名匠エドワード・ヤン監督幻の傑作、
4K デジタル修復を経て待望の日本初公開
台北ストーリー
2017年5月6日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー!
エドワード・ヤン監督 × ホウ・シャオシェン主演――
“台湾ニューシネマの奇跡の瞬間”が刻印された幻の傑作、ついに日本初公開!
1980年代、台湾映画界に巻き起こった新しい潮流「台湾ニューシネマ」。若い作家たちが当時の時代を鋭く映しとった傑作群は、国際映画祭で高く評価され、今も世界の映画作家に影響を与え続けている。
その「台湾ニューシネマ」を牽引した代表的な存在であり、映画史にその名を刻む名作を残しながらも、2007年に59歳の若さで世を去った名匠エドワード・ヤン監督。ヤン監督の生誕70年・没後10年となる今年、ヤン監督が盟友ホウ・シャオシェンを主演に迎えた幻の傑作『台北ストーリー』が、4K デジタル修復を経て日本で初公開される。
『台北ストーリー』は、エドワード・ヤン監督が『恐怖分子』の前年、1985年に撮りあげた長篇第2作目の野心作。日本で観る機会がなかった本作を、マーティン・スコセッシ監督の設立したフィルム・ファウンデーションが4Kデジタル修復し、ついにその幻のヴェールを脱ぐこととなった。
盟友ホウ・シャオシェンが、エドワード・ヤン監督のために製作費を捻出し完成へとこぎつけたという、まさに「台湾ニューシネマの最も幸せな瞬間」に誕生した奇跡の一本と呼べる本作は、80年代半ばの急激な発展と変貌を遂げていた台湾の首都・台北を舞台に、過去に囚われた男と未来に想いを馳せる女のすれ違いと思いがけない結末を、変わりゆく台北の街並みに重ね合わせるようにして描き出す。
本作が俳優として唯一の主演作となるホウ・シャオシェンと、この後エドワード・ヤンと結婚することになる台湾の人気歌手ツァイ・チンが、物語のもうひとつの主役でもある台北の街を漂う若者たちの焦燥や倦怠、ノスタルジアを見事に体現して
おり、ヨーヨー・マの音楽に彩られた映像は現実の都市の風景でありながら、あまりにも映画的な気配に満ちあふれている。エドワード・ヤン監督にしか捉えられない当時の台北の息吹を、本作を通してぜひ感じてみて欲しい。
台北市内のガランとしたマンションの空き家を訪れる男女二人。女は、ステレオをあそこに、テレビはここに、と夢を膨らませている。
男は気のない様子でバッティングの素振りのフォームをしながら「内装に金がかかりそうだ」、「わたし、今度昇進するから大丈夫」。女はアジン。不動産ディベロッパーで働くキャリアウーマンだ。男はアリョン。少年時代はリトルリーグのエースとして将来を嘱望されていたが、いまは家業を継ぎ、廸化街で布地問屋を営んでいる。二人は幼なじみ。過去にはそれぞれいろいろとあったようだが、なんとなく付き合いが続いている。
順調に思えたアジンの人生だったが、突然勤めていた会社が買収され解雇されてしまう。居場所を見失ったアジンは、アリョンの義理の兄を頼ってアメリカに移住し新たな生活を築こうと、アリョンに提案する。しかしアリョンにはなかなか踏ん切りがつけられない。ここには少年野球の仲間もいるし家業もある。一度は決心して資金を作るため家も売るが、昔気質のアジンの父親が事業に失敗するとその肩代りに奔走することになる。すきま風が吹き始める二人の間に、ある過去の出来事が重なり、そしてやがて思いもよらない結末が訪れる……。
主演・製作・共同脚本・4Kデジタル修復版監修:ホウ・シャオシェン
脚本:チュウ・ティエンウェン 音楽:ヨーヨー・マ
出演:ホウ・シャオシェン、ツァイ・チン、ウー・ニェンチェン、クー・イーチェン
1985 年/台湾/119 分 © 3H productions ltd. All Rights Reserved
提供:竹書房/オリオフィルムズ 配給:オリオフィルムズ 配給協力:トラヴィス
2017年5月6日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー!
- 監督:エドワード・ヤン
- 出演:ウー・ニエンジエン, エレン・ジン, イッセー尾形, ジョナサン・チャン, ケリー・リー
- 発売日:2004/07/14
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- 監督:ホウ・シャオシェン
- 出演:ワン・チークァン, イエン・チョンクオ, リー・ジュジェン, メイ・ファン, グー・ジュン
- 発売日:2016/11/02
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