『港町』『ザ・ビッグハウス』新作2作品連続公開記念特集上映
想田和弘と世界
2018年6月2日(土)~8日(金) 、シアター・イメージフォーラムにて開催!
なぜ想田和弘はドキュメンタリーを撮るのか?
「観察映画」とは何か?
その全貌を劇場初公開のリマスタリング版で一挙上映。
現在、渋谷シアター・イメージフォーラムで、ベルリン国際映画祭2018に正式出品された『港町』が絶賛公開中で、6月9日からは、初めてアメリカを舞台に、現代アメリカの光と影を映しとった『ザ・ビッグハウス』が公開される想田和弘監督。新作ドキュメンタリー映画2作品の連続公開を記念して、『想田和弘と世界』と題した特集上映が開催される。
事前のリサーチやテーマの設定をせず、ナレーションや音楽を一切使用しないなどといった「観察映画の十戒」を自ら掲げ、「観察」をキーワードにした独自のスタンスでドキュメンタリー映画の制作を続ける想田監督は、ベルリン国際映画祭に正式招待された2007年公開の『選挙』以降、 コンスタントに作品を発表し続けている。今回の特集では、観察映画の第1弾となる『選挙』から、公開中の新作『港町』までの全8作品をリマスタリング版を含めて一挙上映。想田監督が追求する「観察映画」とは何か、その進化の変遷、深化の軌跡を堪能できる貴重な1週間をお見逃しなく。
6月2日(土)16:00『港町』上映後トーク
ゲスト:濱口竜介さん(映画監督)× 想田和弘監督
6月3日(日)16:25『演劇2』上映後トーク
ゲスト:岩井秀人さん(劇作家・演出家・俳優)× 想田和弘監督
6月6日(水)17:15『選挙2』上映後トーク
ゲスト:山内和彦さん(本作出演)× 想田和弘監督
6月8日(金)17:40『港町』上映後トーク
ゲスト:深田晃司さん(映画監督)× 想田和弘監督
当日一般1,500円/学生・シニア1,200円/会員1,100円 (『港町』のみ当日一般1,800円)
観察映画 第8弾
ザ・ビッグハウス
ディス・イズ・ア・メ・リ・カ!
「観察映画」史上最高のスペクタクルで描かれるアメリカ合衆国の光と影
ついに想田和弘がアメリカで観察映画を撮った。しかも舞台は、全米最大のアメリカンフットボール・スタジアム、通称“ザ・ビッグハウス”。パブリック・アイビーと称される名門ミシンガン大学が誇る ウルヴァリンズの本拠地だ。
収容人数は10万人以上、地元アナーバー市の総人口に迫る。
想田を含めて17人の映画作家たちが廻すキャメラが捉えたダイナミックなプレイ、熱狂する観衆、バックヤードで国民的スポーツを支える実に様々な人々…。それらの映像群が、想田の大胆かつ緻密なモンタージュによって、まるで巨大な生命体のように機能するスタジアムの全貌を描き出していく。
それは現代アメリカの縮図でもある。教育とスポーツとビジネスの関係。人種や階級、格差、宗教問題。台頭するナショナリズムやミリタリズム…。アメリカが誇る文化と 抱える問題とが、“ザ・ビッグハウス”という小宇宙に浮かび上がる。撮影は 2016年の秋、奇しくもドナルド・トランプ大統領誕生へと至る選挙戦の最中に行われた。
監督・製作・撮影・編集:想田和弘 製作:柏木規与子 製作会社:Laboratory X, Inc 配給:東風+ gnome
©Laboratory X, Inc
2018年6月9日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
- 『選挙』観察映画第1弾 ( 120分|2007年 ◎リマスタリング版初上映 )
ニッポンの民主主義を大解剖 選挙運動の裏まで見せた史上初のドキュメンタリー
米国ピーボディ賞,ベオグラード国際ドキュメンタリー映画祭・グランプリ 受賞.ベルリン国際映画祭ほか正式招待
「日本のどぶ板政治の典型とも言える市会議員選挙の舞台裏に密着したカメラは、最後まで近からず遠からず微妙な距離感を保ち続けて、見事にニッポンの根っ子を活写した。このダイレクトシネマは監督の想田和弘が、日本を離れアメリカに暮らした余所者の視点で最も日本的な集団と組織のあり方を見つめたが故に可能になったのであろう。そこにこの映画のユニークな新しさがある。」佐藤真(ドキュメンタリー映画監督『阿賀に生きる』) - 『精神』観察映画第2弾 ( 135分|2008年 ◎リマスタリング版初上映 )
これまでタブーとされてきた精神科にカメラをいれ、「こころの病」と向き合う人々がおりなす悲喜こもごもを、モザイク一切なしで鮮烈に描きだす。
釜山国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞,ドバイ国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞,香港国際映画祭・優秀ドキュメンタリー賞受賞,ベルリン国際映画祭ほか正式招待
