中村 達也 (俳優・ドラマー) 映画『野火』について【7/8】
2015年7月25日(土)より、ユーロスペースほか全国公開
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――ああ、そうなんですか。そういうせめぎ合いがあって。
中村 でも結局今回の忠さんとのは「爆激上映」で「轟音ライブ」だから、みんなぶつかり合いが見たいんじゃないかっていうことになって、そのときの衝動というか爆発力でやりましょうって。
――もちろんそれを期待しています。今までのリハのこともちょっと忘れて、また新しい気分でセッションできたらいいですね。
中村 うん、まあお客さんはそこで初めて見るわけだから、どっちでも受け入れるしかないけどね(笑)。その場まかせのセッションは自分は気持ちいいし興奮するけど、音楽好きの人からしたら「またこれか」って思うかもしれない。音楽として整えるためにはそういう人を圧倒するようなものを作っていかなければいけないんだけど、1日のイベントはそういうふうにはしない。
――はい、上映と合わせて、すごい体験ができそうですね。
中村 映画の追い打ちをかけるように(笑)。あれ、ライブのあとに上映だっけ?
宣伝担当 はい、上映があとです。トーク、ライブ、上映の順番です。
――え、ライブが先でそれから上映ですか?
中村 すごいねそれまた。じゃあ映画が結構ホッとして観れるかも(笑)。
宣伝担当 ライブでワーッとアツくなって、そして映画で青ざめてもらおうと(笑)。しかも、立ち見なので相当過酷だと思います。
中村 それはしんどいなあ。吐くな(笑)。
――や~、忘れられない体験になりますね。覚悟をして出かけます! では映画の話に戻って、達也さんはこの映画を観たときに、自分の演技とかは置いといて、どんなことを思いましたか?
中村 ははは。どう思ったんだっけなあ? 試写で観て、ドキドキハラハラしたんだけど、終わってからそれについてのスピーチがあって。リリー(・フランキー)さんは「痛快な映画になった」っていうことを言っていて。「いまどきこんな映画を作ろうと思う人は誰もいませんよね」と。
――そうですよね、これを自主で撮ってしまったんですもんね。
中村 うん、俺はそれを聞いて「ああ、なるほど」って思って。俺はどっちかというと「これヒットするんかな」とそういう心配をしていたりして(苦笑)。で、中村優子さんが確か……、優子さんのおじいさまが戦争に行っていて、「戦争映画なんか大嫌いです。戦争にはヒーローはいないんです。だからそういう描き方をしていないこの映画だったら出ようと思いました」っていうことを言っていて。俺はまたそこで「ああ、そうなんだ」って(苦笑)。
――もうすべて新たに吸収していって(笑)。
中村 うん、そんな感じ(笑)。
原作:大岡昇平「野火」
出演:塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也 監督・脚本・編集・撮影・製作:塚本晋也
配給:海獣シアター © Shinya Tsukamoto/海獣シアター
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