシアター)にて開催

2021/01/18/19:09 | トラックバック (0)
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