「進化するメディアを媒介にして二分化が進む。そのひとつが精神の正常と異常。その二分がいかに空しいものであるかを、この作品は教えてくれる。狭間がいかに豊かであるか、そしてその狭間こそが僕らが生きている領域であることを、しっかりと呈示してくれる。想田に言いたい。ありがとう。あなたはまた、世界をひとつ広げてくれた。」森 達也(映画監督/作家) - 『Peace』観察映画番外編 ( 75分|2010年 ◎リマスタリング版初上映 )
平和へのヒントは、野良猫たちから教わった。
東京フィルメックス・観客賞,香港国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞,ニヨン国際映画祭・ブイエン&シャゴール賞受賞,韓国・非武装地帯ドキュメンタリー映画祭・オープニング作品
「何も物語が生まれないと思い込んでいる日常が、鮮やかに立ち上がる瞬間。小さな世界、猫たちのルール、ゆるやかな変化と調和。不満と諦め、たまにきらめき。「平和」はいつもわたしたちの手の中にある。」今日マチ子(漫画家「センネン画報」「みかこさん」) - 『演劇1』観察映画第3弾 ( 172分|2012年 ◎リマスタリング版初上映 )
『演劇2』観察映画第4弾 ( 170分|2012年 ◎リマスタリング版初上映 )
人間とは、演じる生き物である――想田和弘監督が迫る、劇作家・平田オリザと青年団、そして現代社会。
ナント三大陸映画祭・若い審査員賞受賞,釜山国際映画祭ほか正式招待
「たいへんに面白かった。何がどう面白かったのか、手持ちの映画批評の用語ではうまく表現できない。そういう種類の経験だった。この映画の「成功」(と言ってよいと思う)の理由は二つある。一つは「観察映画」という独特のドキュメンタリーの方法を貫いた想田和弘監督のクリエーターとしての破格であり、もう一つは素材に選ばれた平田オリザという世界的な戯曲家・演出家その人の破格である。この二つの「破格」が出会うことで「ケミストリー」が生み出された。二人がそれぞれのしかたで発信している、微細な歪音がぶつかりあい、周波数を増幅し、倍音をつくり出し、ある種の「音楽」を作り出している。」内田樹(凱風館館長) - 『選挙2』観察画第5弾 ( 149分|2013年 ◎リマスタリング版初上映 )
民主主義の素顔とは?想田和弘監督が再び挑む、知られざる選挙の裏側。現代ニッポンの限界と可能性。
シネマ・デュ・レエル,MoMA ドキュメンタリーフォートナイト ,ドバイ国際映画祭,香港国際映画祭ほか正式招待
「山さん、ストライクス・バック!!! いまだかつて、こんな「政治ドキュメンタリー」が、そしてこんな「反原発映画」があっただろうか? と同時に、これは一種の「活劇映画」でもある。このヒーローならざるヒーローの、破天荒で孤独で悲喜こもごもの戦いを、われわれ観客は固唾を呑んで見守ることになる。」佐々木敦(批評家) - 『牡蠣工場』観察映画第6弾 ( 145分|2015年 )
美しき瀬戸内の海。過疎の町にグローバリズムがやってきた。「歴史の歯車」が、いま、静かに回りだす!
キノタヨ映画祭で観客賞(最高賞)受賞,ロカルノ国際映画祭,ナント三大陸映画祭,バンクーバー国際映画祭,香港国際映画祭ほか正式招待
「観察する「カメラ=身体」は記述の道具ではなく、偶然性を受け入れ、変化する現場の一部となるくらいダイナミックで生き生きとしている。」港千尋(写真家)
「大切なことは、いつも小さな声で語られる」。本作の、カメラはそう言っているように思える。」平川克美(文筆家) - 『港町』観察映画第7弾 ( 122分|2018年 )
生きて、死ぬ。死んで、生きる。比類なき映画体験。ドキュメンタリーの驚天動地。
ベルリン国際映画祭,シネマ・デュ・レエル,香港国際映画祭ほか正式招待
「人の営みというものを成り立たせている根幹のサイクルを、これでもかという丁寧さで「観察」してゆくカメラ……ミクロからマクロを浮き上がらせる視点の鋭さは相変わらず流石!というほかないが、 今回の作品ほど、切り取られた「その時間」の絶対的なかけがえなさと、儚さを思い知らされたことはなかった。ほとんど神話的と言っていいような余韻を残す、これは間違いなく想田さんの新境地! 」ライムスター宇多丸(ラッパー/ラジオパーソナリティ)
2018年6月2日(土)~8日(金) 、シアター・イメージフォーラムにて開催!
- (著):アルボムッレ・スマナサーラ, 想田和弘
- 発売日:2018/1/25
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- (著):想田和弘
- 発売日:2016/1/22
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