映画祭情報&レポート

第9回 UNHCR
難民映画祭

http://unhcr.refugeefilm.org/

2014年東京 2014年10月4日(土)、11日(土)~19日(日)
北海道札幌 10月12日(日)/兵庫県西宮 10月25日(土)・26日(日)にて開催
※入場無料(会場で募金にご協力ください)

難民をテーマにした国内外から選りすぐりの作品を無料で上映してきたUNHCR難民映画祭が今年も開催される。
UNHCR難民映画祭は人々の恐怖や絶望、喪失感、また一方では希望と勇気、活力と成功のストーリーを紹介することで難民、国内避難民、無国籍者の置かれた状況について理解を深めてもらうことを目的にした映画祭。9回目となる今年のUNHCR難民映画祭は、スポンサーやパートナー団体の支援により、従来の東京に加え、札幌、西宮でも開催されることとなった。上映時にトークイベントなどが行われる計画もあるとのことなので、この機会に開催地に足を運び、2013年末時点で第二次世界大戦後で最も多い5100 万人に上っている世界の難民問題について知る・考えるきっかけにして欲しい。

上映タイトル一覧

『ボーダー ~戦火のシリアを逃れて~』( イタリア / 2013 / 95分 / ドラマ )

日本初上映 アレッシオ・クレモニーニ監督 『ボーダー ~戦火のシリアを逃れて~』

信仰深いシリア人姉妹のファティマとアヤ。ファティマの夫がシリア政府軍を脱走し、自由シリア軍に加わる決意をしたことによって二人は命を狙われる事となる。最小限の荷物を抱え、人目に付かぬようトルコ国境を目指す姉妹。その旅程で彼女たちを待ち受けるのは、武装した盗賊など命知らずの荒くれ者だった。

『スケーティスタン』 『スケーティスタン』( アメリカ / 2011年 / 95分 / ドキュメンタリー )

シネマ・フォー・ピース2011 最優秀ドキュメンタリー賞 カイ・セーア監督

カブールの路上では今日も子どもたちが夢中でスケートボードを滑らせている。紛争によって荒廃した国の子どもたちの未来をスケートボードに託したプロ・スケーター集団が立ち上げたのは「スケーティスタン」。民族や宗教、社会的・経済的な違いを乗り越えて設立されたアフガニスタン初のスケート・パークと学校を兼ねたその型破りなプロジェクトにカメラは密着する。

『FCルワンダ』 『FCルワンダ』( オランダ / 2013年 / 57分 / ドキュメンタリー )

日本初上映 ヨリス・ポステマ監督

ルワンダの虐殺から20年、政府は国民一人一人における民族の帰属意識は弱まり、代わりにサッカーが人々の和解をもたらすと信じている。しかし現役の選手たちが幼少期にそのフィールドで見た凄惨な現場、積み上げられた屍の数々、連れ去られた弟や妹たちの姿を忘れることはない。記憶は消去できるのか?民族間のあつれきは本当に解消されたのか?サッカーを通して本作はそれらの問題に迫る。

『タワルガへの道 ~アラブの春の影で~』( リビア / 2013年 / 46分 / ドキュメンタリー )

日本初上映 アシュラフ・アル・マシュハラウィ監督 『タワルガへの道 ~アラブの春の影で~』© Media Town

2011年、リビア反政府勢力にとっての拠点となったミスラタに向けてカダフィはトリポリ東部のタワルガから民兵を出動させ暴動の鎮圧を図る。その結果ミスラタでは市民に対する残虐行為が多発した。衝突の収束後、反政府勢力による報復の矛先はタワルガの少数民族へと向けられた。カダフィ政権崩壊後のリビアにおける和解がいかに困難であるかをこのドキュメンタリーは検証する。

『ラスト・チャンス ~LGBTたちの行方~』( カナダ / 2012年 / 84分 / ドキュメンタリー )

日本初上映 ポール・エミール・ダントルモン監督 『ラスト・チャンス ~LGBTたちの行方~』

同性愛者に対する暴力から逃れるために祖国を離れ、カナダへとたどり着いた5人の庇護申請者。難民申請の棄却と強制送還に怯える日々、社会の一員として受け入れられるための努力。しかし、自分たちのアイデンティティを諦める事はなく、希望の兆しを求め続けている。カメラは、セクシャル・マイノリティたちの強い意思と支援する人々の姿に寄り添う。

『ナイルのくちづけ』© Katerine Giguere 『ナイルのくちづけ』( カナダ / 2013年 / 75分 / ドキュメンタリー )

日本初上映 アレクサンドラ・シコット・レヴェスク監督

分離前夜のスーダン。古くさい独裁主義に折合いをつけようともがく北部の若者たち。犠牲を伴う独立に希望を抱く南部の若者たち。白ナイルの川の流れに身を任せるが如く、北と南の間で揺らぐアイデンティティの確立を求めるスーダンの若者6名。その姿を通じて、多様性に満ち、しかし複雑に入り組んだ社会が分裂してゆく歴史的瞬間を本作はとらえる。

