朝倉 加葉子監督 映画『女の子よ死体と踊れ』について【5/6】
2015年10月31日(土)よりシネマート新宿、11月14日(土)よりシネマート心斎橋、名古屋シネマスコーレ、12月5日(土)より仙台・桜井薬局セントラルホール、12月12日(土)より広島・横川シネマ、12月19日(土)より福岡・中洲大洋映画劇場ほか全国順次公開!
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――そんなに大変だったんですか。
朝倉 曇りでよかったなんていうのはその鉄塔がらみのところぐらいだと思います。あとは雨が降ったりとか、もうちょっと空の色も明るくていいんじゃないかと思っていましたし。雨は雨で画面に映らないぐらいの豪雨だったりして、音も機材もひどい状況の中、スタッフが死んじゃうんじゃないかという感じでやっていましたね。
――そうなんですか。じゃあゆるめるモ!のみなさんもつなぎの衣装で通されるのは寒かったでしょうね。
朝倉 そうですね。彼女たちにも寒い思いをさせてしまったと思います。
――ゆるめるモ!のみなさんは、初めての映画出演を体験してどんな感想をおっしゃっていましたか?
朝倉 彼女たちはどちらかというとカテゴリー的にはミュージシャンなので、日々レッスンとかしながらライブのある日はライブの前に集まってライブをやって帰る、みたいな日常じゃないですか。でも撮影の人たちは厳密に「何時何分集合、何分にシュートで」とか、かなり厳しいタイムスケジュールで動くので、そういう時間の流れ方を見て「みんなすごい忙しそうに働いてる!」っていう感じだったみたいですけど。変な話、社会勉強になったって思っているようです。
――かなり新鮮な体験だったんですね。映画にも興味を持ってくれたらまた面白い作品ができそうですよね。
朝倉 映画には「また出たい」って言っていましたね、一緒にインタビューを受けた限りでは。「ああ、そう思ってくれたんだ。よかったな」って思いました。
――ラスト・シーンのゆるめるモ!の歌もよかったですね。
朝倉 あれいいですよね……。あの曲が来てからまたさらに編集をし直したりもしましたね。聴きながら「最高だー」とか思いながら編集していました(笑)。シューゲイザーとかも好きですし、既存曲で使わせてもらったノー・ウェーブみたいなジャンルの曲も好きだったので、あの新曲を映画のために作ってもらえたのは嬉しかったですね。今でも本当に嬉しいです。
――曲も歌詞もすごく映画の世界観に合っていましたね。やっぱり脚本を見てもらったり現場に来てもらったりして作っていただいたんですか?
朝倉 ゆるめるモ!のプロデューサーの田家(大知)さんには、脚本と、編集が更新されるたびに映像も毎回見せていました。で、最後の曲に関しては私のほうから結構いろいろと田家さんに「こういう世界観でこういう曲にしたいんだ」というオーダーというかお願いをして、「じゃあシューゲイザーにしましょう」という提案をしてもらって。で、田家さんが私の話を咀嚼して、(作曲の)ハシダカズマさんと(作詞の)小林愛さんにそれぞれ依頼してくださったということだと思います。
――それで持ってきてもらった曲がそのままOKという感じだったんですか?
朝倉 もう大OKでしたよ。最初に小林愛さんの仮歌バージョンで曲がやってきたんですけど、「もう、これでいい!」と思いました(笑)。もちろんゆるめるモ!が歌ってくれたバージョンは本当に素晴らしいんですけど、まず最初に聴いたときのインパクトが強烈でした。
――その曲をバックにゆるめるモ!が踊る映像もまたよかったですね。広々とした屋上で気持ちよくて、でも風が強いのでなんだかちょっと不穏な感じもあって。
朝倉 そうですね。ゆるめるモ!がひとりぐらいいなくなっちゃうんじゃないかと思いましたけど……。風が強くて(苦笑)。本当に途中で点呼を取ろうかとか言っていたぐらいで。
監督・脚本:朝倉加葉子
主演:ゆるめるモ!〈もね、けちょん、しふぉん、ようなぴ、あの、ちーぼう〉
出演:松田優、原扶貴子、尾本卓也、国分崇、川連廣明、信國輝彦、古内啓子 音楽:ゲイリー芦屋
企画・制作:TRASH-UP!! 配給:日本出版販売 ©2015 YOU’LL MELT MORE ! Film Partners
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