映画祭情報&レポート

第13回 ラテンビート映画祭

公式サイト

東京・新宿バルト9:10月7日(金)~10日(月・祝)・14日(金)~16日(日)
大阪・梅田ブルク7:10月22日(土)・23日(日)
横浜・横浜ブルク13:11月12日(土)・13日(日)にて開催

第13回ラテンビート映画祭

秋の定番映画祭の一つに数えられる「ラテンビート映画祭」
13回目となる今回は、2016年のヴェネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞した『名誉市民』、2016年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に初選出された『盲目のキリスト』、2015年のゴヤ賞で最多10部門を受賞したスリラー『マーシュランド』のアルベルト・ロドリゲス監督の最新作『スモーク・アンド・ミラーズ』、ドキュメンタリー界の巨匠フレデリック・ワイズマン監督の新作『ジャクソン・ハイツ』、2015年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、2017年のアカデミー賞外国語映画部門ベネズエラ代表に選ばれたほか、先日開催されたレインボー・リール東京(旧LGBT映画祭)でも大きな話題を呼んだ『彼方から』、2016年のアカデミー賞外国語映画部門アイルランド代表に選出された『VIVA』、2015年のベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞を受賞し、2016年のアカデミー賞外国語映画部門メキシコ代表にも選出された『600 マイルズ』など、ラテン諸国の映画やラテン諸国の人や文化を題材にした映画の中から選りすぐりの注目作・全11本が上映される。
また、恒例の豪華来日ゲストとのQ&Aが行われるほか、新企画として小説の朗読劇「ドラマティック・リーディング」も開催される。この朗読劇では、ノーベル賞作家のガルシア=マルケスと同じコロンビア出身で、南米新世代作家として注目されているアンドレス・フェリペ・ソラーノが自ら戯曲化した短編小説『WHITE FLAMINGO』を日本人俳優たちが朗読する。南米の香り漂う小説世界を、映画とはまた違ったアプローチで表現するこの新企画にも是非注目していただきたい。

前売りチケットは、1回券(日時作品指定券)通常作品 1,500 円、回数券(日時作品未指定/5枚綴り ※枚数限定販売)6,000 円が、開催各劇場の窓口で発売中。また、オンライン予約システムKINEZO、オンラインチケット予約 KINEZO スマートフォン用アプリ「キネパス」でも予約可能なので、気になる作品がある方は早めに席をキープしておこう。

公式サイト

東京・新宿バルト9:10月7日(金)~10日(月・祝)・14日(金)~16日(日)
大阪・梅田ブルク7:10月22日(土)・23日(日)
横浜・横浜ブルク13:11月12日(土)・13日(日)にて開催

上映作品紹介

名誉市民/El Ciudadano Ilustre(原題)
コメディ/アルゼンチン・スペイン/120分/東京国際映画祭共催
名誉市民 監督:マリアノ・コーン、ガストン・ドゥプラット/
出演:オスカル・マルティネス、ノラ・ナバス

世界的な成功をおさめた作家ダニエル・マントバーニは、生まれ故郷であるアルゼンチンの町サラスから「名誉市民」としての招待を受け、40年ぶりにヨーロッパから帰国する。彼の小説はサラスでの思い出から着想を得たものも多く、故郷の人々から盛大に歓迎される。幼なじみや昔の恋人とも再会しご満悦のダニエルだったが、まもなく手痛いしっぺ返しを食らうことに…。『ル・コルビュジエの家』の監督コンビが放つ異色のブラック・コメディ。2016年のヴェネチア国際映画祭では主演のオスカル・マルティネスが男優賞を受賞した。

盲目のキリスト/El Cristo ciego(原題)/2016年/ドラマ/チリ・フランス/85分
監督:クリストファー・マーレイ/出演:ミカエル・シルバ、バスティアン・イノストロサ、アナ・マリア・エンリケス

舞台はチリ北部の砂漠地帯。貧しい村で工員として働く30歳のラファエルは、酒びたりの父の世話をしながらひっそりと暮らしている。ある日、ラファエルは砂漠で神の啓示を受ける。最初は誰も彼の話に耳を貸さなかったが、ある出来事を機に周囲の態度が一変し、ラファエルを「キリストの再来」と崇めるようになる…。一人の男に宿った神秘的な力を通し、村の生活の過酷さを浮き彫りにしたドキュメンタリータッチの寓話。新鋭クリストファー・マーレイ監督は長編3作目で2016年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に初選出された。

