映画『リアリティのダンス』
アレハンドロ・ホドロフスキー監督記者会見レポート

『リアリティのダンス』アレハンドロ・ホドロフスキー監督記者会見レポート

『ホドロフスキーのDUNE』2014年6月14日(土)より、
『リアリティのダンス』2014年7月12日(土)より、
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷アップリンクほか、全国順次公開


『リアリティのダンス』場面1『リアリティのダンス』場面2©photos Pascale Montandon-Jodorowskyホドロフスキー (通訳者に)もうひとつの質問は何でしたっけ? ああ、『フアン・ソロ』。私は『リアリティのダンス』で自分の人生を描く映画を作りました。それは心の治療のようなものでした。父親を赦し、息子たちとの関係を見直し、衣装を担当した妻とともに働き、個人的なアートを作りました。ですから次は個人的ではないアートを作り、またストーリーを語ります。その作品では本当に底辺の底辺にいるひとりの人間を描きます。ゴミ箱のようなところから人生が始まり、政治的なことや犯罪に巻き込まれながら生きていく、そしてそこで自分が人間であるということを見つけて、とても人間的な人生を送れるようになる。それがテーマです。なぜこれを撮ることにしたか。現代の文明というのは私たちを非人間的に、孤独にしています。私たちは誰も孤立を望んではおらず、また、産業が地球を壊していることに危機感を抱いています。私たちはみな人類を救済したいと思っており、それは生き残るための本能です。最底辺の人間を描くことで、その生き残るという感情が強く湧いてくると思うのです。映画ではアクションも使います。アメリカ人がよく使うアクションを。でも彼らのような中身がないものにはしません。彼らが描くアンチ・ヒーローは最後には汚れ役になりますが、どんなに汚れても人の存在というのは低くはないと思っています。私たちはみな崇高な意識を持っており、それを目覚めさせなければなりません。それで『フアン・ソロ』というコミックを作りました。フランスのアングレーム国際漫画祭で最優秀脚本賞を獲りました。観客に受け入れられる物語だと思います。映画化を実現させたいと思っています。23年かかっても(笑)。映画というのは自分だけで作れるものではなくプロデューサーも必要です。プロデューサーはとても臆病なのでみんなアートが嫌いなんです。彼らにとってアートは存在しておらず、ビジネスと産業だけが彼らの目的なのです。それではタバコの製造会社と同じだと思います。吸うとホッとできるけれど、吸うことによって死んでしまうようなものを作っている。中身のないものはタバコと同じように人を殺すと思います。何か問題を抱えているときに映画館に入り、観ながらその問題を忘れてまた同じように出てくる。そういうものではなく、私が作る映画は、観客が今まで見たことがない何かを発見してその何かと一緒に映画館から出てくる。希望だとかそんなものと一緒に。そういう映画を作りたいと思います。

――25年前にお会いしてインタビューをしたのですが、そのころはタロットの話はされなかったと思います。いつからタロットを始めたのですか? また、プロデューサーのアラン・クレインはビートルズを解散させた男として日本では知られていますが、彼との間に起こったことを教えてください。

アレハンドロ・ホドロフスキー監督4ホドロフスキー 20歳のときにタロットを始めました。今私は85歳ですから、もう65年間タロットの研究をしています。まるでヴァイオリンのようなものです。研究は一生続きます。映画の中にもタロットは出てきます。『リアリティのダンス』で私はカップを持っていますが、「カップの女王」というのはタロットの中の人物で、それは愛のカードです。また、ひとつの石でたくさんの魚を殺す場面も出てきます。1本の矢で森を全部燃やすことも可能です。ひとつの愛の視線で一生その人を燃やし続けることもできます。それは私と今の妻のパスカルの間で起こったことです(笑)。彼女を見たとき私の人生は変わりました。

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2014/05/02/20:04 | トラックバック (0)
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