ねぼけ
劇場公開に向けサポーター募集中!!
プロカメラマン・壱岐紀仁が私財を投じて初監督し、映画初出演となる入船亭扇遊師匠が劇中で鈴本演芸場での高座を披露するなどで注目を集めている映画『ねぼけ』の完成披露上映会が、4月5日(日)に東京明治神宮で行われる運びとなった。本作は、落語にも、恋人にも、自分の人生にも向き合えず、酒に逃げてばかりいるダメ人間・三語郎の葛藤を描いた人間ドラマ。今回催される試写会は、先日成功裏に終了した配給宣伝費の支援を募るクラウドファンディングの特典の一つであり、一般には公開されない。とはいえ、今後の予定としては映画祭への出品を模索したり宣伝イベントを行ったりと、作品の知名度向上を図りつつ2016年の全国公開を目指していきたいという。今回のクラウドファンディングは終了しているが、引き続き映画『ねぼけ』の公開に向けた支援を募っているので、活動を応援したい人は公式ページや公式TWITTER、公式FACEBOOKにアクセスしてほしい。
三語郎(友部 康志)は、いつも酒を呑んでいる。落語にも、恋人の真海(村上 真希)にも、自分の人生にも向き合えず、酒に逃げては金を磨り減らす日々。
一方、真海はそんな正面を切れない三語郎に、言葉では説明できない想いを感じていて、決して見捨てることなく、自らが働きに出ながら彼を懸命に支える。二人はまだ籍を入れていない。真海は内心籍を入れたいと願っているが、三語郎はそれを痛いほど分かりながら避けている。
三語郎の兄弟子、清蔵(吉田 智則)は、自分は三語郎よりも腕も、落語に対する姿勢も上だと思っているのだが、師匠である点雲(つくも/入船亭 扇遊)は、三語郎ばかりを気にかけて、まるで稽古をつけてくれず、何故なんだと嫉妬にも似た感情を抱いていた。しかし師匠である点雲は、三語郎の本質を見抜いていた。点雲自身も大酒呑みで苦労した過去がある。できるやつは盗めばいい。出来ないやつだから教えるんだ、と、清蔵に言い聞かせる。
三語郎が大事にしている根多(ネタ)がある。落語の神様「古今亭志ん生」が十八番にした"替わり目”という根多である。志ん生もまた、大酒呑みで妻に苦労をかけた経験を持つ。三語郎は、志ん生の生き様に憧れ、一人稽古を重ねていた。
そんなある日、三語郎は一人の女性に出逢う。弟分の小万亀(秋山 勇次)が自慢気に紹介した新しい彼女、砂織(大竹 佳那)である。イマドキの可愛い砂織の甘い言葉に、三語郎はコロッと調子に乗ってしまい、やがて、ズルズルと三角関係に……。そして、砂織の秘めた心の傷に触れてしまったことで、三語郎の日常は泥沼に陥り、物語はねじれ始める――。
五代目志ん生が十八番とした人情噺「替り目」
酒に溺れた人の哀しみを、入船亭扇遊が鈴本演芸場で魅せる。
志ん生が人情噺に「改作」した「替り目」。昭和に入り、五代目古今亭志ん生が十八番にしました。志ん生は元々あった噺の後半をカットし、おでんを買いに行った妻を「こんなダメな奴にほれてくれるのはあいつぐらいなんだ、有難い」と酔いに任せて言ったところをその妻に見られてバツが悪い、というような筋に改作、ほほえましい夫婦の機微を見せて結びました。
今ではこれがスタンダードになり、人情噺として定着、独特の味わいを持つに至っています。
劇中、扇遊師匠がぶつ「替り目」は、実は扇遊の持ちネタではありません。この映画のために台本を覚え、一席ぶって頂きました。しかしそこは名人、ため息ものの完成度です。師匠の「替り目」、落語通の間では話題になることでしょう。
落語の殿堂、鈴本演芸場にて高座シーンロケを敢行!
鈴本演芸場は1857年、江戸の安政四年より続く日本でも歴史のある寄席です。今回、入船亭扇遊師匠が出演するなら、と、六代目席亭の鈴木寧さんの粋な計らいで、撮影を行うことが出来ました。いわば、扇遊師匠との友情が作りあげた名シーンというわけです。
物語の重要なモチーフ、神話の海と信仰の舞、
宮崎県新富町に伝わる「新田神楽」を映画初取材!