KIKI ~愛のトライ&エラー~/KIKI, el amor se hace(原題)
2016年/コメディ/スペイン/102分
監督・出演:パコ・レオン/出演:アレックス・ガルシア、ナタリア・デ・モリーナ

倦怠気味のカップル、パコとアナ。愛だけでなく快楽も欲しい二人は、様々なプレイにトライしてみることに。タブーを冒しながらも彼らのセックス・ライフは変化を遂げ、解放的かつ刺激的な新たな境地に達する…。夏のマドリードを舞台に5組の男女の愛とセックスをコミカルに描いたオトナのラブコメディ。監督・主演を務めたパコ・レオン(『地中海式 人生のレシピ』出演)は2005年から2012年まで198話続いたTVドラマ『Aida』の主役として大ブレイク。スペインで最も注目されている人気俳優兼監督の一人である。

THE OLIVE TREE(英題)/El Olivo(原題)
2016年/ドラマ/スペイン/99分/配給:AT Entertainment
監督:イシアル・ボジャイン/出演:アナ・カスティージョ、ハビエル・グティエレス、ペップ・アンブロス

20歳のアルマは村の養鶏場で働いている。12年前、庭にあった樹齢2千年のオリーブの大木を、アルマの父親がわずかな金のために売り飛ばしたことをきっかけに、祖父は心を閉ざし、話すことも食べることもやめてしまっていた。祖父の切なる願いを感じ取ったアルマは、オリーブの木を取り戻そうとする。監督は『雨さえも』(LBFF2011出品)のイシアル・ボジャイン。 脚本はボジャイン監督の夫で、ケン・ローチ監督作品の脚本家としても知られるポール・ラバティ(カンヌ国際映画祭2016パルムドール受賞作『I, Daniel Blake』他)。

ウイークエンド・セーラー/The Weekend Sailor(原題)
2016年/ドキュメンタリー/メキシコ・カナダ/74分
監督:ベルナルド・アルスアガ/出演:サイモン・ル・ボン、ラモン・カルリン、エンリケ・カルリン

ヨットの世界一周レース「ウィットブレッド世界一周ヨットレース」(現ボルボ・オーシャン)がスタートした1973年。注目を浴びたのは実績のあるヨーロッパ勢ではなく無名のメキシコ人セーラー、ラモン・カルリンとその家族が乗ったSAYULAⅡ号だった。素人集団と蔑まれたSAYULAⅡは9カ月にも渡る航海で快進撃を続ける。当時のヨットマンの証言やリオデジャネイロの様子等を織り交ぜながらSAYULAⅡの夢の航海を追った海洋ドキュメンタリー。製作は『エリ』(LBFF2013出品)『静かな光』(LBFF2008出品)等の名プロデューサー、ハイミ・ロマンディア。ナレーターは80年代の洋楽シーンを席巻したデュラン・デュランのボーカル、サイモン・ル・ボン。ヨット愛好家でもあるル・ボンの品格のあるナレーションが映画に華を添える。

サルサとチャンプルー/2007年/ドキュメンタリー/日本/100分
サルサとチャンプルー 監督:波多野哲朗/出演:島津三一郎、宮沢カヲル、上間清

約80年前、沖縄からキューバへと渡った移民たちは、差別や戦争、革命を経験しながらも、現地の風土と融合しキューバに根を下ろした生活を営んでいる。スペイン・アフリカ・アメリカの文化が混合したキューバと、中国・日本・琉球、そして戦後のアメリカ占領下での文化が混ざりあった沖縄。複雑な歴史を持つ二つの島と関わり、時代に翻弄されながらもたくましく生き抜いた沖縄移民とその子孫の暮らしに迫っていく。沖縄民謡とサルサをミックスさせたオキナワンサルサバンドKACHIMBA1551の音楽も心地よいミュージカル・ドキュメンタリー。映画評論家として知られる東京造形大学名誉教授・波多野哲朗の初監督作品。出演者の島津三一郎さんはキューバへの日本人移民一世で最後の生存者。今夏、惜しまれながらも108歳で死去している。

スモーク・アンド・ミラーズ(原題)El hombre de las mil caras
2016年/スリラー/スペイン/123分/配給:ニューセレクト
監督:アルベルト・ロドリゲス/出演:エドゥアルド・フェルナンデス、カルロス・サントス

