磯部鉄平監督特集
2020年7月10日(金)~16日(木)、「ミは未来のミ」、
日替わり短編併映「真夜中モラトリアム」「そしてまた私たちはのぼってゆく」
7月17日(金)~23日(木)、「予定は未定」、「オーバーナイトウォーク」
アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開!
大阪と東京で映画制作を続ける磯部鉄平監督が、
2016年から約3年間で制作した短篇、長編作品を一挙上映。
河瀬直美らを輩出したビジュアルアーツ専門学校大阪の出身で、大阪と東京で映画制作を続ける磯部鉄平監督が、2016年から約3年間に制作した短篇、長編5作品が劇場で一挙に公開される。
磯部鉄平監督は、映画を作り始めたのは30歳を過ぎてから、という遅咲きの俊英ながら、だからこそ持ちえた独自の視点で、数々の短編映画を制作。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2年連続受賞、Kisssh-Kissssssh映画祭グランプリ、賢島映画祭3年連続受賞、札幌国際短編映画祭、大阪アジアン映画祭、ニッポンコネクション、さまざまな映画祭の賞で入選・受賞を果たしてきた。
友人を失った高校生、いき遅れたOL、夢を追うフリーターなど、磯部鉄平の作品には様々な喪失感を抱えてもがいている人物達が登場する。世代や性別、環境は様々だが、常に描こうとしているのは”青春”だ。モヤモヤ感を抱えながらも、希望を見出す優しい視点を持ち合わせるところが特性だ。
今後の活躍が大いに期待される気鋭監督のが作り出す作品世界の魅力を是非その目で確かめていただきたい。
磯部鉄平 (いそべ てっぺい) 公式twitter
ビジュアルアーツ専門学校大阪卒業。小谷忠典監督のドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品』(2015) に海外撮影スタッフとして参加。帰国後は映像フリーランスとして企業 VP、MV のディレクターや、インディーズ映画のスタッフとして活動する。主な参加作品は「見栄を張る」( 助監督、編集 )、「コントロール・オブ・バイオレンス」( 制作 )、「椿、母に会いに」( 制作 )、「大阪少女」( 助監督 )、「蝉の鳴くクリスマス」( 監督補・編集 ) など多数。2016 年から映画製作を開始。国内外の映画祭に多数入選、受賞する。2019 年、同級生の谷口慈彦と共に映像制作会社株式会社 belly roll film( ベリーロールフィルム ) を設立する。2020 年、「ミは未来のミ」/「予定は未定」「オーバーナイトウォーク」がアップリンク吉祥寺にて公開決定。最新作は長編「コーンフレーク」。2020 年 3 月、劇場公開用長編「アリスインデッドリースクール」の撮影を控える。
『ミは未来のミ』へのコメント
- 「青春」
どうしようもない狂おしさ、説明のつかない思い、そして、無駄な行動に支配される時間。
「ミは未来のミ」はまさに青春映画。
凡庸さの中に生まれる永遠の輝きをカメラに収めた。
――犬童一心(映画監督「引っ越し大名!」「ジョゼと虎と魚たち」) - 高校男子たちが、アホでアホでどうしようもなく、だけど見ていて愛おしく、私も男子として彼らの中に入って青春時代を過ごせたら、どんなに楽しかっただろう。――荻上直子(映画監督「彼らが本気で編む時は、」「かもめ食堂」)
- 特別優秀でもない、尖っているわけでもグレているわけでもない、
どこにでもいそうな高校生男子たちの気の置けない仲間内での等身大の会話と絡み。
嬉々として、または仏頂面でほとんどどうでもよい話を語り合う彼らはひたすら観ていたくなるくらいに眩しい。
物語の核ともいえるエピソードが、まさかの監督の実体験と知り、驚いたり呆れたり(!)。
分身ともいえる彼らを見つめる監督の視点は、照れが混ざりながらもどこまでも優しい。
大人直前の彼らの素直さと葛藤を瑞々しく描いた本作、
‘ごく普通’の高校時代を過ごした大人には、
またそうではなかった人々にもなぜか懐かしく感じられるに違いない。
――坂野ゆか(公益財団法人 川喜多記念映画文化財団チーフコーディネーター) - ためいきまじりの高校三年、秋。
怠惰に過ごしているけど、でも純粋さを持っている。
物理を専攻するショートカットのヒロインはささやく。
「この宇宙ってさぁ、どれぐらい広いのか、知りたくない?」・・
