映画『リベリアの白い血』トークイベントレポート Part4/5
4、水道橋博士(お笑いタレント)× 松崎まこと(映画活動家)× 福永壮志監督
アップリンク渋谷にて大好評上映中!ほか全国順次公開
リベリア共和国のゴム農園で働くシスコは過酷な労働の中で家族を養っていた。仲間たちと共に労働環境の改善に立ち上がるが、状況は変わらない。そんな時シスコは従兄弟のマーヴィンからニューヨークでの生活のことを聞き、より良い生活のために愛する家族の元を離れ、自由の国アメリカへ単身で渡ることを決意する。NYのリベリア人コミュニティに身を置き、タクシードライバーとして働き出したシスコ。移民の現実を目の当たりにしながらも、都会の喧噪や多種多様な人々が住むこの地に少しずつ順応していく。しかし、元兵士のジェイコブとの予期せぬ再会により、リベリアでの忌々しい過去がシスコに蘇ってくるのだった……。
9月4日(月)
登壇者:水道橋博士(お笑いタレント)、松崎まこと(映画活動家)、福永壮志監督 【1/4】(取材:深谷直子)
水道橋博士お笑いタレントの水道橋博士をゲストに迎えたこの日のトーク。メールマガジン「水道橋博士のメルマ旬報」ほか文筆活動でも才能を発揮する博士は映画にも造詣が深く、ツイッターでいち早く『リベリアの白い血』を絶賛して鑑賞を呼び掛けていた。映画活動家の松崎まことさんが司会を務め、映画の見巧者たちならではの作品への食いつきぶりと、映画を支える立場からの熱意あふれるトークに会場は大いに盛り上がった。
水道橋博士は開口一番「どうしてこういう映画ができたんだろうってすごく驚きました」と感嘆。「日本人監督がリベリアで映画を撮ったということから意外で、映画って世界共通言語というのがもともとありながらも、こんなふうにでき上がる映画があるんだなって」と語ると、松崎さんも「去年の7月にSKIPシティ(国際Dシネマ映画祭)で上映されたときに観たんですけど、映画らしい映画を観たなという感じがしました。そもそも映画って、見たことも聞いたこともない世界に出会うものっていうのがあるじゃないですか。まさにそういう映画だなとすごく感心しました」と絶賛した。
水道橋博士がアフリカに興味を持ったのは、ベナン共和国出身で、ビートたけしさんの付き人もしていたタレントのゾマホンさんとの親交を通してとのこと。「たけしさんにはベナンで映画を作りたいと言っていた時期があって、そういう興味があって。この映画はそれで思い描いていたアフリカの気候とは違って曇天なんだなあって思いました」と言うと、福永監督は「雨期に差しかかっていて、雨で撮影できないことも多々あるぐらいで。時期的なものですね」と答え、さらにリベリアでの撮影期間は3週間だったと説明。博士が「アフリカで映画を撮るとしたら、天気だとかを狙うと思うんですけど」と投げかけると、福永監督は「普通に考えたらその時期に撮るのは避けるところなんですけど、僕のほうで準備をしていろいろまとまってきて今しか撮れないという切羽詰まった部分があったので、ここは今撮らなきゃいけないということで」と未知の国ならではの機動力が求められた体験を語った。
1 山本政志(映画監督) × 長谷井宏紀(映画監督)2 亀山亮(写真家)
3 大西信満(俳優) × 蔦哲一朗(映画監督)5 深田晃司(映画監督)
(原題: Out of My Hand/2015年/米国/88分/リベリア語・英語/ビスタサイズ/5.1ch/カラー/DCP)
出演:ビショップ・ブレイ,ゼノビア・テイラー,デューク・マーフィー・デニス,
ロドニー・ロジャース・べックレー,ディヴィッド・ロバーツ,シェリー・モラド
監督:福永壮志 撮影:村上涼,オーウェン・ドノバン
音楽:タイヨンダイ・ブラクストン (元 BATTLES) 製作総指揮:ジョシュ・ウィック,マシュー・パーカー
製作:ドナリ・ブラクストン,マイク・フォックス 共同製作:早崎賢治,マーティー・ラング
脚本:福永壮志,ドナリ・ブラクストン 照明:ロイ・ノウリン,トム・チャベス 録音:マイク・ウルフ・シュナイダー 音響:アン・トルキネン,イーライ・コン 編集:ユージン・イー,福永壮志
美術:スティーブ・グリセ,イオアニス・ソコラキス 衣装:キャシディ・モシャー
配給・宣伝:ニコニコフィルム 協力:Uplink ,Normal Screen,松下印刷,蔦 哲一朗
後援:アフリカ日本協議会,アジア・アフリカ協会 © 2017 ニコニコフィルム