岩瀬 亮 (俳優) 映画『ひと夏のファンタジア』について【3/6】
2016年6月25日(土)よりユーロスペース(東京)にてレイトショー、
7月2日(土)よりシネ・ヌーヴォ(大阪)、シネマスコーレ(名古屋)、
7月9日(土)より横浜シネマリン(神奈川)にてロードショー!
以降、全国順次公開予定(群馬・シネマテークたかさき他)
公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)
撮影中のチャン・ゴンジェ監督――キスシーンにすごくドキドキしました。
岩瀬 ドキドキしましたね……。あのシーンでは、チャン監督はセビョクと僕に違うディレクションをしていて、セビョクには僕がキスすることを伝えていなかったんです。「どこでキスしようか? どこで止めようか?」とすごく緊張しました。この日は雨が降っていて、バーッと降っては止む、の繰り返しのような降り方で、撮影ができるかどうかギリギリまで分からなかったんです。「もう今日は撮らないんじゃないか?」と思っていたら「行ける行ける!」と撮影に入っていったので、それも相まって緊張した覚えがありますね。
――セビョクさんは驚かれたと思いますけど、お芝居を続けているのが素晴らしいですね。
岩瀬 カッコイイですね。
――ヘジョンの心理としてもすごく葛藤があるわけですよね。このあと二人がどうなるのか、いろいろ考えてしまいます。ヘジョンはどんな想いで花火を見ていたのかな、とか。きっと少しは友助のことが好きでしたよね……。
岩瀬 どうでしょう(笑)? ヘジョンが最後に花火を見ているシーンは、あそこだけ順撮りではなくて、第2章を撮り始める前に撮っているんですよ。あの表情がすごくいい。不思議な表情になっていますね。
――そうなんですか。どんな撮影になっていくのかまったく知らないときの表情なんですね。
岩瀬 そうです。それがハマっているという。
――俳優さんの素晴らしさと、それを信頼するチャン監督の演出力から生まれた奇跡のような映画だと思います。自分の感情をさらしてしまうようなお芝居をするのは大変だったと思いますが。
岩瀬 でも自分じゃないキャラクターを無理やり作ろうとするよりも、意外とやりやすかったりする部分はあるのかなという気はしますね。
――印象に残っているシーンはどこですか?
岩瀬 第2章の終盤の、バーでヘジョンと二人で話すシーンは、撮影前に監督と俳優と3人で「どうしようか?」とかなり相談をした上でやったシーンなので、思い入れがありますね。
――そこで会話する内容について話し合ったんですか?
岩瀬 そうです、どういう話をするかとか。撮影のセッティングは完全にできていてスタッフはみんな待っているんですけど、3人で「どうしよう?」って話を延々としていて。
――ああ、それがチャン監督の演出の特徴のようですよね。俳優さんに指示をするというより、俳優さんにどう演じたいかを訊いて一緒に考えるので、日本のスタッフは最初それに戸惑っていたとか。
岩瀬 それはあったかもしれないですね、最初のうちは。でもだんだんみんなで「そうやって作っていこう」というふうになっていって、バーのシーンでも納得がいくまで話し合えました。
――チャン監督から演出を受けるのはいかがでしたか?
岩瀬 チャン監督が考えていることと僕が考えていることと、もちろん100%一緒ではないですけど、重なり合う部分はあるからそこで分かり合えるなという気はしていて。彼が求めたことが、割とすんなりと理解できることのほうが多かったですね。
監督・脚本:チャン・ゴンジェ プロデューサー:河瀨 直美、チャン・ゴンジェ
出演:キム・セビョク、岩瀬 亮、イム・ヒョングク、康 すおん
製作:NPO法人なら国際映画祭実行委員会・MOCUSHURA
配給:「ひと夏のファンタジア」プロジェクト2014-2016 © Nara International Film Festival+MOCUSHURA
公式サイト 公式twitter 公式Facebook