清野菜名、押井守監督、金子ノブアキ
映画『東京無国籍少女』 トークショーレポート
2015年7月25日(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
(取材:岸 豊)
ゆるりとした雰囲気で楽しげに進行されていたトークショーも終わりに近づき、最後に3人それぞれがコメント。
清野は、「今回のラスト15分は、今までの日本映画にない衝撃を与えるシーンになっていると思うし、今回のアクションに関しては、本当に今までのアクション映画より、自分自身もかなり気合いを入れて、全身全霊で、怪我しても良いっていうくらいの覚悟で、本気で挑んだアクションでもあるので、色んな人に見てもらいたいです」とアピール。
金子は「重ね重ねですけど、清野さんのアクションシーンはものすごいです。完成したものを見たときに、すごいものを見てしまったなと僕も思いましたし。例えば、音楽だったら何回でも聞きたくなっちゃうような曲があるんですよね。そういう感じです」「押井監督の作品に出演できて本当に光栄ですし、本当に楽しかったですね」と本作に対する愛を語った。
そして最後に押井監督が、「映画って、そもそも一回観て分かるようにできていないんですよ。マイケル・ベイを除いてですけども(笑) 一回観て分かっちゃったていう映画は所詮それだけのものなんですよ。僕は、映画は自分の仕事だから、もうちょっと上等なものだっていう風に考えたい。そういった意味で言えば、(本作の)アガリには大満足しております。かつてない、なんて言うんだろうな……自分で採点するような映画じゃないですね。僕自身は大したことをやっていないので。清野が大体苦労したわけで。(僕は)そういうようなことをやるんだって決めて、こっちに行くぞって言っただけだから。それが監督としては誇らしい。スタッフも含めて正しい方向に導けた。いい仕事ができたなっていうのは、そういうことなんですよ。良い演出ができたなってこととはちょっと違う。基本的に、役者さんを丁寧に撮ろうっていう趣旨で始めた仕事だったんで、清野に関しては最後まで表情を追いかけ切れた、最後まで表情を撮れた。お互いに納得できた。それは非常に誇っていいことだと思う」「アクションシーンがかっこいいとか、そういうのは大体想像が付くんですけど、それじゃない部分で、映画としてどういう風に評価されるのか、大変気になっております。それによって今後の監督人生を、まあ変える気は全くないんだけど(笑)、ちょっとは考えようかなって。今回の選択が正しかったという答えを頂けることを、祈っております」と締めくくった。
( 取材:岸 豊)
そこは女子美術高等専門学校。日々、創作活動に取り組む生徒たち。その中に、かつて天才と持て囃された藍(清野菜名)が居た。彼女は事故で怪我を負った影響で心に傷を抱えてしまい、今では眠ることも出来ず、授業もドロップアウトし、ただ一人、謎のオブジェを作り続けていた。そんな藍を再び広告塔として利用するため全てを黙認し、決して学園の外に出そうとしない教頭(本田博太郎)。特別扱いされる藍を苦々しく思う担任教師(金子ノブアキ)と、嫉妬を募らせる同級生たち。降りかかる執拗なイジメと嫌がらせの中、唯一、彼女の身を案じる保険医(りりィ)にも心を開かない藍。やがて、心休まらない憂鬱な日々は、藍の中で目覚めた「なにか」によって崩れ始める…。群発する地震。響く大量の鳥の羽音。学園内に流れ続けるクラシック音楽。そして繰り返される謎の声……お前はなぜ、ここにいる?
東京無国籍少女 (日本 / 2015 / 85分)
監督:押井守 出演:清野菜名 金子ノブアキ/田中日奈子 吉永アユリ 花影香音/りりィ 本田博太郎
配給:東映ビデオ © 2015東映ビデオ
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