かつてスペイン政府管轄の秘密組織に属し、テロリストの捜査に当たっていた元スパイのフランシスコ・パエサは、政府の裏切りにより国外での生活を余儀なくされていた。やっとスペインに戻ってきたパエサの元へ、治安警察所長だったルイス・ロルダンが大金を手に現れ、驚くべき依頼をする…。1994年に実際に起こった元スパイのフランシスコ・パエサと悪徳官僚ルイス・ロルダンの詐欺事件をベースにした骨太の社会派サスペンス。2015年のゴヤ賞で最多10部門を受賞したスリラー『マーシュランド』のアルベルト・ロドリゲス監督の最新作である。

ジャクソン・ハイツ/In Jackson Heights(原題)
2015年/ドキュメンタリー/米国・フランス/189分/監督:フレデリック・ワイズマン

米国ニューヨークのクイーンズに位置するジャクソン・ハイツ地区は、中南米や南アジアからの移民が多く暮らす人種の坩堝だ。人々は母国の言語や文化を大切にしながら独自のコミュニティを形成している。またジャクソン・ハイツ地区には、移民だけでなくセクシャル・マイノリティの人々も多く暮らし、様々な活動を行っている。教会やモスク、コインランドリー、クラブなどに集うマイノリティの日常をやさしい視点でとらえたドキュメンタリー大作。監督は、世界的な業績を残した映画人に送られる米国アカデミー賞名誉賞の受賞が決定したドキュメンタリー界の巨匠フレデリック・ワイズマン

彼方から/Desde Allá(原題)/2015年/ドラマ/ベネズエラ・メキシコ/93分
監督:ロレンソ・ビガス/出演:アルフレド・カストロ、ルイス・シルバ、ヘリコ・モンティーリャ

カラカスで暮らす歯科技工士の中年男アルマンドは道端で好みの青年を見つけると、金を渡して自分の部屋に誘う日常を送っている。目的は買春ではなく、青年を鑑賞することに喜びを感じていた。ある日アルマンドは不良グループのリーダー、エルデルを部屋に誘う。この出会いをきっかけに二人の運命は大きく変わっていく…。非情と激情を併せ持つアルマンドを演じたアルフレド・カストロ(『ザ・クラブ』(LBFF2015出品))の圧倒的な存在感が光る。共同脚本はアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督作品『バベル』他を手がけた脚本家ギジェルモ・アリアガ。2015年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞、2017年のアカデミー賞外国語映画部門ベネズエラ代表に選ばれた話題作

VIVA』(原題)/2015年/ドラマ/キューバ、アイルランド/100分
VIVA 監督:パディ・ブレスナック/出演:エクトル・メディナ、ホルヘ・ペルゴリア、ルイス・アルベルト・ガルシア

ハバナで暮らす美しい青年ヘススは、ドラッグクイーンのオーディションを受け、ビバという芸名で女装をしてクラブのステージに立ち始める。そんな彼の元へ15年ぶりに父親が戻ってきた。暴力的な父親との共同生活に翻弄されるヘスス。クラブでの活動にも反対されるが…。主演は『キング・オブ・ハバナ』(LBFF2015出品)のエクトル・メディナ。名作『苺とチョコレート』でゲイの芸術家を演じ、鮮烈な印象を残したキューバの名優ホルヘ・ペルゴリアが脇を固める。監督はアイルランド人のパディ・ブレスナックが務め2016年のアカデミー賞外国語映画部門アイルランド代表に選出された。

600マイルズ/600 Millas(原題)/2015年/サスペンス/メキシコ・米国/85分
600マイルズ 監督:ガブリエル・リプステイン/出演:ティム・ロス、クリスティアン・フェレール、ノエ・エルナンデス

武器の密輸を生業にするメキシコ人青年アルヌルフォ・ルビオは彼を捕えようとしたATFエージェントのハリスを誘拐。アリゾナから600マイル先にあるメキシコの麻薬組織の本拠地まで長い旅に出る…。メキシコ人青年ルビオ役には『闇の列車、光の旅』のクリスティアン・フェレール。旅の道中、ルビオと心を通わせるハリスをティム・ロスが演じている。ガブリエル・リプステイン監督はメキシコを代表する名監督アルトゥーロ・リプステインの息子で、本作が監督デビューとなる。2015年のベルリン国際映画祭では最優秀新人作品賞受賞。2016年アカデミー賞外国語映画部門のメキシコ代表にも選出された。

公式サイト

東京・新宿バルト9:10月7日(金)~10日(月・祝)・14日(金)~16日(日)
大阪・梅田ブルク7:10月22日(土)・23日(日)
横浜・横浜ブルク13:11月12日(土)・13日(日)にて開催

2016/09/21/21:21 | トラックバック (0)
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