自分はいつ、世界の成り立ちや、自分より遥かにおおきなことに思いを馳せるのをやめてしまったんだろう・・
主人公の親友、高木が秘かに大事にしていたエロDVDのタイトルが切ない。
夢という説明は一切ないのに、まさに夢そのものなプラネタリウムのシーンに惹き込まれた。登場人物たちの、居心地のよくなさそうな、繊細で純粋な横顔が眩しい。
実体験をもとに構想したという『ミは未来のミ』。
監督はなにを託したのだろう。観客ひとりひとり、受け取るものは違うのだろうが、自分には、人生の一瞬や過ぎ去った出来事を、自分や仲間の命よりも、もっと長く留めたいと願う、死に対するささやかな抵抗の詩のようにおもえた。
誰かのこころに触れようとする気持ち。
それをなんとかシーンにおきかえようと努力する磯部鉄平監督の想いを感じた。
――塩田 泰造(映像ディレクター/劇団『大人の麦茶』主宰)
『予定は未定』『オーバーナイトウォーク』へのコメント
- 女優『屋敷紘子』
今までの役は、精神的にも肉体的にも強い役が多かった印象があるが、本作では等身大の飾らない素のままの彼女がそこに存在する。
蹴ったり、殴ったりしない、普通の女性。
普通だからこそ悩み苦しみ葛藤する。
そんな不器用な女性だからこそ応援したくなる。時間は有限ではない。
走り出すなら今しかない。
少し背中を押された気分だ。
――下村勇二(映画監督「RE:BORN」「デス・トランス」) - 映画の中の走るシーンにどうしようもなく惹かれたのは
どの映画だったか、いつが最初だったか。
疾走するヒロインが好きだ。
この映画でもヒロインの屋敷紘子が走る走る。
私は「こじらせ女子」という言葉にうまく反応できないし、
「(その気持ち)わかるわかる系共感」とか、
そういう設定への感度もひどく低い。
自分の中の何かと映画の中の「設定」を接続させてみるのが不得意なのだ。
けれども、この映画を見て、私は気づくとひたすらヒロインの走るシーンに心を躍らせていた。
最初に走る時、彼女は時折振り返りながら走る。
彼女のこれまで生きてきた時間と今の時間が「同じ空間」で並走する。
そしてもう一度、ラストシーン、再び彼女は走る走る。
長い手足が風を切り、駆け抜ける。
時折空を仰ぎ、目の前だけを見て。
身体性の高さを武器に美しく走るこのヒロインを見ながら、
この映画は「明日の映画」なんだと感じた。
――明智惠子(『キネマ旬報』エグゼクティヴ・ディレクター) - 人生は予定は未定。
人は何かに向かって走り続けている。
しかし、人生は予定調和には上手くいかないものだ。
純子は都会の真ん中で、会社の我儘な上司や同僚の言葉に落ち込み人生を立ち止まり続けている。そんなある日、彼女のもとに飛んできた紙飛行機に運命と夢を感じて、紙飛行機の飛ばした場所を探して見たものは?
彼女自身が現実に真っ直ぐに向き合い愚直に走る事を意識した時、全ての柵(しがらみ)を解き放ち、純子は新しい自分自身へと走る!走る!
――森賢正(ラインプロデューサー「昼顔」「シン・ゴジラ」) - 私何してんねやろ…俺何してんねやろ…
そんな自分にぶち当たったことがないひとなんて誰もいないはずです。
映画「予定は未定」はそんなもやもやした気持ちをわずか27分でリセットしてくれて背中まで押してくれます。
本人は謙遜してましたが体を張って最強のヒロイン映画にしてくれた屋敷紘子がとにかくまぶしい!いやマブイ!――椿原敦一郎(シネマシティ株式会社 番組担当) - インデペンデンスが好きである。
なぜなら?そこには映画に恋い焦がれたスタッフ キャストの初々しきパッションと挑戦があるからだ。
この作品に描かれているものも例外ではない。
夢に向かい叶えることの難しさの中に生きる? 極々日常の極ナチュラルな赤裸々をユーモアとシニカルに力強く描いている。
条件や環境に負けないパッションと予定調和を感じさせない画作りにキャラクターたちの感情を見ることができる。
「予定は未定」「オーバーナイトウォーク」好きな映画です。
――STRONG 遠藤(美術装飾、特殊効果、操演「GONIN」「るろうに剣心」「斬、」)
2020年7月10日(金)~16日(木)、「ミは未来のミ」、
日替わり短編併映「真夜中モラトリアム」「そしてまた私たちはのぼってゆく」
7月17日(金)~23日(木)、「予定は未定」、「オーバーナイトウォーク」
アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開!