神楽は新富町の新田神社を中心に伝わる民俗芸能で、新富町無形文化財に指定されています。宮崎県中央東部春神楽の代表的昼神楽でもあります。神楽舞は三十三番あり、最も人気があるものに「八岐の大蛇」伝説に基づいた神楽、通称「蛇切り」です。
これは真剣を手に舞う勇壮なもので、太さ30cmの大蛇に見立てたワラ綱をバッサリと切る場面はこの神楽のクライマックスです。各地で奉納され、町文化祭などでも公開されています。
今回新富町と新田神楽保存会の全面協力を頂き、太々神楽のカメラ取材と、壱岐監督がどうしても撮りたかった神話の海での舞が特別に実現しました。
宮崎県新富町から2名が出演。その演技も見所です。
宮普一(みやひろかず)役/緒方利幸(おがたとしゆき)
新田神楽保存会代表。劇中の神楽の舞手でもあります。新田神楽の継承と、その活動を通じて社会に馴染めない子供たちのコミュニティ復帰を手助けしている。
子供時代の真海役/椎井蘭(しいらん)
今回新富町で広くオーディションを行い、その目の輝きを壱岐監督が見出した。ダンス大好きな元気いっぱいの小学生。
主演の友部康志をはじめ、つかこうへい門下出身役者陣が多数出演!
落語界のベテラン、入船亭扇遊が監督のラブコールに答え、映画初出演!
仙栄亭三語郎役/友部 康志(ともべ やすし)
J.CLIP所属。1997年、劇作家でもあり、演出家でもあるつかこうへい氏の主宰する北区つかこうへい劇団に入団する。劇団在籍中は役者だけではなく、北区つかこうへい劇団のあらゆる仕事を行う事務局長を務める。2005年末、役者・友部康志として幅広く活躍するため、北区つかこうへい劇団を退団。現在に至る。大げさすぎない存在感をもち、物語にピリッと刺激を与える役者でありたいと考える。感情の機微を大切に、生活する人々の感情を表す芝居をしたいと考える。出演歴:映画「CUT」、映画「星になった少年」
真海役/村上 真希(むらかみ まき)
祖父・父・叔父が画家という美術一家に生まれる。19歳の時スカウトでモデルとして活動を開始。数々のCF・雑誌・企業広告・カタログ・ショーなどで活躍。25歳の主演舞台で演技のキャリアをスタートさせる。『日本伝統工芸』『職人』『ものづくり』をこよなく愛する女優・モデル
【映画】2011『寝てくれる女』中村貴一朗監督 主演 女役 2012『シーソー seesaw』完山京洪監督 主演 マコト役 2013『すず』(富山県高岡) 菱川勢一監督 主演 すず役 2014『恋の手本』(福井県鯖江) 高野充晃監督 主演 私役
仙栄亭点雲役/入船亭扇遊 師匠(いりふねてい せんゆう)
1972年(昭和47年)11月:9代目入船亭扇橋に入門、前座名扇ぽう。1977年(昭和52年)3月:二つ目昇進で、初代扇好襲名。(名乗った当時は初代ではなく一門の入船亭扇好が2代目としている為こちらが初代になる。)1978年(昭和53年):古今亭朝太(現・志ん輔)と朝太・扇好の会をはじめる。志ん輔・扇遊の会を合わせ、30年におよぶ二人会である。永六輔が元浅草・最尊寺で開いている永住亭も、第1回以来この二人がレギュラーだった時期が長い。1983年(昭和58年):NHK新人落語コンクール優秀賞受賞。1985年(昭和60年)9月:真打昇進。1992年(平成4年):文化庁芸術祭賞受賞。
監督・脚本・撮影:壱岐紀仁
出演:友部康志,村上真希,入船亭扇遊,大竹佳那,吉田智則,秋山勇次,代田正彦,
時津真人,五十嵐和弘,もりのめぐみ,市原叶晤
音楽:織田祐亮 主題歌:イノトモ『イトナミ』
© 映画「ねぼけ」製作委員会
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