SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014 長編コンペ部門選出日本人監督鼎談

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014
長編コンペ部門選出日本人監督鼎談

加藤悦生 × 草野なつか × 遠藤幹大

公式サイト (司会/鼎談まとめ:わたなべりんたろう)

遠藤幹大監督
遠藤幹大監督 『友達』『友達』©Natsuka Kusano
司会 せっかく3人いるのですが鼎談形式にならないので、少しでも鼎談してもらえたらと思います。ここにいる3人の監督はお互いに会ったことはありますか? 外国人記者クラブでの映画祭の記者会見には来ていたようですが。

遠藤 以前、『友達』を大阪アジアン映画祭で上映させて頂く機会があったのですが、その時同じく『螺旋銀河』の上映があって、はそこで初めて草野さんにお会いしました。

加藤 ぼくはお2人に会うのは初めてです。

遠藤 お2人に聞きたいのですが、ぶっちゃけ(正直なところ、でも可)日本で監督やるのってどう思いますか?。

加藤 先にも言ったようにぼくはテレビやCM、PVなど映像の仕事をしてきたのですが、ただ映像の仕事として監督するのなら今まで通りできます。でも40歳を超えて『 PLASTIC CRIME』を監督したのは、やはり何か伝えたいことがあったんです。お2人はどうですか?

草野 伝えたいというか映画作りに携わりたかったんです。監督を職業として生活していくのは大変ですが。

遠藤 僕の場合は撮りたいと思う映画がまずあって、それをいかに実現しようかなと考えた結果、芸大に進学しました。

司会 その点は日本映画監督協会でも少ない割合だといいます。そして多くは1本もしくは数本を監督したら止まってしまう。

遠藤 それは生活していけなくなるという事ですか?。

司会 でも、今はデジタル技術の発達でそれ以前に比べればお金をかけずに映画を作ることが出来る。ネットで宣伝や配信も出来る。こちらも監督していて資金はクラウドファンディング(ネットでの一般からの出資)で製作しました。でもみなさんは監督として映画を作り続けるわけですよね。

草野 はい。

加藤 作り続けると思います。

遠藤 そうですね。作ります。

司会 日本で映画をやるということの構造的な問題だと思います。海外でも映画産業が盛んなアメリカなどは違いますが多くの国ではアウトプットは幾つもあってもインカムがない。
日本は国、文化庁などの映画への援助も基準が曖昧かつ金額も多くない。フランスは脚本で選んだ初監督作の卒業製作に2億円を出すし(『メモリーズ・コーナー』など)イギリスでは宝くじの売り上げから定率で映画製作の援助がおこなわれている。韓国もスクリーン・クォーター制度だったり、他にも若手を育成する制度もある。他の国を例にしてばかりいてもしょうがないですが、そこにヒントはあると思います。

草野 でもあきらめずにやっていきます。

加藤 ぼくの作品は完全な自主映画ですし今後も作りたい作品を自分のお金で作っていきます。

司会 この話題は尽きないので(ここには掲載しなかったが、より赤裸々な話も出た)最後に好きな映画を教えてください。

加藤 マグノリア、バック・トゥ・ザ・フューチャーかな。日本映画は次に聞かれた時に考えておきます。

遠藤 とても絞りきれないけど、見た回数が一番多いのは人情紙風船だと思います。

草野 ダニエル・シュミット監督の作品が好きです。

司会 今日は遅くまでありがとうございました。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014での作品の上映及び観客の感想を楽しみにしています。

( 司会/鼎談まとめ:わたなべりんたろう )

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PLASTIC CRIME
監督:加藤悦生 出演:伊藤和哉、鄭美奈、辻しのぶ、小林真実、片岡功、小池真吾、鈴木タロオ

螺旋銀河 監督:草野なつか 出演:石坂友里、澁谷麻美、中村邦晃、恩地徹、石橋征太郎

友達 監督:遠藤幹大 出演:山本剛史、松本花奈、大庭裕介

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014
公式サイト

2014/10/28/18:23 | トラックバック (0)
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