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「女神は二度微笑む」スジョイ・ゴーシュ監督

スジョイ・ゴーシュ監督
公式インタビュー
映画「女神は二度微笑む」について

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2015年2月21日(土)より、渋谷ユーロスペースほかにて全国順次公開

サスペンスやダンス要素なしという、これまでのインド映画のイメージを覆す作風が本国インドで高く評価された『女神は二度微笑む』でメガホンを取ったスジョイ・ゴーシュ監督の公式インタビューをお届けする。
STORY 2年前、毒ガスによる地下鉄無差別テロ事件で多くの犠牲者が出たコルカタの国際空港に、美しき妊婦ヴィディヤが降り立った。はるばるロンドンからやってきた彼女の目的は、一ヵ月前に行方不明になった夫のアルナブを捜すこと。しかし宿泊先にも勤務先にもアルナブがいたことを証明する記録は一切なく、ヴィディヤは途方に暮れてしまう。やがてアルナブに瓜ふたつの風貌を持つミラン・ダムジという危険人物の存在が浮上。それを知った国家情報局のエージェントが捜索に介入し、ヴィディヤへの協力者が何者かに殺害される緊迫の事態に発展していく。はたしてアルナブはミランと同一人物なのか、それとも人違いで何らかの陰謀に巻き込まれたのか。少々頼りなくも誠実な警察官ラナの協力を得て、なおも夫捜しに執念を燃やすヴィディヤは、2年前の無差別テロと結びつく驚愕の真相に迫っていくのだった……。
スジョイ・ゴーシュ監督――本作はコルカタが舞台となっていますが、コルカタを選んだ理由についてお聞かせ下さい。

ゴーシュ監督 私はコルカタで生まれ育ちました。その為この街のことについて熟知しています。私は以前からコルカタを舞台にした作品を作りたいと思っていましたので、この地を選びました。

――主演のヴィディヤー・バーランの存在感が素晴らしかったのですが、どのようにして彼女を主演に抜擢されたのでしょうか?

ゴーシュ監督 私はずっとヴィディヤー・バーランと一緒に仕事をしたいと思っていました。この映画の企画が浮かんだときに彼女にアイディアを伝え、それから彼女と相談しながらストーリーを作り上げていきました。 そしてこの役を演じる上で、彼女には多くを説明する必要はありませんでした。彼女は主人公のキャラクターについて私と同じくらい理解してくれていましたし、インドでも抜きんでた女優ですから、自分の役柄をしっかりと演じてくれたのです。

――インド映画でサスペンスというのは日本人にとって馴染みがなくとても新鮮で驚きました。この作品は監督のオリジナルのアイディアなのでしょうか?

ゴーシュ監督 はい、その通りです。このストーリーは私の中で、何年もかけてあたためてきたものです。最初の発想は、私の妻が最初の子どもを出産したときに、一晩で変わった彼女の姿を見たことがきっかけでした。前の夜まで知っていた彼女とは違う、別の誰かに一瞬で成長したのです。それは私にとって大変魅力的な光景でした。突然生まれた責任感、わが子を守ろうとする本能、無条件の愛。それがアイディアに結び付いたのです。
また、主人公のキャラクターについては私の母親がモデルなのです。母は無条件に愛を注ぎ、全力で私たちのことを守ってくれる人です。
母親というものは全く見知らぬ環境の中でどう反応するのか?どのようにして自分自身や自分の子供を守ろうとするのか?このアイディアをヴィディヤー・バーランに相談し、そこから作り上げていきました。

――インド映画というと歌って踊るイメージが強いのですが、なぜそのようにされなかったのでしょうか?

ゴーシュ監督 映画は絵画のようなもので、一つ一つの作品に違う色彩や形式が要求されるものです。この映画では、観客がヒロインと伴に彼女の旅や捜索に加わることが求められました。そのため今回は歌や踊りは入れずに、少々ドキュメンタリー的な感じも加えて撮影しました。

『女神は二度微笑む』『女神は二度微笑む』場面1――最近日本では、今までのボリウッド映画のイメージとは異なる多種多様なインド映画が公開されているのですが、今インド映画界は大きく変化しているのでしょうか?

ゴーシュ監督 確かにそうです。私は世界がどんどん小さくなっていると感じています。インドの観客も進化していて、より新しい題材を経験することに許容的になっています。彼らは要求が厳しくもあり、そのため私たち製作者は油断するわけにいきません。でもそれこそ進化そのものだという気がします。私たちは進歩するために常に変化する必要があるのです。

――巡査役ラナを演じたパラムブラト・チャテルジーも素晴らしかったです。どういう経緯で彼を抜擢されたのでしょうか?

ゴーシュ監督 彼はベンガル語圏の映画界で人気のある俳優です。そしてこの映画にとって、彼は命の恩人なのです。実は当初、このラナの役は他の俳優が演じるはずでしたが、直前で出演できなくなってしまいました。そのときチャテルジーはイギリスにいたのですが、彼に電話をして相談したところ翌日なんと帰って来てくれて、そのまま撮影に参加してもらうことができました。彼は本当に晴らしい俳優です。私は今でも、一晩で全てがうまく行ったことに驚いています。

――ハリウッドリメイクが決まったと聞きました。ハリウッドリメイクとされたことについてどのようにお考えですか?

ゴーシュ監督 私はハリウッドリメイクのプロジェクトには関わっていないのですが、とても嬉しく思っています。本作と同じような面白さをもった作品になったらと期待しています。

女神は二度微笑む 2012年/インド映画/カラー/123分/原題:KAHAANI/字幕:松岡環
監督:スジョイ・ゴーシュ 音楽:ヴィシャール=シェーカル
出演:ヴィディヤー・バーラン,パラムブラト・チャテルジー(ポロムブロト・チョットパッダエ),
ナワーズッディーン・シッディーキー
配給:ブロードウェイ 配給協力:コピアポア・フィルム
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2015年2月21日(土)より、Bunkamuraル・シネマ
ほかにて全国順次ロードショー

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2015/02/16/17:03 | トラックバック (0)
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