上映日:2020年7月10日(金)~16日(木) 劇場サイト
監督・脚本・編集:磯部鉄平 出演: 櫻井保幸,佐野弘樹,カレン,松本知道 ©belly roll film
SKIP シティ国際 D シネマ映画祭 2019 SKIP シティアワード/映文連アワード 2019 準グランプリ/第 12 回オホーツク網走フィルムフェスティバル中・長編部門 ニポネ賞 ( 準グランプリ ) /第 5 回賢島映画祭 主演男優賞 ( 櫻井保幸 )
高三の上村拓也は秋になっても進路を決めかね、焦りを感じながらもダラダラと過ごしていた。ある日、仲良しグループの親友・高木が交通事故に遭う。上村は皆で交わした約束を果たすために仲間を集める。
監督・編集:磯部鉄平 出演:南羽真里,GON,時光陸 ©belly roll film
Kisssh-Kissssssh 映画祭 2017 短編部門 グランプリ/第 10 回 O!!iDO 短編映画祭 監督賞
高校の仲良しグループだった南波、権田、時光、西河、丘田の5人はリーダー的存在だった松元麻衣子の葬式帰りにささやかなお別れ会をする。久しぶりの再会に話も弾むが、卒業の際仲間で埋めたタイムカプセルを掘り起こして松元の秘密を暴こうと真夜中の河川敷に向かう事になる。
( 2019年/34分/カラー/企画・製作:ホビー・コミッツ,belly roll film )
監督・編集:磯部鉄平 出演:南羽真里,浄弘卓磨 ©belly roll film
第 11 回映像グランプリ優秀作品賞/第 6 回映画少年映画祭 観客賞
ええじゃないかとよはし映画祭2020 入選
楓、涼太、まな、朝陽、春香、創士、辰巳の7人は高校時代の仲間だった。22歳になり母校を訪ねてみようと集合する。立ち寄った図書室で降霊術の本を見つけた6人は、その場のノリで【籠目】を始める。一番乗り気でない楓には、卒業前に死んだ辰巳との間にある秘密があった。
上映日:2020年7月17日(金)~23日(木) 劇場サイト
監督・脚本・編集:磯部鉄平 出演:屋敷紘子,辰寿広美,南羽真里 ©belly roll film
SKIP シティ国際 D シネマ映画祭 2018 短編部門 優秀作品賞 ( グランプリ )
第 13 回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門 入選 ( ワールドプレミア上映 )
福岡インディペンデント映画祭 2018 40分ムービー部門 最優秀作品賞
杉並ヒーロー映画祭 2018 ザ・ベストヒーロー賞 ( 最優秀俳優賞 屋敷紘子 )
19TH NIPPON CONNECTION FILM FESTIVAL 入選 ( インターナショナルプレミア上映 )
40歳を前にして独身の純子はお節介な叔母からお見合いを勧められるがピンとこない。そんな彼女の元にある日、1枚の紙飛行機が飛んでくる。開いてみると男性の欄だけが埋められた婚姻届だった。
監督・脚本・編集:磯部鉄平 出演:高田怜子,屋敷紘子
第 4 回賢島映画祭 グランプリ、主演女優賞 (高田怜子)、助演女優賞 (屋敷紘子)
第 10 回映像グランプリ 入選/第 17 回中之島映画祭 入選
さくらは27歳の売れない女優。ヌードのオファーを受けるかどうか悩んでいた。そんな時、さくらの姉百合子がいきなり東京に訪ねてくる。故郷を捨てた妹と故郷を離れなかった姉。姉妹2人きりの下北沢から新宿まで夜中の散歩がはじまった。
2020年7月10日(金)~16日(木)、「ミは未来のミ」、
日替わり短編併映「真夜中モラトリアム」「そしてまた私たちはのぼってゆく」
7月17日(金)~23日(木)、「予定は未定」、「オーバーナイトウォーク」
アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開!
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