インタビュー
澤田正道監督/『人間爆弾「桜花」-特攻を命じた兵士の遺言-』

澤田 正道 (監督)
映画『人間爆弾「桜花」-特攻を命じた兵士の遺言-』について【1/3】

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10/1~名古屋シネマテーク、
11/26~青森・シネマディクト、
12/3~ 鹿児島・ガーデンズシネマ、
12/10~横浜シネマ・ジャック&ベティ、
1/28~千葉・キネマ旬報シアター、
大阪・第七藝術劇場、京都みなみ会館、兵庫・元町映画館、広島・横川シネマにて近日公開

こちらの父親は少年飛行兵で秋田の出身ながら奈良の日本空軍の飛行場基地で終戦をむかえた。終戦が後数日長引けば鹿児島の飛行場基地に行きアメリカの軍艦に特攻していたと父親はよく言っていた。「TOKYO!」の撮影現場に行ったときに知り合った澤田正道さんが特攻のドキュメンタリーを撮ったと知り、上記のようなこともありとても興味深く思いインタビューをさせていただいた。帰国前日に貴重な時間を割いていただいた澤田さんに感謝しています。(取材:わたなべりんたろう)
澤田 正道 1985年渡仏。1993年に映画製作会社 Comme des Cinemasをパリに設立。今村昇平監督 の「カンゾー先生」(98)の ヨーロッパ公開に関わったことがきっかけでプロデューサーとして活動。「アスファルト・タンゴ」「橋の下のぬるい水」「11'09''01/セプテンバー11」(今村昌平監督篇)「TOKYO!」「不完全なふたり」「ユキとニナ」「時折」「2つ目の窓」「岸辺の旅」「あん」「淵に立つ」など多数の映画のプロデュースを行い活躍している。
「人間爆弾『桜花』 特攻を命じた兵士の遺言」は長編監督デビュー作である。
作品内容 人間爆弾と言われた特攻兵器「桜花」の出撃隊員の選出にあたった元海軍大尉の林富士夫との対話から、日本人としての死生観、戦争の記憶を描き出したドキュメンタリー。多くの仲間たちを死へと送り出す中、自身は出撃することなく終戦を迎えた元海軍大尉の林冨士夫は部隊での1年半の記憶を語り継ぐことを自身に課した。その林さんのみをカメラが捉え、その息遣いや沈黙から、林さんの背負った記憶を映し出していく。第67回ロカルノ国際映画祭の新人監督賞スペシャル・メンション受賞作。
――本作の応援コメントにも書かせていただきましたが、こちらの父親は少年飛行兵で奈良の日本空軍の飛行場基地で終戦をむかえました。終戦が後数日長引けば鹿児島の飛行場基地に行きアメリカの軍艦に特攻していたと父親はよく言っていました。

澤田 そうなんですね。終戦の時、あなたの父親は何歳だったの?

――14才です。

澤田 それはかなり若いね。

――戦争中に海軍特別年少兵と言う制度ができて14歳から志願することができるようになりました。そのため多くの少年兵の犠牲を出しました。うちの父親は海軍ではなく空軍でしたが零戦などでの特攻はパイロット単身ですが大型機での特攻は観測員や射手として少年兵が参加したと言われています。奈良の飛行基地では零戦などがアメリカ軍に爆撃されて破壊されるとベニヤで飛行機のようなものを作って零戦などがあった同じ場所に並べていたと言っていました。

澤田 それは何のために?

――父親によると日本軍の見栄だそうです。すいません、こちらの父親の話ばかりになってしまいましたが澤田さんが今作を特攻のドキュメンタリーを撮ったことを知った時にはとても興味をもちましたが、今作を撮るきっかけは何だったのでしょうか?

澤田 ある友人がカミカゼ、つまり神風特攻隊を題材にした企画を持ってきた。澤田正道監督その経緯で僕が企画を考えて「THE WINDS OF GOD」で分隊長役をやった天田暦くんを通して林冨士夫さんを紹介されて日本に行ってお会いしたんです。すぐにこの人はすごいと気付いたんです。それから企画を考えて、監督を探し始めました。最初は「TOKYO!」で一緒に仕事したレオス・カラックスにしようかとも思ったんだけどカラックスは人の企画ではあまり動かないタイプだし、当時新進気鋭の監督で何か一緒にやろうと話していたベルトラン・ボネロ(「ポルノグラフ」「戦争について」「メゾン ある娼館の記録」「サンローラン」など)にこの企画を紹介したらボネロは「とても興味がある。まずは撮る前にその人に会ってみたい」と言ってきたんです。では一緒に日本に行こうとなり、林さんに連絡してインタビューの合意を得てボネロと日本で撮影を行いました。

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人間爆弾「桜花」-特攻を命じた兵士の遺言- (2014年/フランス/76分/DCP/5.1ch)
監督:澤田正道 出演:林冨士夫
取材:澤田正道、ベルトラン・ボネロ プロデューサー:澤田正道、アンヌ・ペルノー
ラインプロデューサー:天田暦(日本)、ローラン・アルジャニ(フランス)
撮影:ジョゼ・デエー チーフ助監督:古堅奎 録音:高田林 編集:渡辺純子、大木宏斗
音編集:アレクサンドル・エケール ミキシング:マチュー・ラングレ カラコレ:ニコラ・ペレ
挿入歌:ロベルト・シューマン「二人の擲弾兵」
特別協力:筑波海軍航空隊記念館 岩波書店(小林照幸著『父は、特攻を命じた兵士だった。』)
原題:PAROLE DE KAMIKAZE 配給・宣伝:太秦 © Comme des Cinemas
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10/1~名古屋シネマテーク、11/26~青森・シネマディクト、
12/3~ 鹿児島・ガーデンズシネマ、12/10~横浜シネマ・ジャック&ベティ、
1/28~千葉・キネマ旬報シアター、大阪・第七藝術劇場、京都みなみ会館、
兵庫・元町映画館、広島・横川シネマにて近日公開

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