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映画『リベリアの白い血』トークイベントレポート Part2/5
2、亀山亮(写真家)×福永壮志監督

『リベリアの白い血』亀山亮(写真家)×福永壮志監督8.16トークイベントレポート

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アップリンク渋谷にて大好評上映中!ほか全国順次公開

8月16日(水) 登壇者:亀山亮(写真家)、福永壮志監督【1/2】(取材:深谷直子)

亀山亮さんは、パレスチナや中南米、アフリカ諸国の紛争地を撮り続けるカメラマン。早くから写真に目覚め、高校生のときには成田空港の建設に反対する三里塚闘争の写真を撮っていたという。「自分で見なければ理解できない。ニュースなんて嘘じゃないですか。ベトナム戦争などの今よりももっと戦争をわしづかみにしたような強烈な写真に感銘を受けて自分も紛争地に行きたいと思い、実際に行くと自分がどんどん変わっていって。日本でウダウダ考えていたときと比べて肉体を動かして自分が変わっていく作業をしたくて」と、紛争地に行き続ける理由を語った。
一方福永監督は亀山さんの写真を見て「被写体との距離感が近くて、人との関係を築かなければ撮れない写真だ」と感じたという。そんな人懐っこさもある亀山さんとのトークは、内戦などリベリアの社会事情についてばかりではなく、本作に多方面から迫るとても充実したものとなった。

福永監督は「長編映画をいつか撮るなら、ずっとアメリカに住んでいる自分もそうである移民の話をやりたいと思っていた。社会的にハンディがある中で何かに向かって一生懸命生きている移民の方たちに勇気をもらっていたので、そういう姿を映画で描きたかった」と、本作を撮ることになった経緯を説明し、さらに「映画にも出てくるスタテン島のパークヒルという低所得者が住む地域に大きいリベリア人のコミュニティがあって、内戦中に難民として来た人もたくさん住んでいて。内戦の加害者と被害者が近所で暮らしていることもあって、その中で軋轢が生まれたりもします」とリサーチの中で知ったことを語ると、亀山さんは「加害者と被害者が一緒のコミュニティに住んでいるというのは今のリベリアも同じで、でもそれを許さないと暴力の連鎖になってしまう。戦争が終わったばかりのときはまだ混乱状態だったけれど、そういう日常が続いていくと本当に辛い。映画の主人公も、好きで兵隊になったわけではなく、誘拐されてどうしようもなかったのかもしれないし、残虐な行為も自分の身を守るためにしたのかもしれない。それは自分で選べないことで本当に辛い」と、戦争が人々にもたらす苦しみを思いやる。福永監督も「主人公のシスコももしかしたら被害者だったかもしれないというのは、僕の中でもそういう設定です。生きている中で、誤った選択をせざるを得なかったという設定だったんです」と語った。

亀山亮さん亀山亮さんまた、亀山さんが、映画の背景となる14年間にわたる内戦の前に、80年代にもリベリアでは内戦があり、産出されるダイヤモンドが軍の資金源となってずっと続いたということを語ると、福永監督も、映画に出てくるゴム会社、ファイアストンも内戦中に軍の資金源になっていたとつなげつつ、「それはそれで大企業と国との間で複雑なパワーバランスがあって、そういう負の連鎖だとか不公平さというのも作品の中の大きな部分として描いています。ただ、僕はかわいそうな映画は絶対作りたくなくて、そうは言っても僕はリベリア人ではないから気を付けないと偏見に満ちた作品になってしまうこともあると思って、それは本当に気を付けて、ハッピーエンドとは言えないですけど、それでも前に向かっていく人の姿を描こうとしていました」と映画で目指したものを語った。

福永監督のほうからも亀山さんに「求めているテーマや目指す写真はありますか?」と尋ねると、「アフリカなんかだと現場に行くまでがすごく大変で、ご存じだと思うけどいろいろ準備することがあって。行ったら考えるというよりは早く帰りたくなって、持っていったフィルムを夜中に何本残っているか数えて、『これ撮り終らないと帰れねえな』って(笑)。考えている余裕がないというか、ファッション写真みたいに考えて撮るものじゃないからね。現場で変わっていくし、ドキュメンタリーの場合は先入観を持つと危険だから。『戦争ダメ』とか、それはわかるけど、ダメなものをどういうふうに見せるかだとか、そういうところに腐心する」と、率直な言葉に揺るぎない姿勢をにじませて語った。

そんな亀山さんはさすがにインタビューにも長けていて、映画ライターなどからはなかなか出ない質問を次々に放ち、福永監督も新鮮に受け止め楽しみながら答えているようだった。以下いくつかをQ&A方式で紹介したい。

1 2

1 山本政志(映画監督) × 長谷井宏紀(映画監督)3 大西信満(俳優) × 蔦哲一朗(映画監督)
4 水道橋博士(お笑いタレント) × 松崎まこと(映画活動家)5 深田晃司(映画監督)

リベリアの白い血
(原題: Out of My Hand/2015年/米国/88分/リベリア語・英語/ビスタサイズ/5.1ch/カラー/DCP)
出演:ビショップ・ブレイ,ゼノビア・テイラー,デューク・マーフィー・デニス,
ロドニー・ロジャース・べックレー,ディヴィッド・ロバーツ,シェリー・モラド
監督:福永壮志 撮影:村上涼,オーウェン・ドノバン
音楽:タイヨンダイ・ブラクストン (元 BATTLES) 製作総指揮:ジョシュ・ウィック,マシュー・パーカー
製作:ドナリ・ブラクストン,マイク・フォックス 共同製作:早崎賢治,マーティー・ラング
脚本:福永壮志,ドナリ・ブラクストン 照明:ロイ・ノウリン,トム・チャベス 録音:マイク・ウルフ・シュナイダー 音響:アン・トルキネン,イーライ・コン 編集:ユージン・イー,福永壮志
美術:スティーブ・グリセ,イオアニス・ソコラキス 衣装:キャシディ・モシャー
配給・宣伝:ニコニコフィルム 協力:Uplink ,Normal Screen,松下印刷,蔦 哲一朗
後援:アフリカ日本協議会,アジア・アフリカ協会 © 2017 ニコニコフィルム

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アップリンク渋谷にて大好評上映中、10/6(金)まで!
10月20日まで大阪シネ・ヌーヴォ、10月7日より長野上田映劇、10月21日より北海道 浦河大黒座、苫小牧シネマトーラス、10月28日より青森松竹アムゼ、フォーラム福島、山口 市民シアター 萩ツインシネマ、11月11日よりイオンシネマ徳島、11月27日より広島 横川シネマ、11月下旬より岩手中央映画劇場、12月9日より広島 シネマ尾道 ほか全国順次公開

2017/09/14/18:41 | トラックバック (0)
深谷直子 ,NEWs
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