内田伸輝(『ふゆの獣』『おだやかな日常』)最新作!
ぼくらの亡命
2017年6月24日(土)より、渋谷ユーロスペース ロードショー!
あらかじめ愛が抜け落ちてるらしいぼくらのDNA。
待ちうけてる切なく暴力的な遠吠えだらけの脱出不能な灰色世界がエンディング。でも、だから、愛がほしい。
2016年11月の東京フィルメックスで絶賛された『ぼくらの亡命』。10年『ふゆの獣』以来7年ぶり、完全自主制作で作りあげた本作の劇場公開にあたって、内田伸輝はあらたにサウンドを調整。Canon EOS 5D mark3による心を映しだす映像リアリズム、荒涼とした海辺を男と女が求めあう。ひとりにしないでよ――!愛と絶望の叫びがすべてを破壊する『ぼくらの亡命』。今という時代を生き延びようとするオルタナティヴ・ラブストーリーが誕生する!
構想3年・撮影1年・仕上1年をかけた本作の現場。スタッフ3人と、オーディションで選ばれた主演2人が中心。引きこもりのホームレス・昇に長い手足と特異な風貌の須森隆文、美人局の片棒をかつがされている樹冬に眼で語る櫻井亜衣。美しい肉体の名バイプレイヤー・松永大輔、NHK『シャキーン!』『貌斬り KAOKIRI』の若き演技派・森谷勇太のほか、自主映画界の優しいオヤジ・志戸晴一や内田組常連・高木公佑も出演。『ジョニーの休日』の新谷寛行が録音、音楽をイタリアのノイズデュオYamikuraeが担当し、共同プロデューサーとして『ふゆの獣』の日下部圭子。『ふゆの獣』の、斎藤文が撮影ほか8役、内田伸輝が監督ほか9役を担当。
内田伸輝監督 ステートメント
『14歳の少女と20歳の男が美人局(つつもたせ)で逮捕――。』この作品の発想は、ネットニュースで見たこんな記事からだった。やりくちは変われど、昔からある古典的な手口。カモとなった男と騙した女が手を組んだらどうなるのだろう?そこから恋愛が生まれるのだろうか?そんな所を探りつつ、物語を作り始めた。と同時に撮影に入る2015年は、太平洋戦争終戦から70年目にあたり、聞こえないくらいの足音で確実に近づいてくる気がする新たな戦争の空気を、描いてみたいと思った。戦争とは何かを考えた時、それに至る理由の一つに、領土、領海、領空の奪い合いが戦いの引き金になっていて、まるでそれは、「この島は我が国のものだ!」と主張する国が、「この女は俺のものだ!」と一人の女性をめぐり奪い合う男達の姿にも僕は思えた。恋愛、戦争、奪い合い……。『ぼくらの亡命』は恋愛映画の皮を被った戦争映画にしようと思い、撮影が始まった。
内田伸輝が撮り続けてきた「他者への依存」がテーマ。
東京郊外の森でテント暮らしをする昇は、公園でもみ合っている樹冬に目を奪われる。樹冬がナイフで男を刺した。
引きこもりのホームレスと美人局の片棒をかつがされる女の楽園探しが始まる。吐きたくなるほど愛されたいんだ!
東京近郊の森でテント暮らしをする昇(ノボル)は、気に入らない人々への恨みを書道にして、テントに貼り付けて飾る日々を送っている。ある日、樹冬(キフユ)と重久(シゲヒサ)と佳代(カヨ)の修羅場を偶然目撃した昇は、その日から樹冬に興味を持ち、彼女の後をつけると、重久と佳代は、樹冬を使って美人局をしていた。
彼女は騙されている。と思った昇は、樹冬を助けるつもりで誘拐を計画し、身代金を重久に要求するが「バーカ、勝手に殺せ」と重久に言われ、失敗に終わる。
捨てられる恐怖に怯えた樹冬は、重久の元へ擦り寄るのだが、すでに重久は別の女、真理子に美人局をさせ、樹冬は用済みにされていた。逆上した樹冬は、重久をナイフで刺して逃走。それを目撃した昇は、樹冬の後を追いかけ「重久は死んだ」と嘘をつき、彼女と共に日本からの脱出を企てる……
出演:須森隆文,櫻井亜衣,松永大輔,入江庸仁 ,志戸晴一,松本高士,鈴木ひかり,椎名香織,森谷勇太,高木公佑
脚本・監督・美術・録音・音響効果・整音・編集:内田伸輝
撮影監督・スチール・美術・衣装・メイク:斎藤文 録音:新谷寛行
音楽:Yamikurae[Jacopo Bortolussi, Matteo Polato] 制作:斎藤文・内田伸輝
共同プロデューサー:日下部圭子 プロデューサー:斎藤文,内田伸輝
製作:映像工房NOBU 配給:マコトヤ
2017年/DCP・Blu-ray/カラー/ステレオ/16:9/115分/
©2016 NOBU Production
公式サイト 公式twitter 公式Facebook