『イブラヒムのミツバチ』( ドイツ / 2013年 / 107分 / ドキュメンタリー )

日本初上映 マノ・ハリル監督 『イブラヒムのミツバチ』© Frame Film - Bern

混迷の続くトルコ・クルド紛争はイブラヒムの全て-妻子、故郷、そして彼にとって生きる糧であった500余りのミツバチの巣箱-を奪い取った。喪失を乗り越え、長きにわたる旅の末にたどり着いたスイスの地で、イブラヒムは養蜂への情熱と周囲の人々への信頼を拠り所に再び自分の人生を取り戻そうとする。保守的と言われるスイスの、とある小さな村で起きた感動の物語。

『マコンド』( オーストリア / 2014年 / 98分 / ドラマ )

第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門 スダベー・モルテツァイ監督 『マコンド』© FreibeuterFilm

父親亡き今、家長として母と幼い二人の妹への責任を感じるチェチェン人の少年ラマサン。死んだ夫と失った故郷への思いを諦め、たどりついた異国の地でシングルマザーとして家庭を守ろうと必死に生計を立てるラマサンの母親。ウィーン郊外の工業地帯の一角に暮らす母子家庭の元に、父親の戦友を名乗る一人の男性が現れ、一家は混乱する。

『金の鳥籠』( スペイン、メキシコ / 2013年 / 102分 / ドラマ )

日本初上映 第66回カンヌ国際映画祭ある視点部門 ディエゴ・ケマダ=ディエス監督 『金の鳥籠』© Films Boutique

グアテマラのスラムに住む三人の少年少女は日々の苦しみと暴力を逃れ、安全な暮らしを求めアメリカを目指す。途中、メキシコで彼らはチアパス出身の先住民の少年と出会い、共に貨物列車の旅へと出るが、旅程で三人を待ち受けていたのは思いもよらぬ数々の残酷な仕打ちだった。命を賭けて越境を試みた何百もの人々の証言を基に綴られた衝撃の人間ドラマ。

『シャングリラの難民 ~幸福の国を追われて~( アメリカ / 2013年 / 57分 / ドキュメンタリー )

日本初上映 ドリア・ブラマンテ監督 『シャングリラの難民 ~幸福の国を追われて~』

ヒマラヤ山脈が跨ぐ辺境の地、ブータン王国を追われた数万もの人々の存在は世界にほとんど知られる事もないままに20年が経過した。理想郷であるはずだった故郷への帰還を不屈の精神で願っていた彼らもやがて、国民総幸福量の高さを誇るこの国から追放されたまま、アメリカでの新しい生活に希望を託すようになる

『メアリーとモハメッド』( オーストラリア / 2013年 / 81分 / ドキュメンタリー )

日本初上映 ヘザー・カークパトリック監督 『メアリーとモハメッド』© Kristy Dowsing

年金暮らしのメアリーは敬虔なキリスト教徒。地元タスマニアの仲間たちと編み物サークルを中心に、慎ましやかに暮らしていた。ある日、地元の反対を押し切って収容施設が開設され、男性ばかり400余人が収容され、その多くはアフガニスタンからの難民であった。初めは受け入れに反対していたメアリーだが、サークル活動を通じて知り合ったモハメッドとの交流が深まるにつれて考えを改める事に。

『戦乱前夜に咲いた花 ~地球でイチバン新しい国・南スーダン~』
( 日本/2014年/50分/ドキュメンタリー/制作・著作:NHK )

日本初上映 第51回 ギャラクシー選奨受賞 ナレーション 二階堂ふみ ディレクター:斉藤勇城 『戦乱前夜に咲いた花 ~地球でイチバン新しい国・南スーダン~』© NHK

2011年北部からの独立によって誕生した南スーダン。世界で一番新しい国家である。独立に伴う犠牲は大きく、大勢の男性が命を落とした。これから南スーダンでは女性が国づくりを担うのだ。国を代表するミス・マライカを決めるコンテストで、少女たちに求められるのは美しさだけではない。国づくりのアイディアが重視される。内戦の影響と女性蔑視によって辛い思いをしてきた彼女たちがステージに託す思いとは。

『無国籍を生きる』© Matt Fillmore『無国籍を生きる』( マレーシア / 2014年 / 50分 / ドキュメンタリー )

日本初上映 ヴィラ・ソミア、マシュー・フィルモア監督

マレーシアのサバ州にフィリピンから逃れてきた家族たちの姿をカメラは追う。フィリピン南部の内戦による暴力から逃れるため、マレーシアとの海峡を渡った数千にも上るフィリピン人は、世代交代に伴い、国籍を失う。本作は、どの国からも国民と認められなくなった人々の真実に迫る。

http://unhcr.refugeefilm.org/

2014年東京 2014年10月4日(土)、11日(土)~19日(日)
北海道札幌 10月12日(日)/兵庫県西宮 10月25日(土)・26日(日)にて開催
※入場無料(会場で募金にご協力ください)

2014/09/25/19:19 | トラックバック (0)
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