新作情報

大林宣彦監督作品

花筐/HANAGATAMI

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2017年12月16日(土)より、有楽町スバル座ほか全国順次公開!!

INTRODUCTION

「映画化するのは終生の夢であった」――大林宣彦

世界的カルト映画にして大林宣彦監督のデビュー作『HOUSE/ハウス』 (77)より以前に書き上げられていた幻の脚本が40年の時を経て奇蹟の映画化。自分の命さえ自由にならない太平洋戦争勃発前夜を生きる若者たちを主軸に、心が火傷するような凄まじき青春群像劇を、圧倒的な映像力で描く。原作は三島由紀夫がこの一冊を読み小説家を志したという檀一雄の純文学「花筐」。尾道三部作をはじめ数多くの“古里映画”を撮り続けてきた大林宣彦が選んだ佐賀県唐津市を舞台に、唐津の魂「唐津くんち」が映画史上初の全面協力。窪塚俊介主演、満島真之介、長塚圭史、常盤貴子ほか。『この空の花』『野のなななのか』に続く本作は、余命宣告を受けながら完成させた大林宣彦的“戦争三部作”の締めを飾る魂の集大成である。

『花筐/HANAGATAMI』 『花筐/HANAGATAMI』場面1

少年は魂に火をつけ、少女は血に溺れる。

1941年の春、アムステルダムに住む両親の元を離れ、佐賀県唐津に暮らす叔母(常盤貴子)の元に身を寄せることになった17歳の榊山俊彦(窪塚俊介)の新学期は、アポロ神のように雄々しい鵜飼(満島真之介)、虚無僧のような吉良(長塚圭史)、お調子者の阿蘇(柄本時生)ら学友を得て“勇気を試す冒険”に興じる日々。肺病を患う従妹の美那(矢作穂香)に恋心を抱きながらも、女友達のあきね(山崎紘菜)や千歳(門脇麦)と“不良”なる青春を謳歌している。しかし、我が「生」を自分の意志で生きようとする彼らの純粋で自由な荒ぶる青春のときは儚く、いつしか戦争の渦に飲み込まれてゆく。「殺されないぞ、戦争なんかに!」__俊彦はひとり、仲間たちの間を浮き草のように漂いながら、自らの魂に火をつけようとするが……。

大林宣彦監督からのメッセージ

青春が戦争の消耗品だった時代の、
先人の断念と覚悟を示す痛みを、未来の為に伝えたい。

『花筐/HANAGATAMI』場面2この映画に於ける「唐津」とは、 風景である事を超えて精神である。原作本の冒頭に檀さん自身が、「その町は先ず架空の町であってもよい」、と記している。架空の町ではロケ出来ぬから、「では何処で撮影すれば宜しいかしら?」、と問うと、即座に「唐津へ行って御覧なさい」。それが檀さんの、僕らに向けての遺言となった。
十代の終わりに檀一雄は、共産主義に関わる事件を起こし、学校を追われ、唐津の町に棲み着いて放浪生活を送っている。政治的事件と言うよりもむしろ多感にして無垢な少年にとって、当時の大日本帝国の軍部主導の世では、己の魂の純血に寄り添って生きようと欲せば、自然とそういう性状を持つに至ったであろう。
そこで一雄少年は多くの唐津の里人と出逢い、会話し、この町に暮らすひとびとから生きる智慧や温もりを学び、その相剋の中で密かに「花筐」の草稿を紡いでいたのである。
唐津は頑として、町人の町である。里には現在でも城内と城外がくっきりと区分けされ、四百年の歴史を刻むこの里の誇り「唐津くんち」は、城外の町人の祭りである。では城内のお侍は何をするのかと言うと、「はい。交通整理をしておりまする」。名物曳山の山車を曳くのは代代その家の血脈の者に限られ、家人は一年を掛けてもてなしの馳走に腐心する。町人の誉れ、決して権力などには屈しない心意気、その奇蹟が息衝く町だ。

僕は、この世では夢の町、理想の町、それ故に架空の町・唐津を、檀さんが願った奇蹟の町その儘に描き出してみよう、さればこそ檀さんがこの初初しい実験作に託した人の暮らしの理想が炙り出されて来るのではないか、と直感した。凡そ観光行政的には魅力の稀薄なこの企画を、「これは今、必要な映画ですね!」、と脚本を一読、そう決意された里人の聡明な覚悟のお顔に勇気を貰ったから。
「戦争が廊下の奥に立っ てゐた」、なる戦時下の俳人・渡邊白泉の一句が僕の脳裏に貼り付いて、この所次第にリアリティを醸造してくる。僕の少年時と同じ皮膚感覚である。ふと四〇年前に書いていた「花筐」の脚本が心に浮かんだ。最早、唐津は架空の町ではなかった。今こそ檀さんの時代の無念を伝え、『花筐/HANAGATAMI』場面3 『花筐/HANAGATAMI』場面4同じ悲しみを二度と味わわない為に。
現在の情報社会では、総ての情報が等価値に横並びされ、知ってはいるが他人事。この儘暴走すれば世界は再び戦火の中だ。しかし映画ではひと びとは虚実の中をさ迷い思考する。世界の総ての事象が自分事として捉えられる。時には現実を乗り 超えての発見に至る。
青春が戦争の消耗品だった時代の一見放蕩無頼にも見えるあの狂騒が、我が命くらいは己が自由にさせよと願ったこの国の先人たちの断念と覚悟を示す自恃の様であった痛みを、若い人には是非実感して欲しい。

CREDIT
監督:大林宣彦
製作:辻幸徳(唐津映画製作委員会)、大林恭子(PSC) 協力:檀太郎
原作:檀一雄「花筐」(講談社・文芸文庫) 脚本:大林宣彦、桂千穂 音楽:山下康介
撮影監督:三本木久城 美術監督:竹内公一 照明:西表燈光 録音:内田誠
編集:大林宣彦、三本木久城 整音:山本逸美 監督補佐:松本動
エグゼクティブプロデューサー:大林恭子 プロデユーサー:山﨑輝道
出演:窪塚俊介、満島真之介、長塚圭史、柄本時生、矢作穂香、山崎紘菜、門脇麦、常盤貴子
村田雄浩、武田鉄矢、入江若葉、南原清隆、小野ゆり子、岡本太陽、根岸季衣、池畑慎之介、細山田隆人
白石加代子、大川竜之助、片岡鶴太郎、髙嶋政宏、原雄次郎、品川徹、伊藤孝雄
2017 年/カラー/DCP/アメリカンヴィスタ/169 分
配給:新日本映画社 © 唐津映画製作委員会/PSC 2017

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2017/12/12/19:26 | トラックバック (0)
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